給与体系」カテゴリーアーカイブ

《トヨタの新賃金制》に思う

 トヨタ自動車が来年春から、人事評価を全面的に反映させる新たな定期昇給制度を導入するという記事が有りました。

 推測ですが、現在の給与体系は基本給の構成の中に【年齢給・勤続給】が設定されているものと考えられます。どうゆうことかと言いますと、年齢加算又は勤続加算によって毎年の定期昇給(ベアは別)によって一定額は底上げがなされることになります。従って、定期昇給金額で0円の社員がいないことになります。

 私たち賃金総研グループでは、20数年前から基本給から【年齢給・勤続給】を排し、100%実力給とした給与体系を提案してきています。当然ですが、定期昇給金額が0円の社員も発生します。

 そこで、考慮しなければならないことの一つは、定期昇給の根拠となる評価基準を明確にすることです。目標達成度・個人業績・職務能力・役割等様々評価軸をどうように組合わせるのか、またウエイト調整はどうするのか?といったような問題を解決しなければいけません。

 もう一つは、人事考課制度運用にあたっての公平性の確保です。トヨタは、その布石として昨年360度評価を導入したのでしょうか?

 ただし、評価される社員に不満が出ないように運用することが課題だと思います。

 しばらくは、トヨタの動向に注目したいです。 

《在宅勤務手当》

 新型コロナの影響で、在宅勤務を実施する企業が増えています。レンタルオフィス事業を手掛けるWOOCが、テレワークに関するアンケートを実施しました。

【在宅勤務で困ったこと】
※作業に適したデスク・椅子がない・・・・41%
※インターネット環境が整っていない・・・20%
 オフィスとの違いに不便を感じている声が多いようです。

 このような不便さに対する手当として、ホンダは在宅勤務1日につき250円を支給する方針だそうです。また、キリンホールディングスは、週に3日以上の在宅勤務で月に3000円を支給するようです。

 富士通やソフトバンクも同様の手当を導入しました。

 いずれにしても、コスト増になることは間違いないので中小企業にどの程度浸透していくかは不明です。また、在宅での業務が難しい職種もありますから、待遇に差が出る可能性もあります。

 職務遂行能力や実績を処遇に反映する給与体系を提案しているものとしては、悩ましい問題です。
 

《増える“地域限定”社員》

 学生に『地元志向』・・・・読売新聞の記事より

 警備大手セコムが東京都内で開いた内定式には、学生約230人が出席。このうち、今年度新設した採用枠『エリア総合』コースは66人を占めた。原則、本人が希望した都道府県か、そこから通勤可能な隣県が勤務地となる。広島市の大学に通う松本さん(21)は、出身地の愛媛県を希望。『家族の近くにいたいし、愛着のある地元で働きたい。全国転勤がある企業は応募しなかった』と話す。

 武田薬品工業も都内で内定式を開き、約50人が出席した。同社は2015年から、医薬品の営業職に『勤務地限定制度』を導入。30道県から勤務地を選ぶことができ、例年新入社員のうち数人が利用する。全国転勤を敬遠する地方の優秀な学生を獲得するためで、採用担当者は『営業職は地域密着型の仕事。地元志向の強い社員は成績も良い』と説明する。

 就職情報会社ディスコが8月、来春卒業予定の学生に就職先を決めた理由(複数回答)を尋ねたところ、『希望の勤務地で働ける』は2割に達した。

 法政大学キャリアデザイン学部の武田恵美子教授は『共働きが一般的になり、学生は転勤を、子育てやキャリア形成上のリスクと捉えている』と分析。地域限定社員は、転勤のある社員と待遇面で差をつけられる場合もあり、『企業は双方に納得感のある制度を構築すべきだ』と指摘した。

《賃金診断》

 企業の稼ぎである付加価値の半分近くが人件費として支払われている。この原資を企業の競争力に結びつけることが、好不況の波を乗り越えて、企業が力強く伸びていくために不可欠であるという視点から、賃金総研グループでは【賃金診断】を勧めています。

 この【賃金診断】では、企業の現状を次のような内容で分析・診断しています。

※労働生産性分析
 ➀売上と粗利確保にかかっている人件費コストは?
 ➁同規模・同業者との賃金比較は?
 ➂人件費の肥大化に陥っていないか?

※賃金制度分析
 ➀年齢別・役職別・職種別の賃金分布は?
 ➁賃金分布に特殊な偏りや、アンバランスはないか?
 ➂社員のモラルアップ・レベルアップにつながる制度になっているか?

 診断結果とともに、今後の対策についての方向性も、ご提示しています。

 今、貴社に求められている新賃金システム設計に向けご活用下さい。

《ネット記事・新卒1000万円》

 ネットの記事で気になる内容のものがありました。
 
【NECは新卒1000万円 NTTは1億円 研究者待遇】

 新卒の1000万円は年収ということですが、最近の大卒の初任給の月額が21万円とすれば、年収で330万円程度になります。従って1000万円というのは、実に三倍ですからインパクトがありますね。記事によると、今年の10月からの人事制度改定により、新入社員でも1000万円以上の年収を得られるようにするようです。本給・手当・賞与で、どのようにコントロールするのか興味深いところです。

 一方のNTT 1億円のほうは、現在日本国内のエキスパート研究者で年収2000万円程度の水準だが、米国並みにスター研究者には年1億円以上の報酬を出す用意があると澤田社長が語ったとあります。

 この2つの事例は、今の日本の人手不足と優秀な社員の離職といった問題が如実に反映されていると感じました。

 1000万円とか1億円を用意できない中小企業は、どうしたらようのでしょうか?悩ましい問題です。

《モデル賃金と昇格》

 給与体系をデザインする際には、通常【モデル賃金】を計算して提示します。一般的には【Aモデル賃金】【Bモデル賃金】【Cモデル賃金】といったように、成績別モデル賃金になります。

 例えば、大卒22歳で入社して成績Aを取り続ける場合の、あるいは成績Bを取り続ける場合の年齢別の仮説賃金モデルということになるのでしょう。この場合には、各等級における最短滞留年数を設定して昇格スピードをコントロールしていきます。成績Aの場合には最短滞留年数を2年、Bの場合には3年というように成績が落ちるに従って最短滞留年数は逆に長くなっていきます。

 もう一つは、昇給号数のコントロールをすることになります。成績Aの場合には6号昇給、成績Cの場合には3号昇給といった具合にです。従って成績の優れているAモデルの場合には昇給金額も多くなりますし、昇格のスピードも速くなりますから、それに伴って年齢別のモデル賃金もBモデル・Cモデルと比較して大きなものになります。

 あくまでも、これはモデル賃金を描く場合の考え方であり実務運用面では、【等級適正】【経験年数】【人事考課の結果】を総合的に勘案して昇格・昇進を実施していくことが望ましいと考えます。

《賞与の時期になりました》

 師走に入り人事的には《冬期賞与》季節になりましたが、皆様のところではどのようにして賞与の金額を決定しているのでしょうか!今日は賃金総研グループでの賞与計算方法について書いてみたいと思います。

 賞与は通常年に2回、会社のその期の業績や社員の業務の実績等を考慮してまず支給総額を決定します。支店ごとやチームごとに支給総額をコントロールする場合もあります。

 そして、これを安定支給部分たる(基本給比例分)と刺激給要素を持った(成績比例分)とに分けて支給します。その際には、【基本給比例分】と【成績比例分】の割合を50% 50%でスタートをするのがよろしいかと思います。ただし、管理職の場合や決算賞与を支給する場合には【成績比例分100%】とするのがよいでしょう。

 次に、これらの配分比率を決定した後に成績別配転表により個別決定を行います。

 成績別配転表は、弊社ホームページの資料編にアップしてありますので、ご参照していただければ幸いです。

《トヨタ 子ども手当4倍》

【トヨタ自動車 子ども手当4倍】
 ・・月額2万円に 配偶者手当は廃止に・・

 トヨタ自動車は来年1月以降、段階的に配偶者手当を廃止し、子ども手当を現行の4倍に引き上げることで労働組合と大筋合意した。

 労組は九月の評議会で提案受け入れを正式決定する。子どもを抱えた世帯を支援する政府の方針に沿った措置といえる。

 子育て世帯の場合、社員の配偶者が無職か年収103万円以下の場合、配偶者手当は月額19500円を支給し、子ども手当は一人5000円ずつ支払っている。新制度では配偶者分を廃止し、子ども一人につき一律2万円を支給する。

 トヨタは専業主婦世帯が一般的だった昭和20年代に家族手当などの支給を始めた。現在は共働き世帯の方が多く、制度も見直すことにした。
 
                     読売新聞の記事より

《キャリアパス一考》

 等級制度と並行してキャリアパスの導入を検討する企業・法人が増えてきましたが、“ローテーションルール”の視点からポイントを考えてみたいと思います。

【ローテーションルールの大枠】
① 業務上の二―ズ及び各人の能力、適正に応じた配置を通じて能力開発のためにローテーションをルール化する。
② 各職位については、入社後十年間において原則として三つ以上の異なった職務を経験するように異動をおこなう。一つの職務の在職年数は、三~六年をめどとする(事業所間または部門異動はこれに含める)。ただし、専門性強化の視点から例外はありうる。
③ ある特定の職位については、入社後十年間において原則として二つ以上の職務を経験するように異動をおこなう。一つの職務の在職年数は、三~六年をめどとする(係間、課間、部間、事務所間異動はこれに含める)。
④ その他の職種、および各職位の②、③以外の人については、①の視点に立った個別の異動をする。

 担当職⇒監督指導職⇒管理職という職分異動のプロセスでどのような職務を経験させるかといった視点は、人事戦略上重要なポイントだと考えます。

 職位・・・役職のランク
 職種・・・業務の名称 (営業・事務・製造等)
 職務・・・担当業務
 

《昇格管理について》

 人事管理のなかで昇格は重要な役割を担っていますし、社員も関心が高い処遇のルールだと考えています。何故ならば、昇格するか否かで社内でのステイタスや賃金も違ってくるからです。早く昇格したいと思うのは自然であり、この制度はそれを狙っているわけです。

 そこで、一般的に昇格には“卒業方式”と“入学方式”とがあるといわれています。

 卒業方式は、現在格付けされている等級での職務・役割が充分遂行できると判定されたならば、上位の等級での職務・役割も遂行できるであろうということで昇格させる方法です。

 いっぽう、入学方式は、現在の仕事が十分出来た場合、上の仕事の一部を担当させて上の仕事を遂行する能力があるか否かを判定して、できると認定したら昇格させる方法です。

 下位等級は現在の仕事が出来れば、次の仕事のレベルも遂行できるであろうとの考え方で、昇格させる“卒業方式”で昇格させてもそれほど問題は無い場合が多いですが、上位等級では、求められる職務・役割レベルがまったく異なってくるため、仕事を実際に与えてみて、遂行できるか否かを十分検討して昇格させる“入学方式”をとるべきです。とくに、一般職から監督職階層への昇格、監督職から管理職階層への昇格は、求められる職務・役割が大きく異なるため、卒業方式での昇格には問題があるということになります。