《選択と集中》

『仕事を効率的に進めるには、選択と集中が大切だ!』と言われます。『選択と集中』とは、ピーター・ドラッカーの経営論の核になっている言葉です。
 そこで、この言葉のもつ意味について考えてみたい。
 この言葉は経営者がよく使っていますが、たぶん人によって込めている意味は、微妙に違っていると思うし、当然受け取るほうも様々な受け取り方をしているはずです。
 中には物知りがいて、『ドラッカーはこうゆう意味でいっているんだ』などと解説してくれる人もいるかもしれませんが、言葉の意味を正しく理解したからといって、仕事の足しになるとは限りません。
 私はこの言葉のうウェイトは『選択』のほうにあると考えています。
 例えば、いま10項目の処理をしなければならない案件を抱えていたとします。処理期限も重要度もそれぞれ違います。そのようなときに、どれを先に選んでやるか、どんなふうにやるか、それが問題なわけです。
 『10もやることがある』と呆然としたり、何の計画性もなく始めたりするのではなく、眼力をもって『まずは、これから』と決めて、集中力をもって始める。要するに『特化してやる』ということだと思います。
 私が選択の方が重要だと考えるのは、いくら集中しても選択を誤れば成功には至らないと思うからです。どんな仕事にも集中が必要な事はいうまでもないことであり、一番の問題は選択だということです。
 最後に、選択のポイントは『優先事項と後先事項』の考え方。何をあきらめ、何をやめるのか!
 ドラッカー氏は次のように言ってます。
 『優先事項を設定するのは簡単だ。難しいのは、どの作業に取組まないか(後先事項)を決めることである』
 『その時、最も大切なのは、知恵ある分析ではなく、勇気である』と!