《思い込みと自己暗示》

 朝、『今日はいい日になるぞ』と思うと、必ずいい日になります。逆に、『悪い日になるぞ』と思えば、必ず悪い日になるのです。
 何故かというと、今日はいい日になるぞ、と思うと、いいことにロックオンして悪いことをロックアウトしてしまうからです。悪いことが見えないから、必ずいい日になるわけです。
 逆に、悪い日になるぞ、と思うと、いいことをロックアウトして、悪いことにロックオンして悪いことしか見えなくなるわけです。実際は、いいことも悪いこともいつものように起きているのですが。

 ところで、心【思考】が現実を創るのですから、あなたの今の思考【思い込み】をコントロールすることは大変重要です。この思考をコントロールするということは、別の表現をすれば【セルフトークをコントロール】するということです。人は実に一日に5万回もセルフトークをしているそうです。他人のネガティブな言葉に支配されず、自分が望む未来を実現するためのセルフトークに集中しましょう。 《自分で自分に暗示をかけるのです》

 ルー・タイスがよくあげるのは、スリー・タイム・フレームという概念です。過去・現在・未来のどこに思考の基準を置いて考えるかということです。
 過去に基準を置く人は、『昔は良かった』 『あの時は幸せだった』という考えを持っているということです。したがって、未来に対して悲観的であり、現在に対しては不平不満の対象でしかありません。
 また、現在に思考の基準を置く人は、『今現在』に執着します。『今がこうなのだから、明日もこうだ』という具合です。かたくなに現状を維持しようとします。
 未来に基準を置く人は、未来を先見し、そのイメージをはっきり持っています。未来のことを、既に実現している、達成しているものとして現在形で語り、思考し、イメージ通りの未来に自分を導くのです。
 未来志向で考え、アファメーションを描き、ビジュアライゼーションを行うことは、あなたの内側に、継続的な変化の種を蒔くことになるのです。

《思い込みとイメージ》

 もし、未来のゴール【理想・望ましい状態】に基づいた思い込みを創ることができれば、私たちが毎日見るもの・遭遇するものは全てゴールを達成するために必要なものになります。なぜなら、ゴールを達成するために『不必要なもの』は、ロックオン・ロックアウト理論により隠されて見えなくなるのです。
 ポイントは、『目標・ゴールを設定すると、目標達成に必要なものが見つかり始める』ということです。例えば、乗用車を購入するという目標を設定したとします。すると、いままでは丸めて捨てていた【カーディ―ラ―】のチラシが気になり始めます。車のコマーシャル・運転中に展示場の乗用車がチラチラ視界に入ってきたりします。買おうと決める前は、視界には入っているのにあまり意識しなかったのに・・・・・・・・・。

 今日のテーマに入っていきますが、私たち人間は、映像で思考します。そして、その思考に基づいて、目標に向かって進みます。映像を思い浮かべながらあることについて考えた時、人間はその映像に向かって動き始めるということです。
 《アファメーション》を思い出してください。
※ 言語 ⇒ ※ イメージ ⇒ ※ 感情 の順番でしたね。文章化された《アファメーション》が本気で自分自身として実現したいものであり、ワクワクした感情を持てるものであれば、《アファメーション》は推進力やエネルギー源になります。有効活用して下さい。

 思い込みより
 『あなたが朝、今日はいい日であると思えば、その日はいい日になるのです』

《思い込みを変える》

 私たちが本当に欲しいものを手に入れる為に、結果を得るためにはその行動を止める制限・限界になる【思い込み】を見つけ、変えていくことが必要になります。
 思い込みを変える為には、無意識下にある思い込みが自分自身をコントロールしていることに気づいて【アファメーション】のスキルを使用して変えます。外側から変えようとするのではなくて、まずは内面から変えていくのです。(インサイドアウトの変化)

 ≪アファメーション≫
※ 第一人称    『私は、で始まる文章です』
※ 現在形     『未来形で表現するのは誤りです。変化後の様子を文章化します』
※ 感情を込める 『ワクワク感を伴った表現にします』

 アファメーションは、自分の理想・望ましい状態・変化後の自分を文章にしたものですが、次のようにして無意識下に落とし込んでいきます。

 【言語 ⇒ イメージ ⇒ 感情】の順番です
※ 書き出したアファメーションを読み上げる
※ 理想・望ましい状態をイメージする
※ 達成した状態をじっくり感じてみる

 以上のプロセスにより無意識下の思い込みを少しずつ変化させることができます。

《思いと人格》 ジェームズ・アレン

 『人は誰も、内側で考えているとおりの人間である』という古来の金言は、私たちの人格のみならず、人生全般にあてはまる言葉です。私たちは、文字どおり、自分が考えているとおりの人生を生きているのです。なかでも人格は、私たちがめぐらせているあらゆる思いの、完璧な総和です。

 植物は種から芽生えます。それは、種なくしてはあらわれることができません。そして、私たちの行いもまた、内側で密かにめぐらされる思いという種から芽生えます。これもまた、その種がなければあらわれることがありません。意識的のうちに行うことでも、ひとつとして例外はありません。

 行いは思いの花であり、喜びや悲しみはその果実です。そうやって私たち人間は、自分自身が育てる、甘い、あるいは苦い果実を収穫しつづけるのです。

 

  心の中の思いが、私たちを創っている
  私たちは、自分の思いによって創り上げられている

  私たちの心が邪悪な思いで満ちているとき
  私たちには、いつも痛みがつきまとう
  雄牛を悩ます荷馬車のようにして

  もし私たちが清い思いばかりをめぐらしたなら
  私たちには喜びばかりがつきまとう
  私たち自身の影のようにして

             ジェームズ・アレン著 原因と結果の法則より

《思い込みはセルフトーク》の影響を受ける

 セルフトーク【自己対話】が思い込みをつくります。セルフトークを繰り返すたびに、過去の情報や他人の意見があなたの《思い込み》の中に組み込まれていきます。
 したがって、私たちは、私たちのセルフトークをコントロールしなければなりません。そうしなければ、セルフトークによって、私たちがコントロールされることになるのです。

 セルフトークをコントロールすることが、マインドを変える為の第一歩です。そのためには、まずネガティブなセルフトークをしないことです。正しいセルフトークをすることが大変重要になります。効果的なセルフトークをすれば、あらたな《思い込み》がどんどんつくられ、上書き保存されることになります。ポジティブなセルフトークを意図的に実行する必要があるわけです。

 人は、過去の失敗や屈辱など、有害な体験にさかのぼっては繰返し考え、そうすることによって現状の《思い込み》をさらに強固にします。しかし、ネガティブなセルフトークをポジティブなセルフトークに変えることで、その呪縛から逃れ、マインドを変えることができます。

 このような《思い込み》を変える為の有効な手法が≪アファメーション≫ということになります。
 以下のようなことに留意して文章表現します。
※第一人称
※現在形
※ワクワク感

《思い込みはこうして作られる》

 例えば、あなたの周りに『人前で話すのが得意(あるいは苦手)』という思い込みを持っている人はいないでしょうか?
 おそらく『得意』と思い込んでいる人は、過去にプレゼンテーション等人前で話をしてうまくいったことを何度か経験してきているのだと思います。
 逆に『苦手』と思い込んでいる人は、おそらく過去に、用意周到に準備して臨んだにもかかわらず大きな失敗をしてしまった経験があるのだと思います。その経験が強烈に自分の中に残り、『自分は人前で話すのが苦手なんだ!』という【セルフトーク】を繰返してきた可能性があります。

 また、思い込みは幼少時の体験から無意識に作られていることが多々あります。これは、時にとても重要な思い込みとなって私たちの行動を支配している場合があります。
 しかも、幼少期の思い込みは些細な出来事から形成されます。
 例えば、鉄棒の逆上がりが出来なかったとか、前転が出来なかったとか・・・・・・・・です。こういった体験を通じて『自分には出来ない』という【セルフトーク】を繰返し≪あきらめの人≫として成長していきます。当然逆もあります。『自分には出来る』という【セルフトーク】を繰返し、トラブルに出会っても『自ら励ましながら挑戦し続ける』≪努力の人≫として行動する人もいます。

 幼少時の経験・体験をどのように吸収していくのか【認知の仕方】が重要です。マーチン・セリグマン博士は、『幼少時学習性無力感』として説明しています。

 『オプティミストは、何故成功するか』 マーチン・セリグマン著 より

《思い込みのパワー》

    《思い込み》は、私たちの人生にどれだけの作用をしているのでしょうか。

    ある研究結果を取り上げてみましょう。
最近の研究で、こうゆうものがあります。末期がんの診断を受けた患者100人を追跡調査したところ、12年後、彼らのうち10人が生存していました。
    調査を行ったリポーターは、その10人にインタビューをしました。彼らが行ってきたことは、標準的な医学による治療【外科的療法・化学療法・放射線療法など】鍼療法、ダイエットと栄養療法、心理学的な手段、宗教の道、そして何も行わなかったという、実に様々な12年間でした。
唯一、全員に共通していたのは、『彼らは自分が選んだアプローチが、自分にとって最もうまくいくことだと信じていた・思い込んでいた』ということでした。つまり、生存した10人は『自分はうまくいく』という【思い込み】を持っていたのです。

    同様な事例に『プラシーボ効果』があります。
自分は薬物治療を受けていると思い込むと、実際は砂糖で出来た錠剤(プラシーボ)を与えられているにもかかわらず、症状が回復してしまうことがあります。これが『プラシーボ効果』と呼ばれている現象です。
    あるアメリカの学者が多くのデータを総合した結果、平均して3分の1の偽薬【プラシーボ】が、本物の薬と同じ効き目を発揮したそうです。本物の薬でさえも、有効性を発揮するには『これは効くんだ』という思い込みを持つことが必要だということですね。

    いかがでしょうか!思い込みがいかに大きな力を持つか、改めて実感していただけるのではないでしょうか。

《思い込みとロックオン》

 引き続き、ビリーフ【思い込み】について書き込みますが、今日は【ロックオン】という視点から考えてみたいと思います。

※ロックオン《何かに集中する・決めつけ・こだわり》
 『自分自身についての考え・信じているもの・態度』を一旦決めてしまうと、周囲の新しい真実を素直に受け止めることが大変難しくなります。また、新しいことを受け入れられなくなるばかりでなく、それに気づくことも少なくなります。
 私たちは一度に一つのことしか見たり考えたりすることができません。自分の思い【思い込み】に閉じこもってしまいます。このロックオンというプロセスが始まると、変化したり柔軟性や創造性を持つことが難しくなります。
 したがって、自分を成長させるためには、次のようなことに『こだわりを持っていないか!』をチェックしてみる必要があります。

※友人関係
※ライフスタイル
※仕事の仕方

 一方、何かにこだわることは、必ずしもマイナスではありません。積極的にプラスに働くことも大いにあります。高い実績を上げている人々は、建設的な前向きの姿勢でロックオンを行っております。意識的にロックオンし、散漫になることを避けているのです。

 私たちには、ロックオン【思い込み】が持っていも危険性に留意し、またロックオンしながら、他の可能性にも柔軟に目を向けられるよう自分を解放しておくが大切になるのだと思います。

《頭ごなしの叱責は逆効果》

 読売新聞の記事より

 『進路を決める時期だね』と聞いたら、寝耳に水の答え。『まじめに答えろ』と思う気持ちはわかりますけど、感情のままにどなってみても、解決にはつながりません。

 東京学芸大学の相川教授も《頭ごなしの叱責は逆効果》と諭します。親への反発心が旺盛な思春期は、何かしようと思っている時に『しなさい』と言われたら、逆にしないのが特徴。怒っても反射的にあらがうだけだそうです。

 ではどうするか。お勧めはやはり『徹底的に話を聴くこと』とか。ただし、まず『夢を持つのは素晴らしい』という立場を示すのが肝要です。

 そして、『何故タレントなのか?』『どうやってなるのか!』などと詳しく訊ね、不明な点は子供に調べさせます。その過程で、夢が現実なのか、心構えや準備はどうかといった点について、親子で認識を深めるのです。

 親としての意見を伝えるのは最後。『やめなさい』と命令するのではなく、『お父さんは心配だ』と柔らかく気持ちを伝えましょう。やり取りを重ねるうちに親子の絆が強まると確信します。

 【目標・夢・理想】を持つことの大切さ、【Iメッセージ】で伝えるコミュニケーションスキルが紹介されていますね。

《二つのアプローチ》

 目標の達成に向けて、実力管理者基礎コースのなかで《二つのアプローチ》が紹介されています。特徴としては、現状から⇒目標の達成に向かって進んでいく【業務改善目標】をテーマにした場合

≪積上げアプローチのプロセス≫
①原因分析⇒②方針の列挙⇒③改善方針の決定⇒④改善立案⇒⑤実施 となります。

≪デザインアプローチのプロセス≫
①理想形の想定⇒②ネックポイント対策⇒③細部調整⇒④改善立案⇒⑤実施 となります。

 以上の二つのアプローチの手法を状況に応じて使い分けることが必要になるのだとは思いますが、私がここに書き込みをしてきた内容は≪デザインアプローチ≫の考え方です。少し表現を変えて≪ビジョンアプローチ≫として御案内をしています。

 大切なポイントとしては、まずは≪ビジョン・望ましい状態・理想≫を明確にすることです。別の表現をすれば【問題に集中するのではなくて、解決策に集中する】になるでしょうか。≪ビジョン・望ましい状態・理想≫を明確にしたあとは、現状の⇒側からプロセスを見るのではなくて、『←←理想の側からプロセスを見つめることによって』プロセス上にある課題を発見し、それを解決していくといった手法です。

 マクスウェル・マルツも言ってますが、目標を明確にすると【自動成功メカニズム】【サイコ=サイバネティクス】が働きはじめて目標の実現に進んでいく、と。
 《エンド・リザルト・オリエント》最終結果志向