8.行政書士業
【フィードバック 】 ◎人事考課とフィードバック 私たちが自分の知覚だけで把握できることには限界があります。自分では正しい方向に進んでいるつもりでも、外からの情報がまったくない状態では、間違った方向に進んでいるということもありうるわけです。宇宙船が、地上のオペレーターからのフィードバックを受けて軌道修正を繰返しながら進むのと同じように、私たちも自分が目標に向かって最適な方法を選択しているか、目標まであとどのくらいか、軌道からズレてはいないか等の客観的情報、つまりフィードバックが機能することで、目標達成まで最短で最善の方法をとることが可能になるのです。 従って人事考課制度の運用においても、フィードバックはとても大切なことです。ここでは【ジョハリの窓】の視点で考えてみましょう。 【ジョハリの窓】の考え方は、コミュニケーション研修でよく取り上げられていますが、ポイントは次の3点に要約されます。 1 周知の私・・・自分も他人もよく知っている・理解している私《他人と共有している部分》 コミュニケーションの研修では、1の【周知の私】の部分が少ないと支障が出るので1の【周知の私】の拡大を勧めています。(自己開示・フィードバックの相互コミュニケーションで拡大できます。) フィードバックは、忠告や批判とは違います。相手から伝わってくること、聞こえていること、触れている感覚も含め、《客観的事実》について、ありのままを伝えるのです。また、見て聞いてそして自分自身が内側で感じている《主観的事実》について、ありのままを伝えるのです。 人事考課制度では、まず自己評価からスタートしますが、この場合には主観的な評価ということになります。(【ジョハリの窓】2の【秘密の私】になります。) 次は、通常上司が1次評価者として他者の視点で評価します。(【ジョハリの窓】3の【見えていない私】になります。) 人事考課制度の1つの目的は、上司と部下がお互いに理解し合うことですから、自己評価に対して客観的他者の視点から《フィードバック》を繰り返して、【ジョハリの窓】1の【周知の私】を拡げることが重要となります。 フィードバックのテクニックに磨きをかけると同時に、評価しっぱなしではなくて《部下としっかり向き合って》フィードバックをしてみてはいかがでしょうか! 風とおしの良い職場になると思います。【周知の私】が拡がると、人は安心できるそうです。 |