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《したい思考・すべき思考》

脳科学では、前頭前野が決定したことに認知的に従うことをトップダウンと呼びます。前頭前野でのコントロールによる「ダイエットすべき」、あるいは「リベラルであるべき」という思考は、トップダウンによるものです。

しかし、トップダウン的思考を行ったとき、実は後から振り返ると、意外に賢い選択がなされていなかった、ということも多いのです。よくありがちな例はダイエットとリバウンドの関係です。人は前頭前野でダイエットのメリットを思考します。容姿を良くしたい、健康に生きたい、とにかく目標を達成するクセをつけたいなど、自らのあるべき姿を設定して「ダイエットをするぞ」と決めます。すると、本来人間が持っている「食べたい」という本能、つまりボトムアップからの欲求をそれこそ365日、起きている間中、抑制していなければならなくなります。そしてダイエットのことばかりに脳のリソースを奪われ、他にやらなければならないことはたくさんあるのに気が回らなくなります。すると次第に面倒になり、あるいはあまりの面白みのなさ、つらさに嫌気が差してダイエットは主たる思考の座から追われ、リバウンドしてしまうというわけです。

《学習性無力感》

彼はどんどん不安になっていった。仕事が手につかなくなる。そうすると、ますます不安な気持ちが強くなる、そのように気弱になっている自分に対しても腹が立ち、気持ちが沈み込んでくる。
夜もなかなか寝つけない。眠ったと思ってもイヤな夢を見て目が覚める。倒産が夢の中に現れることさえあった。仕事といっしょに心もコントロールを失っていったのだ。
「本当に仕事に追われていました。毎日毎日、帰るのは夜中の一時、二時で、そして朝六時には起きて家を出て、という生活が続いていました。最初は、本当にやりがいを感じていたのですが」
外来を受信した加藤さんはうつろな目で窓の外を眺めた。
ところが仕事が増えれば増えるほど自分でしなくてはならないことが増えてくる。そのうちに、ひとりぼっちだという思いが強くなっていった。
「倒産しそうになっても、こんな小さい会社のことなど誰も心配してくれないだろう」と、諦めに似た不信感が心の中に広がってきた。「いくら働いても自分の会社のためだし、誰も認めてはくれない」という意識が強くなってきた。
それでも仕事は増え続ける。
いったいこれがどのように終結していくのか、彼には見えなくなっていった。
いくらやっても、いくらやっても終わりがない、そうした状況になっていったのだ。そしてある日、彼は会社に行けなくなった。
朝起きても気力がわいてこない。ぼんやりと天井を見つめているだけだ。何かを考えているわけでもない。頭の中は真っ白で、時間だけが過ぎていく。
「一生懸命やったのに」と悔しそうに口を堅く結んだ。
彼は学習性無力の状態に陥っていた。次々と仕事をこなしてはいたが、その成果が目に見える形では現れてこないために、自分が何をしているのか見失ってしまったのだ。そして、途方に暮れてしまった。

《イエスセット》

イエスセットとは、面談の初期段階で、お客様が何度もイエスと答えるように質問を重ね、その後のやり取りでもイエスを言うようにイエス癖をつける心理作作成の1つです。つまり、面談がまとまりやすくなるのです。
また、人間は、無意識のうちに自分の言動に一貫性を持たせようとするので、「今日は○○なわけですが、今の××に何かお困りなことでもおありなんですか」と聞くと、「今回あなたがした行為は、これですよね、ところで、その行為に至った、何か根本的な理由でもあるんですか」と聞かれているのと同じなので、心の中で「そりゃ意味があるよ」と自分の行動が一貫して理由があると思い、ついつい本心をポロッと語ってしまうのです。質問後半の「お困りのことがおありですか?」との問いに、お客様は肯定的に「はい、実は新人の育成で悩んでいまして・・・」という具合に自然と話し始めるでしょう。
イエスセットをとった後で「いや、べつに・・・」などと答えるようなら、「そのうち」と思っている見込み客か、冷やかし客です。初期導入質問はお客様を見極めるメリットもあるのです。
この段階でイエスセットをとっておかないと、その後の商談に支障をきたす恐れがあります。イエスセットは、その流れを作るためのテクニックの1つなのです。
例えば、セールス場面で
「御社の業界シェアNO.1に戻したいということで良かったですね」
「 現状は、業界NO.1から3位にまで落ちてしまっているということで、間違いありませんね」
「競合する会社は3社ですね」
「営業スタイルを見直すことで改善したいのですね」
「同時に利益率の向上の実現することで良かったですか」
事前にヒヤリングで正しい情報を把握しておくことが前提ですが、クロージングの際には有効なスキルと思います。
また、子供・認知症老人・障害者等にもこのスキルを使用できないものかと、日頃考えています。

《脳の話》

我々が脳を使うとゴミが出る。ゴミが出ること自体は悪いことではなく、通常このゴミは分解されて、回収されて、再利用されることになっている。しかし、なんらかの理由で、どうしても自然には分解できないほどに、ゴミ同士複雑に絡み合って大きく育ってしまうことがあって、それがこれら粗大ゴミなのである。神経細胞と神経細胞との間に溜まってしまった粗大ゴミが①老人斑(異常なタンパク質「アミロイドβ」の集まり)で、一つの神経細胞の中に溜まってしまった粗大ゴミが②神経原線維変化(異常なタンパク質「タウ」の集まり)である。
加齢により、誰でも多少は老人斑により記憶力が衰えて、複雑なことは何度もやらないと覚えられず、新しい学習がおっくうになることがあるが、アルツハイマー型の記憶障害は、ごく簡単なことですら、新しいことが覚えにくくなるところに特徴がある。これは海馬の損傷のためである。
また、海馬は、大脳皮質に蓄えられている記憶を呼び起こそうとするときにも使われる(このプロセスを「リトリーブ」と呼ぶ)。海馬が損傷しても、記憶は大脳皮質という別の場所に保存されているのだから、記憶自体が消えてしまうことはないのかもしれないが、その記憶にうまくアクセスすることができなくなる。それゆえに昔の記憶が「思い出せない」という現象も起こることがあるのだ。
アルツハイマー型認知症の初期の具体的な症状を挙げると、新しいことが覚えにくくなるので、今日あったことをうまく説明することはできなくなる。また、その場で誰かと約束しても、覚えられていないので、すっぽかしてしまうことが多くなる。新しいことが脳に定着できないため、今目の前で展開されている会話の流れもうまくつかめなくなって、コミュニケーションが成立しにくくなる。また、何かしようと思って席を立ったが、何のために立ったかがわからなくなるなど、目的の遂行が難しくなる。「今ここ」の状況がしっかり把握できないので、物事の整理ができなくなる。判断力が低下する。そのため料理や掃除といった、今まで簡単にやっていたはずの仕事ができなくなる。また、今がいつなのか、自分が今どこにいるのか、という認識(これを「見当識」と呼ぶ)にも混乱が起こる。くり返し同じことを言ったりやったりする。さらには、忘れたことを忘れてしまうので、自分の症状を正確に把握することが難しく、「自覚」という面にも問題が出る。

《快適ゾーンとビリーフ》

私たちがそれぞれ持っている
「思い込みや考え方、価値観」の事をビリーフと言います。

過去に経験した出来事・体験・行動など通じ、自分の中で意味づけを行いながら、
価値観や判断基準が作られていきます。

人それぞれ持っているビリーフは、本人が思い込んでいることゆえ、客観的な真実ではなく、あくまで自分にとっての真実です。

もちろん、私たちは自分に対してもビリーフを創り上げていて、過去の経験などを元に、自分に対して

「自分は人見知りだ」
「自分は営業が得意だ」
「自分は運がいい・悪い」

などの意味づけを行なっています。

そして、そのビリーフの多くは、幼少期の体験から無意識に作られており、とても重要なビリーフとして、根強く私たちの行動を左右している可能性があります。

特にお金や人間関係、

そして人生に対してそれぞれ創り上げてきたビリーフの蓄積が、「今」のあなたや、「未来」の人生となって表れていくのです。

●知らないうちにあなたの成功を妨げる
“制限になるビリーフ”の存在に、あなたは気づいていますか?

多くの人が、もっと豊かな生活や人生を手にしたいと望みながら、自分自身でそれを阻む“無意識のバリア(制限になるビリーフ)”を抱えています。

もちろん、あなたも同様です。

このように言うと、いや、自分には制限なるビリーフなんてない、とおっしゃる方もおられますが、専門家として経験上、そういう方ほど心の深い部分に、ご自身を強く制限するビリーフを抱えている・・・。
そうしたケースをたくさん見てきました。

例えば・・・

「やっぱり自分は本番に弱いから失敗してしまったんだ・・・」
「仕事で結果を出すには、人よりもたくさん働かなければならない」
「自分には無理」

もしもあなたが、こうした制限になるビリーフを無意識に持っている場合、私たちの無意識は見事にその「ビリーフどおり」の結果を出してくれるのです。

意識上では「うまくいく」「自分はできる!」と思っていたとしても、です。

他のケースとしては、

もっとお金の自由を手にしたいと望み、お金に関する多くの勉強をしていたとしても、いつまでもお金に対するストレスがついてまわったり、望むような自由は手に入らない・・・。

その根本には、何かしらの、

「お金持ちは腹黒い」
「お金を手にするのは大変だ」
「自分はお金に恵まれない」

などのようなお金に対してのマイナスなビリーフ、「制限になるビリーフ」が妨げになっていることがよくあるのです。

それでは、

●自分には、どんな「制限となるビリーフ」があるのか?
多くの方が気になるところだと思います。

開発者であるティム&クリス・ハルボム氏によると、それを発見するヒントになるのが「感情」だといいます。

制限になるビリーフに係る問題や状況に直面した時に、不安や怒りを感じること、あるいは理由もわからず困惑したりイライラしたり、落ち込んだりすることがあるそうです。

以下にご紹介するチェックリストの中に、

あなたが「Yes」と思うものの他、不快感を与えたり、私には当てはまらないと“無理に言い聞かせようとするもの”があれば、それはあなたの「制限となるビリーフ」に触れているのかもしれません。

 何をやってもうまくいかない
 本当に欲しいものは手に入らない
 お金を稼ぐのは大変だ
 誰も認めてくれない
 自分自身を表現できない
 他の人が優先、自分は最後でいい
 私には魅力がないので、誰も私を愛してくれない
 良いことがあると、その後必ず悪いことが起きてダメにする
 傷つくのが怖くて、人間関係の中で安心することができない
 出る杭は打たれる
 私は孤独だ
 一度無理だったものは無理
 お金はいつも足りない
 裏切られるのが怖いから気を許せない
 やったことがないからできない

・・・など

《メタファーとは》

メタファーとは、比喩やたとえ話のこと。

■ある状況や現象(または人や物の特徴など)を、別のものに例えて捉えていくという方法です。

これは、心理療法の世界では有名な手法で、

人に気づきを与えたり、奥深い部分の心理状態を読み取っていくこと、
あるいは、間接的に人にメッセージを埋め込んでいくことなどを可能にします。

ビジネスシーンでも、
人に影響を与えることに長けている方であれば、
プレゼン、セールスコピー、営業、コーチング、交渉など…

人とコミュニケーションする上で、
意図してメタファーを活用しています。

NLPを学んでいると、
メタファーを活用できるようになれば、
強力なスキルになるとわかってくるのですが、
そのメタファーに、徹底して特化したプログラムが
メタファー・オブ・ムーブメント(MoM)なのです。
MoMの特徴の1つは、

ほんのわずかな言語コミュニケーションから、
相手の内面にある、大量のデータを抽出することが可能だということです。

そして、独特のアプローチでセッションを行っていきます。

例えば…

・ラポールを築かない。
・従来のカウンセリングにありがちな【4つの要素】を度外視する。
・左脳を黙らせる。右脳とコミュニケーションする。

これまでNLPやコーチング、カウンセリングなどを
学んできた方にとっては、それらとまったく違うやり方に、
最初は戸惑うことも多いかもしれませんが、

大きく、ご自身のスキルを広げる学びであることは間違いないです。

《マインドフルネス》

 ここ数年『マインドフルネス』という言葉をよく耳にするようになりました。コロナ休暇でストレスが蓄積しているようなときに有効かもしれませんので、簡単な方法を二つご案内します。

【呼吸マインドフルネス】
➊椅子にゆったりとリラックスして座り、両足はしっかり床につける。
➋目はつぶってもつぶらなくてもよいです。両手は手のひらを下にして軽く太ももの上に置く。
➌『1、2、3、4、』とゆっくり頭の中で数えながら鼻から息を吸う。4回で吸います。
➍『1、2、3、4、5、6、7、8、』とゆっくり頭の中で数えながら息を口から吐く。8回かけて吐き出します。
➎呼吸に意識を向けます。
➏途中で雑念が浮かんできますが、雑念に気づきながら呼吸に意識を集中します。
 呼吸に集中しながら、他の雑念が有ってもいいのです。受容しましょう。
➐これを10回程度繰り返す。

【味わうマインドフルネス】
➊イチゴ一粒、クラッカー1枚等小さめの食べ物をひとつ用意する。
➋それを『手でつまむ』『口に入れる』『歯でかむ』『舌で味わう』『飲み込む』など、
 それぞれ一連の感触、歯ざわり、甘味などの感覚をよく味わう。
➌他の事は出来るだけ考えず、今その瞬間に集中する。

 他に【ボディースキャン】【ストレッチ】に意識をむける方法も活用されています。ストレス緩和や脳の休息に有効だという論文もあります。こんな時期ですから、試してみてはいかがでしょうか!

《聴く力・尋ねる力》

 新入社員も入社半年になって、大分組織に馴染んできていることでしょう。今日は、コミュニケーションの初歩段階について考えてみたいと思います。 

 上司やお客様と会話をするときに、こちらの聴き方によって相手に与える印象は大きく変わります。

 ポイントは、積極的に聴くということです。受け身ではなくて、能動的に聴くということになりますが、会話や相手の表情に合わせてタイミングよく相づちを打つことは大変に有効です。相づちも『なるほど』『そうですね』『おっしゃる通りです』等、多少のバリエーションを上手に組合わせるといいです。

 聴きながらメモを取ることは、こちらの聴こうとする姿勢が伝わると言われますが、中には【メモを取られると話しずらくなる】とおっしゃる方もいるので、状況と相手を見て判断したいものです。

 私が意識していることは【質問をすること】より【相手の話を遮らないで最後まで聴く】ことです。中々難しいことですが、大切なことです。

 最後に聴くということは次の3つになります、更なるステップアップのために必要です。

※アドバイスをしようとしない
※励まさない
※価値判断しない
 
 

 

《自己放棄》

 心理療法入門・・・・河合隼雄著より

 心理療法の問題に深くかかわっていると、治療者自身の個性ということが必ず関係してくる。このことが、心理療法に学派の相違が生じてくる要因となっている。フロイトの精神分析学、ユングの分析心理学、いずれにしろ、彼らの個性と深くかかわっている。このように考えてくると、心理療法の理論は、心理療法家それぞれの個性に従って、心理療法家の数だけあることになってくる。このことは、基本的に正しい、と筆者は考える。そうなると、心理療法家が『フロイト派』とか『ユング派』とか名乗るのはおかしいのではないか。各人が自分の流儀によって心理療法をするべきではなかろうか。そこで折衷主義ということも主張される。つまり、いろいろな学派の理論を自分の個性と照らし合わせて、自分にとってふさわしいと思うものを折衷してゆくという考えである。

 ここで忘れてならないのは、個性というものは常に形成過程にあるものであり、相当な鍛錬によってこそ形成されてくるものである、ということである。それは、相当な自己否定や自己放棄、自己に対する懐疑などを経ずに顕われてくるものではない。そのような点で、ある学派を選択するということは、一種の自己放棄なのである。これを踏まえたうえでいかにして独り立ちできる心理療法家になるかが問われるのである。この点についての自覚のない者は、ややもすると学派の創始者を『教祖』のように思うような傾向に陥ってしまう。それに反して、折衷派の人は、自分らしい方法を生み出してゆく努力を重ねていても、自己放棄や自己否定を体験しない甘さがつきまとうことになる。いずれの道を選ぶにしても、そこに生じる一長一短について自覚することであろう。

 私は、自己選択、自己決定ということについて考えることが多いのですが、『折衷派』という視点もあるのか?と参考になりましたので、ご紹介しました。

《編集手帳より》

 読売新聞・・・・編集手帳より 

 仏教の修養法に『止観』がある。心を静めて智慧を起こし、事物を正しく観る。日想観はその一つで、西方に沈みゆく太陽を見て、極楽浄土を観想する。

 司馬遼太郎さんの『大阪の原形』によると中世、難波・四天王寺での日想観が有名だった。夕陽を見るために諸国から人が集まったのだという。辺りは台地で、今も夕陽丘や夕陽ケ丘の名がある。

 学生の頃、好きでよく歩いた司馬さんは、ある夕、鮮やかな朱色で《天体とはおもえない太陽》が、漂うように沈んでいくさまを崖から眺める。《息をわすれるような思い》がして《大阪の名所をあげよといわれれば、この崖ではないか》と思ったそうだ。

 難題を抱え、崖っぷちでせめぎ合うリーダーたちは、なにかしら光を見ただろうか。大阪でのG20首脳会議が終わった。笑顔有り、渋面あり、議論の合間にのぞく顔は様々だった。一定の成果、との報を、まずは信ずるほかない。

 《見よ 燃える空 あの空に映るのは 人の世の苦しみ 争い そして愛》“君は夕焼けを見たか”・・・阪田寛夫  できることならば、御一行様を隠れた名所に案内したかった。