《楽観的視点・悲観的視点》

 アドラーの大切な教えの一つに、「楽観的になる」ということが挙げられます。
 そのたとえ話として、アドラー心理学でよく取り上げられるのが『二匹のカエル』という話です。ここで紹介しておきます。

 二匹のカエルが、ミルクがたくさん入った壺の縁の上で飛びはねて遊んでいました。
しかし、誤って二匹のカエルとも、ミルクが入った壺の中へ落ちてしまいました。
 一匹のカエルは、「もうおしまいだ。自分がミルクに溺れて死ぬしかない」と、悲観的な気持ちになりました。
生きる意欲を失って、命が尽きることを覚悟したのです。
 しかし、もう一匹のカエルは、悲観的にはなりませんでした。
「どうにか脱出できるんじゃないか」と楽観的に考え、壺の中で飛びはねました。
すると、後ろ足が底につき、ピョンと飛びはね、壺の外に出ることができたのです。
 じつは、ミルクの部分は浅かったのです。
 ミルクのすぐ下は固形のバターになっていて、その固形のバターを足で蹴れば飛びはねることができたのです。

 このアドラーのたとえ話は、「どのような苦境に陥っても、『なんとかなるはずだ』と楽観的な気持ちを持ち、やるべきことをやっていれば必ず解決策が見つかる」ということを教えています。
 自分自身が悲観的な気持ちになって意欲を失ったら、本当にそこで終わりになるのです。
 楽観的に考えることが、自分自身を救う手段になるのです。