月別アーカイブ: 2011年10月

《1・3・5の法則》踊り場理論

 今日は、踊り場の法則について考えてみたいと思います。

 あなたも日頃感じていることではないでしょうか。何故かわからないのですが、この世には《1・3・5の法則》というものがあります。例えば、売上。最初の1億円の売上高は大変です。でも、1億円の売上高が達成できると何故か次の3億円の売上高はすぐに達成してしまいます。ここで一度踊り場があります。ここでしっかり次のステップの準備をしないでアクセルを踏んでも売上高5億円を前にして失速してしまいます。
 中小企業で多いのは、売上高5億円の踊り場から脱出出来ないで苦労しているパターンです。所謂【快適ゾーンからの脱出】が出来ない状態なんでしょうね。快適ゾーンを復習すると、人も組織も、居心地の良い状態を持っているということでした。マンネリの状態に近いのかもしれません。快適ゾーンで生活をしたり、仕事をするということは【過去の考え方・やり方・行動パターン】を繰返すことなので、とてもラクなんです。人も組織も変化を嫌いますし、変化を求められると抵抗します。そして、快適ゾーン・踊り場に居続けることになるのです。

 そこで、大切な事は【快適ゾーン・踊り場】に居るなと気づいたら、次のステップの為の目標を明確に設定して具体的な行動レベルに落とし込んで、ショートタイムチェックを実行することだと考えます。組織が100人・300人・500人と拡大していくプロセスにも同じような事が言えると思います。

※ 快適ゾーン・踊り場への安住は潜在能力の活用を制限します
※ 過去に成功しているが故に失敗する・・・・・・というパラドックス
※ 過去の成功体験からの脱却・・・・・・・・・・・・・・・アンラーニング

《チームワーク・チームビルディング》とは

 今日は、チームワークとチームビルディングについて考えてみたいと思います。
 【何故チームを形成して行動をするのでしょうか?】
 それは、チームで達成したいものがあるから!
 達成したいものが確認出来たら【チーム員が役割分担して】【チーム員が相互支援して】チームとして達成したいものの実現に向かって進んでいくのでしょう。
 キーワードは、《チーム目標》《役割分担》《相互支援》ですね。

 エドガー・シャイン著『HELPING』より紹介します。

 一つハッキリしているのは、組織の全メンバーが、そのグループが達成しようとしていることに関連したなんらかの役割を果たさねばならない点である。これは、何かを共同で行おうとしているグループに所属した場合に特に当てはまる。
 チームのパフォーマンスを持続させるには、他のメンバーが自分の役割をずっと果たし続けていくという信頼が必要なのは明らかである。あるメンバーが急に姿を現さなくなったり、役目を果たさなくなったりしてチームを見捨てることほど、そのチームに打撃を与えるものはない。
 こうした観点からすると、成果をあげるチームとは、各メンバーが自分の役割を適切に果たすことによって、他のメンバーを助けているチームだと定義できるだろう。そうすれば、業績を達成するプレッシャーが大きい時でさえも、相互の信頼関係が確かなため、メンバーは公正さを感じられる。つまり、チームワークの本質とは、すべてのメンバーにおける相互の支援を発達させ、持続させるということだ。

《支援について》考える

 九月・十月と福祉施設を中心に個別面接、ОJTプログラム研修、問題解決プログラム研修と東北管内の複数の法人で実施しておりました。個別面接は、職員一人ひとりと『コミュニケーションシート』を使用して日常業務での問題・課題を中心に話を進めます。また各種プログラムの研修については、通常8名~12名の人数で色々なテーマについて受講生とやり取りをしながら進めていくことになるのですが、震災による影響のせいか【メンタルケア】の必要性を感じる職員が以前に比べて目につくようになりました。

 震災直後は、毎日が目まぐるしく過ぎてじっくりと考えるということがなかったのかもしれません。とにかく、目の前にあることを一つひとつ処理していかなければならなかったのでしょう。そのような状況から少し落ち着いてきた今、ドッと『精神的・肉体的疲れ』『喪失感』『無力感』が出てきているのではないかと感じました。

 そこで考えてみたいことは、やる気がダウンする状態の二つのパターンですが、1つ目は【目標達成による】喪失感、よく五月病を例に説明がなされています。二つ目は【目標未達成による】無力感、終末医療の現場で起きているようです。

 今日考えてみたいのは、二つ目の【目標未達成による】無力感、です。介護の現場でも終末医療の現場と似たようなことが起きています。若くして福祉・介護の志を高く入社した職員が現場に配属され一生懸命に介護に係るのですが、2年・3年して退職していくのです。特に真面目で一生懸命な職員から辞めていくのですが、とても残念なことです。このような現状の中で、上司として何か《支援》することは出来ないものでしょうか。

※考えられることは
① 話を聴く   【話を聴くことで半分以上解決すると思います】
② 支援する    【主導権を奪わないで支えてあげる】
③ フィードバック    【気付いたことを伝える】

 話を聴く為のスキル・支援のスキルが今大切だと感じました。

《プロフェショナル・NHK》を見て

    昨日は、久しぶりにNHKで《プロフェショナル》という番組を見ました。昨日のプロフェショナルは、料理家の栗原はるみさんでした。私は、普段料理の本とか雑誌を読む機会がないので良く知りませんでしたけど、昨日は番組を見ててプロだな!と感心しました。

    いくつか驚いたことがあったのですが、まずはレシピの数。年間400でいままでに4000のレシピを雑誌に発表したそうです。『年間365日なのにね』って笑って答えていました。次に栗原さんの目標ですが、『100人がレシピを見て料理を作って、100人全員が上手に料理を完成すること』なのだそうです。完成度100%ですね、凄いと思いました。原稿を編集者に渡すギリギリまでレシピを見直したり、火加減を現わす言葉を慎重に選んだり【中火の弱火等】、リンゴを使用したケーキの試作を50回も繰り返したりと、妥協しないで真摯に料理と向き合っている姿がとても勉強になりました。

    最後に、すっぴンの笑顔がとても素敵でした。昭和22年生まれには、とても感じられませんでしたね!

《問題解決のプロセス》

 先週は、《問題解決のプロセス》をテーマにした社内研修を実施しておりました。お客様のところにお伺いしての社内研修が主になっていますので、前日に入って二日・三日と行っています。九月は10泊・今月は現在7泊ほどホテル住まいです。出張が多い月は、書き込みのほうも少なくなってしまいます。

 テーマ《問題解決のプロセス》の研修ですが、今回は【ロジックツリー】による原因分析から対策の立案までを7時間実施しました。この方法は、比較的シンプルで分かりやすい手法だと感じております。

 《問題解決のプロセス》のステップ
第1ステップ  問題の把握    【実感法による業務上の問題抽出】
第2ステップ  原因の把握    【WHYツリーによる原因把握】
第3ステップ  優先度の確認   【重要度・優先度による原因の絞込み】
第4ステップ  対策の立案    【HОWツリーにより対策の立案】
第5ステップ  評   価      【対策実施後の評価・検討】

 研修では、第2ステップ原因の把握と第4ステップ対策の立案を中心に進めていきますが、ポイントとしては、原因把握では根本原因をしっかり押さえること【深堀をすること】と無駄な犯人探しをやめること!また、対策の立案では6W2H2Cを意識して対策を考えることで、大切な事は『具体的な行動』につながることだと思います。

 ロジックツリーは、資料室にアップしております。

《EQトレーニング》

 今日は、いま読んでいる本《EQトレーニング》外島裕著から私が現在関心のある項目について書きたいと思います。

 テーマ【自尊感情】
 自分の価値や能力について認める気持ちを『自尊感情』といいます。
 自尊感情が高いと、自分について『これでよい』と思えることが多くなります。すると、より積極的に行動することができ、満足感も持ちやすくなり、結果的に、自分に対しても、相手に対しても、受け入れよう、認めようという気持ちを持ちやすくなるといわれています。これは、自分を信頼する力につながっています。
 逆に、自尊感情が低い状態、つまり、『自分はこれでよい』と思えることが少ないと、相手をうらんだり、頼りすぎたり、攻撃的になったり、あるいは、自分を責めすぎたりします。
 自尊感情は、これまで自分が成功したり失敗したりした経験や、周囲の人(親・家族・仲間・先生等)から認められる、褒められる、怒られるといった体験を通じて、高くなったり、低くなったりします。無視されたり、関心を向けられなかったりすると、もちろん自尊感情は極端に低いものになるでしょう。

 テーマ【自己効力感】
 『自己効力感』とは、自分自身が自分の行動の主人公だと思える感覚、また、自分自身の行動が効果的に作用したり、いろいろな出来事に影響を与えることができると思える感覚をいいます。
 自己効力感を適度に持っていることは、『やろう』『やってみよう』『できるかもしれない』『やり通そう』といった思いや勇気につながります。
 なお、自己効力感を高めるには、次のような方法が有効だと考えられています。
① 成功体験   実際にやってみて、『うまくいった』『できた』『やった!』という体験を積み重ねること。
② 代理体験   自分に似た他者のうまくやれている、できている行動や体験を見聞きすること。自分の可能性をも感じることができます。
③ 説   得   自分で自分に『できる』と言い聞かせたり、身近にいる人から適度に励まされたり、褒められたりすること。
④ 生理反応   緊張して震えたり、赤面するといった生理的に過剰な反応がある場合、適度なレベルの生理反応に戻すよう何らかのトレーニングをしたり、起きている生理反応について解釈しなおしたりすること。

 モチベーションに影響を与えているようですね。

《ОJTから》支援について考える

 今日は、ОJTプログラムから《支援》ということについて考えてみたいと思います。

 ОJT研修の中で、リーダーシップのスタイルについても説明します。以前書き込みをした記憶が有るのですが、再度復習をします。
リーダーシップのスタイルを四段階に使い分けます。
第1ステップ  指示・命令   【報告・連絡】
第2ステップ  コーチする   【気付かせる】
第3ステップ  支援する    【ヘルプでなくサポート】
第4ステップ  まかせる     【放任ではない】

 リーダーシップのスタイルについては今回はふれませんが、今日考えてみたいのは第3段階の《支援する》です。時々本で紹介されている説明は、お腹を空かせた子供にお魚を捕って食べさせることは【ヘルプ】、お魚の捕りかたを教えるのが【サポート】、というように書いてあります。『なるほど』と納得し、上手な説明だな!と感心します。
 もう少し付け加えてみれば、相手の主導権や自律性を奪わないようにしながら支えてあげることが【サポート】なんでしょうね。主導権を相手から奪ってしまうと、単に相手を操作することになるんだと思います。

 逆にあなたも経験があることと思いますが、通りでつまずいたり転んだりした人に『大丈夫ですか?』と声を掛けると、決まって『大丈夫です』と答えます。自分に主導権があると感じたい気持ちが強く支援を求めないのでしょう。特に男性の場合は顕著です。例えば仕事においての部下の、『大丈夫です』という発言の真意を上司は感じ取る必要があると思います。

《ポジティブ・ネガティブ》について

   今日は、ポジティブ・ネガティブについて考えてみたいと思います。

   まずは、【ポジティブとは肯定的な表現】【ネガティブとは否定的な表現】このように一旦定義してみたいと思います。
※例えば肯定的表現・・・・・・・・・・・・好き・楽しい・嬉しい・出来る等積極的な感じ
※例えば否定的表現・・・・・・・・・・・・嫌い・辛い・悲しい・やりたくない等消極的な感じ

   時々本等に記載されている例でいうと、【アフリカに靴を売りに行ったセールスマン】
肯定的表現・・・・・・・・誰も靴を履いていないから沢山売れるぞ!
   否定的表現・・・・・・・・誰もくつなんか履いたことがないから売れるわけが無い!
他の例では、【夕食のシーンで奥さんが一生懸命に作った夕食をただ黙々と食べている】
肯定的表現・・・・・・・・私の料理がとっても美味しいので夢中で食べている!
否定的表現・・・・・・・・私の料理がまずいので、一言のほめ言葉もない!

   以前テレビを見ていたら、ビジネスコーチの方が(名前は忘れてしまいました)出演していて興味深いお話をされました。簡単に説明をすると野球の日本シリーズでの出来事を例にして話をするのですが、御存知のようにセリーグの優勝チームとパリーグの優勝チームが日本一を掛けて対決するわけですね。ある年の日本シリーズでパリーグのチームのピッチャーが素晴らしい投手でセリーグのバッターがナカナカ打てないということが有りました。分析をするとインコース高めのボールにやられていることが分かったんです。そこでバッティングコーチがこのようにします指示を出します。『インコース高めの球に手を出すな』と、結果はというと上手くいかなかったようです。このコーチの指示は、否定的な表現【ネガティブ】になっています。もし、肯定的表現【ポジティブ】な指示を出すとしたら、どのような言葉を使ったらいいのでしょうか?
   こんな表現はいかがでしょうか。『低めの球を打て』

   テレビに出演されたいたビジネスコーチの方は、陸上競技の世界で【ポジティブ】な指示を出した場合と【ネガティブ】な指示を出した場合でタイムに差が出るということを話されていました。もちろん、【ポジティブ】な指示のほうが好タイムです。

《モチベーション》を考える

 今日は《モチベーション》について考えてみたいと思います。

 《モチベーション》を『やる気』ということにして進めてみますが、あなたも『やる気がなくなったり』『力が抜けたり』という経験をしていると思うのですが、いったいどんな時に起きていたでしょうか?

 《ピーターの法則》に当てはめてみると、【目標が達成された時に】力が抜けたり、やる気が出なくなったりします。例えば、入学したい大学があって高校時代は志望する大学の合格を目標に、一生懸命に勉強してあなたは見事に合格を実現します。すると、入学後になんだかちょっと力が抜け始めます。いわゆる【五月病】のような状況におちいってしまったりしますね。この状況はいったいどうしたということでしょうか。受験勉強の疲れが出たのでしょうか?違いますよね!おそらく、目標にしていたものが実現して、次の目標を見失ってしまっている為にやる気が出なくなっているのでしょう!ですから、この状態から抜け出すためには【魅力ある目標を見つけること】が、まずは重要だと思います。

 いま一つは、《無力感》に落ちて力が抜けたり、やる気が無くなったり、あきらめたりということがおきます。例を挙げれば、終末医療の現場ですが、かなり厳しい患者さんに精一杯の医療・看護を提供するわけですが(回復を期待して)患者さんは亡くなってしまいます。このような状況を繰返しているうちに《無力感》におちいっていきます。私がコンサルしている介護の現場でも似たようなことがおきていますね。特にまじめで・仕事に熱心な人たちにです。どうしたら良いのかを現在勉強中なのですが、マーチン・セリグマン博士の『楽観主義者・悲観主義者』のなかにヒントがありそうです。