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《同一労働・同一賃金》

 同一労働・同一賃金が、4月から中小企業にも適用されました。エン・ジャパンの調査によると、対応が完了28% 現在取り組み中が23%で、半数程度が“何をすべきか分からない” “対応が必要か分からない”等の理由で対応に取組んでいないことがわかりました。

 同一労働・同一賃金とは、パートやアルバイトなど非正規の仕事内容や責任の程度が同じで、転勤の有無なども同様の場合は『均等待遇』が求められ、企業側が違いについて合理的な理由を説明できなければ、不合理な待遇格差とされます。

 不合理な格差については、ハマキョーレックスの判例や大阪医科大・郵便局の配達業務にあたる非正規の契約社員の訴訟などがありますが、会社の事情によって裁判所の判断は一律にはなっていません。

 トラブルを避けるためにも【職務・職責・雇用管理システムの違い】について、一覧表にまとめておく必要があると思います。
※職務内容と責任の有無  予算管理責任の有無  顧客管理責任の有無等々
※雇用管理のシステムの違い 勤務場所 労働時間 残業等々
※処遇の違いについて
 

《ジョブ型の給与体系》

【ジョブ型給与体系】・・・賃金総研方式
Ⅰ= 1 《特 徴》
 ➊基本給は、オリジナルの体系を採用。年齢給・勤続給を排し、100%仕事給とした。なお、この基本給は、【新本給】【加給】【新昇格給】の構成をもつ。
 ➋昇格基準、昇給基準が明確で合理的である。
  年齢調整不要のオリジナルの【新本給表】を採用した。【新昇格給】の活用で、学歴格差の解消、複線型給与システムの対応を可能とした。また、【新昇格給】にインセンティブを持たせ、かつ、定昇の肥大化防止に役立てた。
 給与体系の中に『昇格基準線』を内蔵しており、この『昇格ライン』とオリジナルの『等級基準書』による等級適正の判定により、昇格管理を合理的に行うことができる。
 ➌制度運用のカギとなる成績評価制度を充実させた。賞与は、オール業績賞与を基本とする。
 ➍退職金の水準管理が合理的にできる。(功労加算も可能)
 ➎新給与制度を幹として、採用・教育・配置・処遇についての戦略リワードシステムを展開する。

Ⅰ= 2 《制度の狙い》
 ➊成長のステップを明らかにし、将来の昇給が見通せるようにする。
 ➋昇格基準、昇給基準を明確で合理的なものにする。
 ➌人事労務管理のバックボーンとなる給与制度、人事制度を確立する。
 ➍シンプルで分かりやすく、運営管理が容易にできる。
 ➎給与原資の有効配分により、社員の能力開発の促進と組織の活性化に役立てる。
 ➏新昇格給と職務手当の活用で多様な業種・業態への適用を可能とした。
 ➐新制度への移行原資をかけない。
 ➑業績年俸制への移行が容易にできる。

  

《評価『時間』から『成果』重視》

 人事賃金制度の考え方を整理すると、三つに区分されます。
【年功給の考え方】
 『時間』がお金という思想に立つ。成績が悪くても処遇が年齢相応に上がる。情意評価中心。
【職能給の考え方】
 『能力』がお金という思想に立つ。職務遂行能力により処遇に差がつく。能力評価中心。
【実績給の考え方】
 『成果』がお金という思想に立つ。成果により処遇に差がつく。成績評価中心。

※読売新聞の記事からです。

 在宅勤務は、評価制度のあり方や、男性の働き方にも影響を与えそうだ。
 『働く時間でなく成果で評価するという見方が管理者にさらに浸透してきた』とするのはダイキン工業(大阪)。コロナ禍による在宅勤務を受けて実施した管理職への聞き取りでは『働く姿を目の前で見られないからこそ、業務のプロセスを含め、成果をきちんと評価する意識が高まった』といった意見が出たという。

 年齢や勤務時間ではなく、能力や成果を重視して報酬や昇進を決める『ジョブ型』雇用を来年度から全社員を対象に導入する日立製作所(東京)も、『個人の役割を明確にし、公平な評価を実現する必要性が高まった』とする。

 弊社でも、『仕事給』として従前から【職務遂行能力と成果】を処遇に反映させる給与体系を提案していますが、運用で難しいのは評価です。評価の視点・成果物の確認といったトレーニングが重要です。

 

《ジョブ型の給与体系》

 【成果で報酬・来年四月導入】・・・読売新聞の記事より
 
 損保大手のSOMPOホールディングスは、2021年4月から、能力や成果に応じて報酬などを決める『ジョブ型の給与体系』を導入する。ホールディングスの全部長約20人から始め、順次広げていく方針だ。

 年齢や勤続年数に応じた報酬を廃止し、転職した場合の市場価値などを参考に給与水準を決める。報酬のうち25%が賞与として支払われる額の目安となるが、賞与は成果に応じて最大2倍になる一方、ゼロになる可能性もあるという。

 21年中には傘下事業会社の損保ジャパンの部長約300人にもジョブ型を導入。22年以降はその他の管理職や、資産運用やデジタルなど専門性の高い分野の社員にも適用し、社員の意欲を引き出す狙いだ。

 SOMPOは、デジタルや介護などの事業拡大で、中途採用者を増やしている。ジョブ型の本格的な採用で、外部からの優秀な人材の確保にもつなげたい考えだ。

※年功型の給与体系からの移行のようです。多くの中堅企業は、ずいぶん前に着手しすでにジョブ型の給与体系への移行は済ませていることと思います。会社の規模が大きくなるに従って移行が難しいということを感じました。
 職務能力の評価については色々な視点からの評価方法が既にありますが、成果の評価については、まずは何を成果とするのかを明確にすることがポイントになると考えます。

《トヨタの新賃金制》に思う

 トヨタ自動車が来年春から、人事評価を全面的に反映させる新たな定期昇給制度を導入するという記事が有りました。

 推測ですが、現在の給与体系は基本給の構成の中に【年齢給・勤続給】が設定されているものと考えられます。どうゆうことかと言いますと、年齢加算又は勤続加算によって毎年の定期昇給(ベアは別)によって一定額は底上げがなされることになります。従って、定期昇給金額で0円の社員がいないことになります。

 私たち賃金総研グループでは、20数年前から基本給から【年齢給・勤続給】を排し、100%実力給とした給与体系を提案してきています。当然ですが、定期昇給金額が0円の社員も発生します。

 そこで、考慮しなければならないことの一つは、定期昇給の根拠となる評価基準を明確にすることです。目標達成度・個人業績・職務能力・役割等様々評価軸をどうように組合わせるのか、またウエイト調整はどうするのか?といったような問題を解決しなければいけません。

 もう一つは、人事考課制度運用にあたっての公平性の確保です。トヨタは、その布石として昨年360度評価を導入したのでしょうか?

 ただし、評価される社員に不満が出ないように運用することが課題だと思います。

 しばらくは、トヨタの動向に注目したいです。 

《在宅勤務手当》

 新型コロナの影響で、在宅勤務を実施する企業が増えています。レンタルオフィス事業を手掛けるWOOCが、テレワークに関するアンケートを実施しました。

【在宅勤務で困ったこと】
※作業に適したデスク・椅子がない・・・・41%
※インターネット環境が整っていない・・・20%
 オフィスとの違いに不便を感じている声が多いようです。

 このような不便さに対する手当として、ホンダは在宅勤務1日につき250円を支給する方針だそうです。また、キリンホールディングスは、週に3日以上の在宅勤務で月に3000円を支給するようです。

 富士通やソフトバンクも同様の手当を導入しました。

 いずれにしても、コスト増になることは間違いないので中小企業にどの程度浸透していくかは不明です。また、在宅での業務が難しい職種もありますから、待遇に差が出る可能性もあります。

 職務遂行能力や実績を処遇に反映する給与体系を提案しているものとしては、悩ましい問題です。
 

《増える“地域限定”社員》

 学生に『地元志向』・・・・読売新聞の記事より

 警備大手セコムが東京都内で開いた内定式には、学生約230人が出席。このうち、今年度新設した採用枠『エリア総合』コースは66人を占めた。原則、本人が希望した都道府県か、そこから通勤可能な隣県が勤務地となる。広島市の大学に通う松本さん(21)は、出身地の愛媛県を希望。『家族の近くにいたいし、愛着のある地元で働きたい。全国転勤がある企業は応募しなかった』と話す。

 武田薬品工業も都内で内定式を開き、約50人が出席した。同社は2015年から、医薬品の営業職に『勤務地限定制度』を導入。30道県から勤務地を選ぶことができ、例年新入社員のうち数人が利用する。全国転勤を敬遠する地方の優秀な学生を獲得するためで、採用担当者は『営業職は地域密着型の仕事。地元志向の強い社員は成績も良い』と説明する。

 就職情報会社ディスコが8月、来春卒業予定の学生に就職先を決めた理由(複数回答)を尋ねたところ、『希望の勤務地で働ける』は2割に達した。

 法政大学キャリアデザイン学部の武田恵美子教授は『共働きが一般的になり、学生は転勤を、子育てやキャリア形成上のリスクと捉えている』と分析。地域限定社員は、転勤のある社員と待遇面で差をつけられる場合もあり、『企業は双方に納得感のある制度を構築すべきだ』と指摘した。

《賃金診断》

 企業の稼ぎである付加価値の半分近くが人件費として支払われている。この原資を企業の競争力に結びつけることが、好不況の波を乗り越えて、企業が力強く伸びていくために不可欠であるという視点から、賃金総研グループでは【賃金診断】を勧めています。

 この【賃金診断】では、企業の現状を次のような内容で分析・診断しています。

※労働生産性分析
 ➀売上と粗利確保にかかっている人件費コストは?
 ➁同規模・同業者との賃金比較は?
 ➂人件費の肥大化に陥っていないか?

※賃金制度分析
 ➀年齢別・役職別・職種別の賃金分布は?
 ➁賃金分布に特殊な偏りや、アンバランスはないか?
 ➂社員のモラルアップ・レベルアップにつながる制度になっているか?

 診断結果とともに、今後の対策についての方向性も、ご提示しています。

 今、貴社に求められている新賃金システム設計に向けご活用下さい。

《ネット記事・新卒1000万円》

 ネットの記事で気になる内容のものがありました。
 
【NECは新卒1000万円 NTTは1億円 研究者待遇】

 新卒の1000万円は年収ということですが、最近の大卒の初任給の月額が21万円とすれば、年収で330万円程度になります。従って1000万円というのは、実に三倍ですからインパクトがありますね。記事によると、今年の10月からの人事制度改定により、新入社員でも1000万円以上の年収を得られるようにするようです。本給・手当・賞与で、どのようにコントロールするのか興味深いところです。

 一方のNTT 1億円のほうは、現在日本国内のエキスパート研究者で年収2000万円程度の水準だが、米国並みにスター研究者には年1億円以上の報酬を出す用意があると澤田社長が語ったとあります。

 この2つの事例は、今の日本の人手不足と優秀な社員の離職といった問題が如実に反映されていると感じました。

 1000万円とか1億円を用意できない中小企業は、どうしたらようのでしょうか?悩ましい問題です。

《モデル賃金と昇格》

 給与体系をデザインする際には、通常【モデル賃金】を計算して提示します。一般的には【Aモデル賃金】【Bモデル賃金】【Cモデル賃金】といったように、成績別モデル賃金になります。

 例えば、大卒22歳で入社して成績Aを取り続ける場合の、あるいは成績Bを取り続ける場合の年齢別の仮説賃金モデルということになるのでしょう。この場合には、各等級における最短滞留年数を設定して昇格スピードをコントロールしていきます。成績Aの場合には最短滞留年数を2年、Bの場合には3年というように成績が落ちるに従って最短滞留年数は逆に長くなっていきます。

 もう一つは、昇給号数のコントロールをすることになります。成績Aの場合には6号昇給、成績Cの場合には3号昇給といった具合にです。従って成績の優れているAモデルの場合には昇給金額も多くなりますし、昇格のスピードも速くなりますから、それに伴って年齢別のモデル賃金もBモデル・Cモデルと比較して大きなものになります。

 あくまでも、これはモデル賃金を描く場合の考え方であり実務運用面では、【等級適正】【経験年数】【人事考課の結果】を総合的に勘案して昇格・昇進を実施していくことが望ましいと考えます。