《年寄りこそ挑戦しよう》

年寄りこそ挑戦しよう・・・・萩本欽一 78歳 コメディアン

僕が大学に通い始めたのは、73歳の時だった。だんだん、人の名前が覚えられなくなってきてね。忘れてしまうことがあるなら、その分、新しいことを覚えていけばいいと思ったんだ。年が離れた友達もできた。同級生として接してくれる空気感が新鮮で、本当に楽しかった。

大学には僕のように年を取った人もたくさん来ているの。だけど、聴講生じゃ、もったいないと思うなぁ。年を取ると、脳がなかなか物を覚えようとしないんだ。講義を聴いても、次の日には忘れちゃう。だから、試験を受けることが大切なの。

英語もドイツ語も、僕が学んだ仏教も、何回読んでも覚えられない。だから、インチキな読み方でギャグにしたりしてどうにか覚えた。そうしたら、どんどん頭の回転と記憶力が良くなった。脳は働かせればちゃんと働くし、若返るって実感したよ。

やることがないなんて言っていたら、老け込んじゃうよ。何でもいいから、興味があることに飛び込んでみようよ。想像してなかったことに出会えるし、新しい人のつながりもできる。

僕は『老人』や『高齢者』じゃなく、『年寄り』と呼ばれたい。年が寄ってきても、いつも新しい挑戦をしていれば、ひょいっとよけられると思うんだ。