《人事考課制度》を考える第二回

  昨日に引き続き《人事考課制度》について書きたいと思います。

 一般的に、自己評価 ⇒ 上司評価 ⇒ 決定 というプロセスを経て評価が実施されることになりますが、この評価プロセスの課題が【自己評価】と【上司評価】の評価ギャップです。【自己評価】を基準にして見た場合にこのギャップには二つの側面があります。

①    自己評価が低い場合
②    自己評価が高い場合

 自己評価が低い場合は、評価を高くしてあげればよろしいのでしょうが、自己評価が高い場合に、色々と問題が出てきます。自己評価が高いわけですから下げれば良いのですが、下げると、下げられた本人が組織の《悪口を言い始めたり》《会社を辞めたり》《上司につぶされたり》といったようなことが起きたりします。

 ギャップ原因は、上司評価のほうに問題がある場合も当然ありますが、今日は【自己評価】のほうの視点で考えてみたいと思います。この原因としては、自分自身に客観的な視点が不足しているということになるのではないでしょうか。所謂《はた目の自分》ですね。このような時に、コーチングでは、ポジションチェンジというワークを実施して【自分のポジション】【他人のポジション】【第三者のポジション】と三つのポジションから自分を考察してみることを提案しております。ワイドに視野を拡げて自分を見つめることが出来ると思います。

 いま一つは、よく研修で実施されている《ジョハリの窓》のワークですね。

 『人は4つの窓を持っている』という話から始まります。《開かれた窓》《盲目の窓》《隠された窓》《暗い窓》の4つということですが、【自己評価】と関連付けてみたいのが《盲目の窓》です。他人からはよく見えている、自分の長所・短所ですが、残念ながら自分では気づいていない部分です。では、どのようにして気づけば良いのか!他人からフィードバックしてもらえばいいのです。他人は、言語・表情・態度などで実に様々なメッセージを伝えてきます。一言でいえば、『他人という鏡に映った自分を見て気づく』ということです。

 今日は、【自己評価】ということに焦点を絞って《自分を客観的に見てみる》ということについて考えてみました。