《問題行動だけ指摘する》

いくら相手が悪いからといって、それをそのまま指摘すると、怒り出すような相手もいます。あるいは、ネガティブな指摘をすると、自分を守ろうとして、話をまったく聞き入れてくれなくなることもあります。
注意をしたり、問題を指摘するのは、思いのほか難しいことなのです。きちんとこちらの思いを伝えるためには、話し方や伝え方が重要なのです。
例えば、遅刻をした部下に注意するとします。本人も反省していますが、こんなときに「遅刻するなんて、けしからん。そうやって時間にルーズだから、仕事ができないんだぞ」と、怒りのあまりに遅刻したことだけではなく、相手の人格まで批判してしまうと遅刻の話ではなく、勤務態度の問題になってしまいます。
勢い余って、そのような批判をしてしまう上司や先輩も意外と多いのではないでしょうか?
すると、遅刻した部下は、「遅刻したことは反省しているけれど、仕事のことは言われたくない」と反発して、素直に話を聞くことができなくなってしまいます。あくまで注意して改善してもらいたいのは、遅刻に関することです。
そのため、このようなケースでは、問題になっている行動にだけ注目するのです。いきなり他人の性格を改善することはできませんが、行動を改めさせることはできます。
相手がきちんと自分で改善してくれることを信じて、「遅刻は困るので、何とか協力してくれないか?」と諭すことが肝心なのです。
あくまで目の前で起こっている行動を問題視して、それを改善させるよう話すことがポイントです。