組織運営」カテゴリーアーカイブ

《やる気のある社員から辞める》

 ネットの記事に『やる気のある社員』から会社を辞める当然の事情という内容のものがありました。大変共感しましたので、概略をご案内します。

 まず、厚生省の令和2年雇用動向調査結果における『転職入職者が前職を辞めた理由』では、『給与等収入が少なかった』は、男性9.4%、女性8.8%と1割に達していません。

 また、会社が把握している表面的な離職理由
➀キャリアアップしたい
➁仕事が自分に合っていない
➂実家や親族、友人の仕事を手伝うことになった
➃家庭の事情で働くのが難しくなった
➄給料や労働条件に不満があった
 本音としての離職理由を会社に伝えず、角が立たない離職理由を伝える離職者は少なくありません。

 本音としての離職理由としては
➀上司、同僚など、職場の人間関係がうまくいかなかった
➁会社の方針についていけない、共感できない
➂仕事が面白くない、やりがいを感じない
➃会社や業界に将来性を感じない
➄給料や労働条件に不満があった
➅成長を感じられない、さらなる挑戦をしたい
 なかでもとりわけ多いのが、『上司との関係がうまくいかなかった』というものでした。

 ここから導き出せることは次の3つになると考えます。
【会社と個人の価値観の一致】【成長欲求を充たす】【承認欲求を上司が意識する】
 お金(給与)に固執しないで、経営方針・理念、人材育成、コミュニケーションスキルといった面からのアプローチが大切だということに気付かされました。

《復職制度導入》

 少し前ですが、読売新聞に全日空の復職制導入についての記事がありました。ご案内してみます。

 全日本空輸が、退職から5年以内であれば社員として復職できる制度を導入する方向で検討していることが明らかになった。業績不振で社員の賃金を3~4割程度減らしているため、組織の中核を担う30~40代の人材の流出が起きている。需要回復をにらみ、人材復帰を促す。

 労働組合側と協議を進め、来年度の導入を目指す。復職にあたっては、特に離職期間中に他社で身につけた知識・技能を重視する方針だ。復帰後のポストや年収といった制度の詳細は今後詰める。

 今後、客室乗務員や、近年注力しているマイル関連事業に必要なIT人材は不足が見込まれる。コロナ禍で需要が急拡大した貨物関連の要員増強にもつなげる狙いだ。

 全日空を傘下に持つANAホールディングスの片野社長は、読売新聞の取材に対して『復職制度や部署選択の自由度を広げる施策の導入を検討したい』と述べていた。

※一度人材の流出が進むと確保の難しさが伝わってきます。

 

《オーセンティック・リーダーシップ》

 リーダーシップのスタイルには様々なものがありますが、今日は“オーセンティック・リーダーシップ”について考えてみましょう。

 意味としては『ありのまま、自分のままのリーダーシップ』ですが、ポジティブ心理学の影響を受けています。2000年代に入って、アメリカの心理学者マーティン・セリグマン博士のポジティブ思考がパーソナル・コーチングの分野で採用されてきました。ポイントとしては、ある出来事をポジティブに認知するのか、ネガティブに認知するかによってワクワクしたり、逆にガッカリしたりするということです。私たちは、認知の違いよって色々な影響を受けているのです。

 脱線してしまいましたが、《オーセンティック・リーダーシップ》とは、自分らしさを貫くリーダーは、自らの目標に情熱的に取り組み、自らの価値観をブレることなく実践し、知識だけなく感情の面から人々を引っ張っていく、実りある人間関係を長期的に築き、自らを律することで結果を出す。すなわち、自分自身をよく知っているのです。(ハーバートビジネスレビュー、オーセンティック・リーダーシップより引用)

 要約すれば、
➊目標設定 ➋価値観 ➌コミュニケーション ➍自立心 ➎自己認識 の5つになるでしょう。

 まだまだ新しい考え方ですが、上記5つのポイントのトレーニングが今後重要になってくるでしょう。

《経営課題調査》

日本能率協会の『企業経営課題に関する調査』からです。

企業経営課題の上位
➊収益性の向上 40.8%  前回45.1%
➋人材の強化(採用・育成・多様化への対応) 37.7%  前回31.8%
➌売上・シェア拡大 35.2%  前回30.8%

組織・人事課題
➊管理職層のマネジメント能力向上 34.2%  前回32.9%
➋人事制度の見直し・定着  33.8%  前回29.5%
➌次世代経営層の発掘・育成  33.3%  前回28.4%
➍組織風土改革・意識改革  33.3%  前回32.3%

人財の安定的な採用・定着・育成は最優先の経営課題です。そして少子高齢化の時代です。外国人労働者、高齢者の活用も含めて人事管理が難しくなっていると感じます。

《キャリアパス》

 キャリアパスという言葉を聞いた言葉ありますか。入社してから、その企業で歩んでいくキャリアの道ということになるわけですが、最近とても重要なことだと考えています。

 組織活動では、社員が生き生きとモチベーションを高く維持しながら業務に臨むことは大切なことです。その為に色々な刺激を与えてモチベーションを維持しようとしていますが、中々うまく機能しません。特に従来型の外発的な動機付け(報酬・表彰・褒章等)
の手法だけでは一部の効果しか期待できません。

 そのような環境下で、キャリアパスとかキャリアデザインといった方法でモチベーションをアップさせることが期待されています。各ステップごとに職務要件・職能要件を明確にし、同時に役割と期待も明示します。そして、キャリアパス要件を上司と部下が共有しながら業務を進めていきます。職務・職能上の課題が明確になり、期待していること・期待されていることがハッキリすることは働きがいにつながります。【成 長】という言葉をキーワードにしてキャリアパス制度を上手に使ってみたいものです。

《返報性の法則》

 人から何か頂いたり、何かしてもらったときに、お返しをしたくなる心理状態を『返報性の法則』といいます。

 心理学者デニス・リーガンによって行われた『返報性』の実験を紹介します。

 美術鑑賞という名目の実験で参加者が集められて美術鑑賞はスタートしました。被験者とリーガン博士の助手であるジョーと二人での鑑賞です。何組かの実験を被験者だけをかえて行いました。ただし、一つだけ違いがありました。美術鑑賞の途中に休憩があります。その休憩の合間にジョーがコカ・コーラを買ってきて『君の分も買ってきたよ』と、手渡しするケースと、何もしないケースの違いです。それ以外ジョーは全く同じように振舞いました。

 さて、美術鑑賞が終わった後で、ジョーは被験者に対して、新車が当たるくじ付きチケットを一枚25セントで売っているけど、最も多くチケットを売れば、50ドルの賞金がもらえるので、何枚でもいいので協力してほしい、とお願いをしました。

 この実験の主要なテーマは、2つの条件下で、被験者がジョーから買ったチケットの枚数でした。もちろん、ジョーが事前にコカ・コーラという恩恵を与えていた被験者の方が多くのチケットを買ってくれたことは言うまでもありません。

 返報性の法則がどのように働くかを示す簡単な例ですが、このルールが持つ重要な特徴もあらわしています。注意したいことは、この法則は、人に対するマイナスの態度にも作用することです。相手に不愛想な態度をとられたら、自分も不愛想な態度をとったりしてしまいます。

 ギブ&テイクというよりも、ギブ&ギブという心がけが大切なのかもしれません。 

《就職先の注目数字》

 新卒学生に注目してほしい“3つの数値”

【営業利益率】
 企業の『本業のもうけ』を表しているのが“営業利益率”です。売上高から、売上原価・人件費や一般管理費を引いた金額を売上高で除したもので、計算式は『営業利益÷売上高×100』になります。数字が高い方が望ましいですが、業態によっても差が出ますから同業他社との比較が大切だと思います。

【自己資本比率】
 自己資本は、株主からの出資や過去の利益を内部留保した金額で、返済する必要のないお金です。“会社の安定性”や“財務の健全性”を示す指標です。計算式は『純資産額÷総資本×100』になります。

【年 収】
 『会社四季報』などの情報誌には平均年収が記載されています。ただ、総合職・専門職・限定社員・役職等の違いによって給与格差が生じていますので注意が必要です。それから、初任給だけを判断基準にすることも注意しなければいけません。初任給が高くても入社後の昇給金額が高いとは限りません。もし、成績別モデル賃金を確認できれば将来の年収も予測できます。

 他にも、有給休暇取得率・離職率・平均勤続年数等も参考にしたいものです。

《職場のハラスメント》

 労務行政研究所の『職場のハラスメント言動に関する調査』よると、上位は次のような言動になっています。

 36.2% 相手が嫌がるような皮肉や冗談を言う
 35.5% 陰口を言ったり、悪い噂を広めたりする
 34.7% 問いかけておきながら答えを否定してたり、『好きにやっていい』と言いながら細かく管理や指示をしたりするなど矛盾した言動をする。
 34.5% 特定のメンバーの前で、あからさまにため息をつく、舌打ちをするなど、不機嫌さを示す。
 34.5% 自分の思いや経験のみに基づいて、充分な説明をせずに相手を動かそうとする。
 33.5% 相手のあら探しや、細かいところばかりを必要以上に責める。
 33.3% 一方的に発言、主張し、相手の言い分を一切聞かない。
 33.3% 相手の失敗や間違いを相手だけのせいにして責める。
 32.2% 他の人か見ている前で、誰かを怒鳴りつけたりする。
 32.2% できなかったことに対して、無理に理由や説明を求めるなど、相手を理論的に追い詰める。
 32.0% 普段以上に声を荒げて、感情的に相手を責めたり怒ったりする。

 言葉は無意識に使っていることが多いと思いますが、言葉に意識を向けて意図的に使ってみたいものです。
 

 

《それはお客様のためですか!》

 “お客様第一主義”が、企業経営に導入されて随分時間が経過しました。そもそもは、“CS”(お客様満足)の考え方から“お客様第一主義”が経営の重要なコンセプトになりました。最近では、トランプ大統領が【アメリカファースト】を口にしています。

 弊社には、医療・福祉法人のお客様が多いのですが、お客様第一主義が未だ徹底されていない感じがします。
 “医者が介護の邪魔をする”・・・矢嶋嶺 著の本の一部を紹介します。
 最近、老人ホームやデイサービスの老人たちが、歯のない顎で煮干しを噛んで歯ぐきから血を流したりしている。骨粗しょう症を心配して『カルシウム』を取っているのである。かと思えば、ほうれん草のお浸しに酢をかけてまずそうに食べている。
 私は、ときどきおばあさんたちをからかう。『おばあさん、酢のかかった酸っぱいほうれん草、うまいかい』と聞くと『うまいと言えばうまいが、本当はうまくないよ』という。作ってもらっているから、自分の希望は言えないのだ。

※2007年に出版された本です。現在は利用者の目線で色々と改善されていると思いますが、私が大切だと考えていることは【それは、ご利用者のためですか!】という組織風土を定着することです。出来れば、経営理念や行動規範レベルに落し込むことが出来れば望ましいと思います。くれぐれも“介護者側の都合で行動が決定される”ことがないように期待いします

《整理・整頓から》

 日頃から、整理・整頓・清掃については大変に大切なことだと考えています。

 ある会社の整理整頓に関する内容についてご案内してみます。

 『毎日、業務終了後にホワイトボートをきれいに拭く』『毎朝、全員の机を拭く』『帰社の際は、机の上には何も残さない』『毎朝、全員にお茶を淹れる』等々色々ありますが、例えば、『毎朝、全員にお茶を淹れる』という行為が、若い女性社員がやることと思っているとしたら、考え方を改める必要があるかもしれません。

 とある支店では、次のように話をしています。

『うちでは、毎朝副支店長がお茶を淹れています。役職を問わず、各人が決めた日課をしています。奉仕活動をするようになって、働いていて気持ちがいい。そして、社内の雰囲気がとても明るくなったのが不思議です。』

 毎朝、支店長が全員の机を拭き副支店長が全員のお茶を淹れている会社。なんだか、つつましくていい感じです。

 リーダーみずから率先垂範して社内の美化や雑務に係わるような雰囲気って大切なことなのでしょうね!