月別アーカイブ: 2013年7月

《目標設定のポイント》

 目標管理を実施する際には留意すべきポイントが多くありますが、今回は3つに絞ってご案内したいと思います。

【目標の明確なイメージ】
 達成したいことをより具体的に鮮明にイメージすればするほど、目標に早く到達します。明確に絞った目標が、それを実現するための情報や機会をキャッチするようになります。明確なイメージは責任を重くし、エネルギーや創造性を高めます。

【達成された目標結果】
 目標結果と、それに関連する全てに意識を集中し、固定化することはとても重要です。目標の結果を既に達成されたものとしてイキイキと、鮮やかにイメージすることで、潜在意識から目標達成のためのエネルギーが出てきます。目標は『現在形』でイメージして下さい。この『今』という時が、脳を活性化するために極めて重要です。

【目標への協力】
 トップダウン方式では、一部の人が目標を考え、他の人はそれを受け入れるというだけですが、徐々に変化してきています。
 私たちが家族として、または会社としても成功するには、目標の達成を皆で協力して実現しなければなりません。
 この『目標の共有感』は、どのようにして得たらよいのでしょうか!
 まずは、私たちが価値観を理解し、目標がもたらす効果を明らかにすることで、メンバーが目標の達成に向かうように説得できます。これには、努力と配慮が必要ですが、全ての成功者が使ってきた方法です。
 また、私たちは、メンバーが目標に参画するように支援しなければなりません。それには、彼らが役割を分担し、目標の達成プロセスに参加することが必要です。これは、彼らに権利を与えることになります。彼らは考えを聞いてもらう権利と、ある程度のコントロールができる権利を持ちます。その代わりに、私たちは見返りとして、彼らの約束と協力を得ることができるのです。
 その結果、皆で達成感を味わい喜びを分かち合うことになります。 

《上司と部下とのギャップ》

 日頃考課者トレーニングの始めには『自己評価と上司評価のギャップを埋めることを、まずは意識しましょう』と言います。今日は、日本生産性本部の意識調査から《上司と部下とのギャップ》を確認してみましょう。

 尚、この調査は2012年6月から日本生産性本部開催のセミナー等の受講者へのアンケート調査結果です。

①叱ることが『育成につながると思う』 上司89%
 叱られると『やる気をうしなう』 部下56%
②有益な情報の共有について『共有されている』 上司57%
     同上      『共有されている』 部下45%
③部下を褒めている  上司80%
 上司は褒めるほうだ 部下51%
④部下の仕事への取組姿勢『満足している』 上司37%
 積極的に仕事に取組んでいると思う    部下78%

 上司と部下のギャップが明確に見てとれると思います。

【もう一つ労働トラブルが起きやすい会社の共通した傾向】
①直属の上司が自らの業務に忙しく、部下とのコミュニケーション不足の会社
②ある程度の規模の会社で、経営者と社員のコミュニケーションが不十分の会社
③組織内に派閥ができている会社
④社員を育成するという姿勢に乏しく、人材を使い捨てにする傾向の会社
 
 最後にもう一つアンケートの結果より
※育成を『面倒だとは感じない』 上司73%いる一方で、育成に『自信がある』と答えた上司は41%にとどまった。
 

《環境整備》

『株式会社 武蔵野』流 環境整備

1 基 本
  ① 仕事をやり易くする環境を整えて備える。
  ② 『形』から入って『心』に至る。「形」ができるようになれば、後は自然に「心」がついてくる。
  ③ 環境整備を通して、職場で働く人の心をかよわせ、仕事のやり方、考え方に気づく習慣を身につける。
    朝礼終了後、計画を立て30分間行う。

2 整 理
  ① いる物といらない物を明確にし、必要最小限度までいらない物・使わない物を捨てる。

3 整 頓
  ① 物の置き場を決め、名前を表示し数字をつけて管理する。探す時間をなくす。
  ② 物を置く時は、向きを整える。
  ③ 使った物は元の位置に戻す。

4 清 潔
  ① 今日はここだけという部分を計画表に基づいて、徹底的にピカピカに磨きこむ。
  ② 『車両・トイレ・床』を重点とする。

 シンプルで分かりやすいですね!!

《指示待ち症候群Ⅱ》

 指示待ち族がどのようにして発生するのか、上司側から考察してみよう。
 まず、指示することが上司としての役割だと思い込んでいることに一つの原因を見出すことができる。さらに、部下は、指示するとその通り動き、教えるとその通りわかり、説明するとそう思い、世話をやくとうまくいく、そう思い込んでいるからであろう。けっしてそうはならないのに、である。それどころか多くと場合、逆の結果を生み出しているのに、である。
 指示とは、一言にして切り捨てれば、人々の主体性を奪うことである。指示によって人々を動かすことが、『指示待ち族』を量産しているのである。指示待ちは、けっして人間の本性ではない。作られたものである。
 小さな子どもを見れば一目瞭然であろう。彼、彼女らが、誰かの指示を待っているだろうか。次が次へと自分で動いて、親の方が振り回されているではないか。それが幼稚園に通い出すと、少しずつだが様子が変わってくる。そして成人式を迎える頃には、立派な指示待ち族となっているわけである。
 上司から指示されると、部下は動かざるをえないから動く。動く範囲は、主体性がないので指示内容が作用するところまでである。動きが不十分な場合には、また指示の追加がなされる。これを繰り返していくとどうなるか。
 前にも指示されて動いたのだから今度も指示によって動く、ということになる。つまり、指示されるまで待つことになる。そこで上司は、また指示する。上司も部下も、このようになるのは当然のことだ。
 この悪循環が定着し、体質化してしまったのが『指示待ち』と言われる状態である。

 “人を人として” 藤田英夫著より

《指示待ち症候群》

 少し古いが、朝日新聞に掲載された65歳の女性からの投稿である。

 ざん新なコスチュームに身を包み、街角でたばこの新製品を配っていた若い娘さん。
 杖をついて歩いていた夫に手渡そうとして『失礼ですが、二十歳を過ぎていらっしゃいますか』
 夫は75歳です。

 この情景にはいくつかの見方があると思う。私が見たものは、若い彼女の『忠実』ぶりであった。新聞にも『マニュアル』という見出しがついていた。法に触れることを恐れて、その確認は厳しく指示されていたにちがいない。彼女は指示通り正確に動いているわけだ。
 最近、コンビニでも同じような事が行われているようです。

 もう一つ似たような投稿を紹介します。

 ピカピカの新車が納車された。さっそくガソリンスタンドへ給油に行ったら、元気のいい女の子が
『いらっしゃいませ! 満タンですか』 『ハイ』すると今度は
『洗車はいかがですか!』
 私がこれに見るものは、やはり彼女の忠実ぶり、他から言われたその通りに動くということである。
 言われるとその通りに動く人、与えられた条件の枠内でだけ動く人が多くなる一方で、それを越えて何とかしよう、そこから脱出せねばと動く人はがぜん少なくなってきているようだ。
   
 “人を人として” 藤田英夫著より

《基本給連動型賞与》

 古くから日本では賞与の支給に際して、(基本給×○ヵ月)といった計算式で支給されるケースが多いですね。おそらく年功給的な考え方が根付いている影響だと思いますし、未だに多くの組織で、基本給連動型の賞与が見受けられます。
 
 仮に賞与を短期的な業績(決算単位)や人事考課(半期)に基づき支給されるものであるとするならば、成果を出している若手の社員の賞与がベテランの主任さんより多くなって然るべきと考えるのですが、基本給連動型賞与では通常はベテラン主任さんの基本給が高いですから、頑張った若手社員は追い越すことができません。こうしたおかしなことが発生してしまうのです。

 このような問題を回避する方法は非常にシンプルです。ただ、基本給との連動をやめることです。そのうえで、自社にとって理想と考える賞与の配分ルールを設定すればいいのです。
 
 弊社では、等級と個人の成績による(成績別配点表)ポイント式賞与を提案しております。一部基本給と連動させたり、部門業績を勘案したりとフレキシブルな対応が可能です。賞与を計算する際に基本給と連動させなければならない理由は何一つありません。むしろ実際の貢献度と一致しない基本給と連動させる方が弊害が多いのです。

《リーダー像》

 いま求められるリーダー像とはいかなるものでしょうか?
 アメリカの行動心理学者リチャード・ファースンによれば『グループの力を引き出すこと』というのが、もっとも正しい見方だと思います。日本でも同様に『一人ひとりが優秀なだけではダメだ。チーム力、チームシナジーを出さないと』と言われて久しい。ファースンは、具体的な形について『リーダーシップは集団の成員の間に分散されており、各成員が、仕事の達人、道化役、母親的役割など、それぞれ重要な役割をかわるがわるに果たすのである』と表現している。
 つまり、これからのリーダーとは、持ち回りの学級委員のようなものだと考えた方がいいかもしれない。上司とは組織を維持し、部下たちの能力を引き出す役目なのです。こういう観点から考えないと、よい上司にはなれないのです。
 では、こういうリーダー役を果たすには、どんな上司になればいいのか。最初にやるのはチームを壊さないようにすることです。次にチームを活性化する。さらに各自のもつ能力を十分に発揮させるようにすることです。
 その具体的な手法は、おそらくチームの数だけあるのだと思います。見習うべき、確実なモデルというものはなく、ただ、どんなチームリーダーにも必要な能力は、部下から信頼されることだと考えます。
 上司になるための準備とは、あなたが職場で信頼される人間になること。そこから始める必要があるのだと思います。

《選択と集中》

『仕事を効率的に進めるには、選択と集中が大切だ!』と言われます。『選択と集中』とは、ピーター・ドラッカーの経営論の核になっている言葉です。
 そこで、この言葉のもつ意味について考えてみたい。
 この言葉は経営者がよく使っていますが、たぶん人によって込めている意味は、微妙に違っていると思うし、当然受け取るほうも様々な受け取り方をしているはずです。
 中には物知りがいて、『ドラッカーはこうゆう意味でいっているんだ』などと解説してくれる人もいるかもしれませんが、言葉の意味を正しく理解したからといって、仕事の足しになるとは限りません。
 私はこの言葉のうウェイトは『選択』のほうにあると考えています。
 例えば、いま10項目の処理をしなければならない案件を抱えていたとします。処理期限も重要度もそれぞれ違います。そのようなときに、どれを先に選んでやるか、どんなふうにやるか、それが問題なわけです。
 『10もやることがある』と呆然としたり、何の計画性もなく始めたりするのではなく、眼力をもって『まずは、これから』と決めて、集中力をもって始める。要するに『特化してやる』ということだと思います。
 私が選択の方が重要だと考えるのは、いくら集中しても選択を誤れば成功には至らないと思うからです。どんな仕事にも集中が必要な事はいうまでもないことであり、一番の問題は選択だということです。
 最後に、選択のポイントは『優先事項と後先事項』の考え方。何をあきらめ、何をやめるのか!
 ドラッカー氏は次のように言ってます。
 『優先事項を設定するのは簡単だ。難しいのは、どの作業に取組まないか(後先事項)を決めることである』
 『その時、最も大切なのは、知恵ある分析ではなく、勇気である』と!
 

《競争の戦略》

 M・E・ポーターの“競争の戦略”を、約8ヵ月程かかって読み終わりました。1995年に新訂されたものですが、興味深く読むことができました。もう少し早く読み終わる予定でしたが、私にとって言葉が難解で時間を費やすことになったのだと思います。読みやすい本だと2時間程度で200ページ位のものを一冊読み終えることが出来たりするのですが、この本は10ページ読むのに1時間かかったりしました。

 ここ10年くらい、経営戦略の立案に“SWОT分析”の手法を採用していましたが、
1 業界分析
  競争に成功する中心要因及び業界での好機と脅威の主要なものは何か。
2 競争業者分析
  既存及び今後予想される競争業者の能力と欠点、さらに、競争業者の今後の行動は何か。
3 社会分析
  政府、社会、政治からのどんな重要要因が、好機あるいは脅威をもたらすか。
4 自社の長所と弱点
  業界分析、競争業者分析の結果、現在及び将来の競争業者と対比した場合の自社の長所と弱点は何か。
 以上の4段階について詳しく解説がなされていて参考になりました。

 あと1点あげれば、“ライフサイクルの進展過程”
1 導入期
2 成長期
3 成熟期
4 衰退期

 以上の段階にあわせた戦略を策定するという考え方は、私にはありませんでした。

 時々量的・質的にズッシリした本を読むのもいいものです。実は、あと一冊ズッシリした本を読んでいる途中です。

《自己限定》

 みなさんが『できない』と思うのは、ほとんどの場合錯覚です。できない気がしているだけで、できます。大丈夫です。自分で自分を制限したり限定したりしているだけなのです。
 
まず、『できない』と言う人は往々にして、やる前から言うことが多い。『やってみたけどできなかった』と言うのなら話もわかりますが、やる前から『できない』とはこれいかに、という感じです。だから『できません』と言う場合には、『やってみた?』とまず聞く必要があるのです。ここでも、『いえ、でもできないと思います』といった答えが返ってくるかもしれません。まるで禅問答です。
 
それは自分が勝手にできないと思っているのであって、実際にできないのとは違うということに何故気がつかないのか不思議です。
 
それに、『やったけどできませんでした』と答えるのも、私はあまり信用しません。その場合は、ちゃんとやらなかっただけということか多いからです。例えば、『これを携帯で撮って、メールに添付してAさんに送って』と依頼して『やったけどできません』と言われたら、これも『できます』。これは、単に正しい手順を知らなかったのでうまくいかなかっただけで、『できないのとは違うのです』

 誰もあなたに『今から月にいってこい』とか『太平洋を泳いで横断して』なんて言うわけがないのですから、普通のことで『できない』と言うのがいかにあてにならないことかわかるはず。

 こんな錯覚【自己限定】にだまされてはいけません。