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《3Sによるムダの減少》

 3S活動というのは、皆さんご存知のように【整理】【整頓】【清掃】を徹底することです。これに【清潔】【躾】をプラスして5S活動として実践している会社もたくさんあります。

 最近弊社では、医療・福祉法人向けに3S活動の提案と実践に挑戦しています。目的としていることは、3Sの中の【整頓】を徹底することで《もの探しのムダ》を減少することにあります。仮に100人職員がいる組織で、職員一人が1日5分《もの探しの》ムダ時間があるとすれば、次のような仮説をたてることができます。

 5分✕22日✕100名✕12ヵ月=2200時間(年間ロス時間)
 2200時間✕1500円=330万円(年間ロス金額)・・・時給1500円で計算

 コクヨの調査によると、平均一人20分を《もの探し》に使っているそうです。この計算の4倍です。100人規模の組織で年間1320万円のロスで、およそ4人分の労働力を無駄にしていることになります。見逃しがちな小さなことの積み重ねが大きなものになります。

 業務改善の一環として取り組んで頂きますが、《もの探しのムダ》に絞って提案を出してもらいますから、効果は大です。多少ノルマ的に改善提案を出してもらいますが、この目的は《日々考えながら業務に励んでもらう》ことにあります。

『自ら考え、自ら行動できる』ことが組織活動には重要なことだと思います。

《エン・ジャパンの調査データ》

 現在、政府は【副業・兼業】を推進しようとしていますが、エン・ジャパンが興味深いアンケート結果を公表していますのでご案内します。

【アンケートの結果内容】
 副業については、41%が希望している。(希望している・・・18%  どちらかと言えば希望している・・・23%)
 
 興味深いことは、仕事の満足度によって差が出ていることです。
 仕事の満足度が高い人・・・・・副業希望者・・・53%
 仕事の満足度の低い人・・・・・副業希望者・・・37%

 仮に、仕事への満足度が高い人が良い仕事をしているとすれば、会社として【副業を認める方向】で考えることは、組織戦略上大切なことかもしれません。 

 

《クレーム・一考》

 出口治明(大学学長)のコメント

 日本には『お客様は神様です』という間違った思想が根強いと思います。『お客様第一主義』といえは聞こえはいいのですが、ともすれば客の言うことさえ聞けばいい、という事なかれ主義につながります。

 硬い言い方をすると、物を買う行為は対等な人間同士の売買契約です。客が対応が悪いと主張して、従業員に土下座をさせるような行為が対等な関係とは到底思えません。客も従業員も同じ市民なのです。

 これは当たり前のことですから、職場内でも上司に堂々とあなたの意見を言えばいいのではないでしょうか。同じ気持ちを持つ同僚もきっといるでしょうから、仲間と一緒に改善を訴える方法もありますね。

 最後にクレームの価値についてです。客が欲求不満をぶつけている面がないわけではありませんが、店側が気がつかないことを指摘されて、仕事の改善につながることもあります。

 一般に多くの企業がクレームを大切に扱っているのは、もっといい仕事をするきっかけになるからで、僕自身も会社を経営している時、『どんなささいなクレームでもトップまで上げろ』と指示していました。クレームにはそういう利点があることは心に留めておいてください。

《介護の現場に3S活動を》

 読売新聞の記事に《トヨタ方式で業務改善》がありました。介護の現場での取り組みでしたが、とても興味深く読みました。

 医療・福祉の経営・人事のコンサルを2000年からスタートして、多くの現場を見てきました。そして、強く感じることは【業務改善能力】が低いことです。多くの法人が、業務改善を事業目標の一つに掲げていて積極的に取り組んではいるのですが、今一つの成果と言わざるを得ません。

 新聞の記事では、業務改善の具体的な方法を次のように紹介しています。

 介護職員の小川さんは、食事の準備の様子を動画で撮影してもらい、先輩職員の動画と見比べてみた。台所を行ったり来たり、冷蔵庫を何度も開けるなど『無駄な動きが多いなあ』と気づかされた。

 また、整理整頓も重要だ。備品庫も、まず不要品を捨てた。トイレットペーハーや洗剤などを棚の決まった位置に並べて、必要個数を書いたラベルを貼り、不足分が一目で分かるようにした。補充は業者にまかせることで、発注の手間を省いた。

 ベンチマーキングの手法と、定位置管理・定量管理を見える化しています。それと同時に作業標準マニュアルを作成して、職員一人当たり14分の業務時間短縮を実現したそうです。職員数にもよりますが、年間数千時間の業務改善になり、金額に換算すると千万単位のコストダウンになります。

 人手出不足の時代です。見習いたいものです。

 

《業務改善の視点を数値で》

 働き方改革の影響か、業務改善に取り組む組織が増えてきているように感じます。業務改善によってコストダウンが実現出来たり生産性が向上したりと様々な効果が期待できます。

 その際にとの位の金額のコストダウンだったのか、生産性は何%程度アップしたのか数値化することがとても重要です。

 例えば、3Sの《整頓目標》を、必要な材料・備品・データなどを15秒で見つけることが出来るようにする、とします。その成果を数値では次のように表現することになります。

《タイムイズマネー》
 社員一人1日5分の節約 ✖ 1ケ月22日 ✖ 社員数100名 ✖ 1年間12ケ月 = 年間3200時間の節約
 3200時間 ✖ 一人時間単価1500円 = 年間330万円の節約となります。

 自分たちの実行したことの結果を《見える化》することは、社員のモチベーションにも良い影響を与えることになります。

 業務改善に限ったことではありませんが、自分たちの行動を数値に置き換えて考えてみるようにして下さい。
 

 

《ライフサイクルと経営戦略》

 ライフサイクルに対応した全体的な経営戦略

※導入期(種をまく)・・・問題児
 マーケットシェアの拡大戦略
 研究・開発とリエンジニアリング戦略

※成長期(育てる)・・・花形スター
 価格や品質イメージ戦略
 マーケティングが重要な戦略になる

※成熟期(収穫する)・・・金のなる木
 コスト面での競争戦略
 フォーカスエリア戦略

※衰退期(耕す・種をまく)・・・負け犬
 コストコントロール戦略

 自社の置かれている環境と発展段階に対応した経営戦略が必要です。

《ベンチマーキング》

 ベンチマーキングとは、目標(モデル)としたい企業(団体等)と比較することにより、そのギャップを埋め、企業の現状を改善する手段・方法論です。あなたの企業(団体等)で、目標または比較の対象としたい企業等があれば、それはどこで、どんな点でしょうか?
 具体的に書き出すことがポイントです。

 ベンチマーキングの種類
➀インターナル・ベンチマーキング
 社内・グループ企業内でのベストの比較研究。
 グローバルに展開している企業や多くのプラントや支店を持つ企業に有効。

➁コンペティブ・ベンチマーキング
 最も手ごわい競争相手のやり方を学ぶ。
 リバースエンジニアリングや直接・間接調査によって競争相手はどういうやり方をしているかを研究する。

➂ファンクショナル・ベンチマーキング
 業績にかかわりなく、類似の特性を持つ機能・組織同士を比較し、ベストを研究する。

➃プロセス・ベンチマーキング
 業績や組織に関係なく、どの組織にも共通に存在するプロセスに着目し、類似したプロセスの企業組織と比較研究を行う。

 比較することで、改めて自社の長所・短所が良くわかります。

《整頓の進め方》

 前回に続き 枚岡合金工具 株式会社の取り組みから

 『整理』ができるようになったら、次の段階の『整頓』に入ります。

 『整頓』とは、いつでも誰でも、必要なモノが必要な時に、すぐに取り出せるように『5頓』することです。すぐにとは《15秒以内》を指します。

 まず1番目に『定位置』を決めます。家に住所があるように、すべての『モノ』に番地までの住所(置き場所)を付けます。社員がいかに効率的に動けるかという作業動線を考慮し、レイアウトを決めていくのです。

 2番目は、モノの有無と量が見た目で分かる状態にする『定量』です。モノの最大量か最小量を決めておくと、現在の使用状態がすぐにわかるほか、使用後、元に戻されやすいという利点もあります。

 3番目は、決めた方向にモノの向きを一定に配置する『定方向』を行います。

 例えば、ボードマーカーも置く向き(方向)を一定にそろえるのです。向きをそろえると、気分的にも心地よくなります。

4番目、5番目は『表示』と『標識』です。

 表示の対象は『モノ』です。すべての道具に名前を入れます。

 そして、『モノ』の場所を表示するために『標識』を付け、管理者の名前を入れておくと、維持できるしくみがつくれます。

《整理、捨てることの進め方》

 枚岡合金工具 株式会社の取り組み

 我が社は、モノを『生・休・半死・死』の4種類に区分けし、不要品の整理を行っています。『生』は使用頻度が高く4時間以内に使うモノ。それ以外はいずれもすぐには必要ないものとし、『休』は5日以内に必要なモノ。『半死』は6か月以内に必要なモノ。『死』は6か月以上使わないモノと定義しました。

 判別の為すべての備品に赤いシールを貼り、使う際にシールを剥がすというルールを決めました。6か月以上たってシールが貼って有れば、高価なモノでも例外なく処分します。

 捨てる時は“もったいない”と感じますが、無駄なモノは買わない、買ったモノは大切に使うという心を養うことが大切なのです。ただし、資源の有効活用のため『死』のなかでも『売れるモノ』『リサイクルできるモノ』は区別しています。

 我が社で手元に置くのは『生』品のみで、『休・半死』は別の場所に保管します。『生』品のみを作業台に置くと、いますぐ付加価値を生むモノだけに限定でき、モノを探している時間が無くなり、付加価値がアップします。

 モノを区分けすると『休・半死』が大半を占めるので、『死』を処分したあとは『生』から『半死』にかけて、手元から遠くへ配置します。すべてのモノにマークすることで、次に整理するときも簡単に区分けできます。

※モノ以外の情報の整理の仕方にも参考になります。

《船頭多くして船山にのぼる》

 最近、本を読んでいて思わず“ふき出しました”

 『船頭多くして船山にのぼる』の
 意味のわからない学生がいくらでもいる

 なかなか優秀な学生が

 船頭が何人もいて力を合わせて
 船を山までかつぎ上げた

 という意味に解釈した
 
    外山滋比古 著 “リンゴも人生もキズがあるほど甘くなる”より

 笑ってはしまいましたが、このようなことは様々な場面で起きているのかもしれないと感じてしまいました。

 『船頭多くして船山にのぼる』の一般的な解釈を常識とするAさんと、学生のように解釈するBさんとでは、コミュニケーションにトラブルが発生してしまうかもしれません。初めてこの喩え話を聞いた時に、学生さんのような解釈をする人は何割かいると思います。喩え話とか、難しい言葉や表現の時には相手も自分と同じ解釈をしているという思い込みを外すことが重要です。

 “あれっ?”と感じたときには、意味・解釈の確認をしてみたいものです。