月別アーカイブ: 2013年3月

《チャレンジ目標》

 人事考課制度を構築・運用する際に、目標管理制度を柱としていますが、この目標については《チャレンジ目標計画書》として落とし込んで頂いております。チャレンジ目標の設定の際には、【できる目標】と【挑戦的な目標】というような言葉で表現をしていますが、これがナカナカ社員の方々に伝わりにくいのです。
 目標管理の意義については改めて説明をする必要もないかと思いますが、私は大きく二つと考えています。
【そのⅠ】
 組織としての方向性(ベクトル)を合わせること。何を頑張ったら良いのかを社員に示すこと。
【そのⅡ】
 ピーターの法則によると、人は目標が無いとエネルギーが出ない。やる気とか、モチベーションのダウンに抵抗する為には目標設定が重要なポイントになる。
 活力あるイキイキとした組織を創造する為の一つの手法としては、目標管理制度の運用は有効だと考えています。

 そこで、【挑戦的な目標】ということにふれていきますが、まず【できる目標】の問題点は、『自分で目標設定時に既に出来ると思っている内容ですから、達成感が薄い』ということです。あるコーチングの会社では、『現実的で、ほどほどで、無難な目標は人をダメにする』と言ってます。私も、初めて聞いた時は衝撃的でした。
 実際の現場では、挑戦的な目標を設定することに対して多少のためらいを感じる社員の方々がいるのも事実ですが、ためらう理由としては、評価が下がることと失敗を恐れていることの二点に集約できると思います。
 評価が下がるという問題に対しては、挑戦度の係数を使用することで解決できると思いますが、失敗を恐れる雰囲気は組織全体で変えていく必要があるでしょう。
 失敗したということは、挑戦したということであって評価されるべきであり、失敗から何を学ぶかといったような建設的な組織カルチャーにしたいものです。

《人に任せる》ということ

 リーダーシップのスタイルを4つの段階に分けて説明をしていますが、まずは4段階のステップの確認からです。

【リーダーシップのスタイル】
① 指示する
② コーチする
③ 支援する
④ 任せる
以上のスタイルを状況に応じて使い分けることになりますが、今日は《任せる》について考えたいと思います。

《任せる》と口で言うのは簡単ですが、一大事業です。
これまで自分がやっていた仕事を、部下に任せることが出来ないでいる新米管理職。
下請け業者に作業をさせても、自分が手直ししないと気がすまない担当者。
嫁に料理をさせても、最後に味付けをやり直さずにはいられない姑。

 これらの人たちは、責任感が強く、心配性です。同時に、自分以外の人の能力を、全く信用していない人とも言えます。

 従って、いつまでたってもやるべきことは減らず、懸案は増え、忙しさとストレスは膨らんでいく・・・ということになります。

『自分がやっても人がやっても、大して結果は変わらない』と、
ある部分ではそれを認めて、思い切りよく手放す訓練をする。一大事業と述べましたが、いったんできるようになると、本当に自分がやるべきことだけに集中できるようになります。組織が永続する為には、人に仕事を任せたり、知識や技術を伝承していくことは極めて大切な事だと思います。
 
 思い切って任せてみませんか!

《ホウ・レン・ソウ》

 『ホウ・レン・ソウ』という言葉は、お聞きになったことがあると思いますが、私は平成8年に人事の仕事をスタートした時に初めて耳にしました。実は、意味が解らず恥ずかしい経験をしたことを覚えています。
 念のために確認をしておきたいと思いますが、仕事の現場で使われる言葉で『報告・連絡・相談』のことです。もうすぐ新入社員が会社にやってきますね!今日は『ホウ・レン・ソウ』について書いてみたいと思います。

 職場における『ホウ・レン・ソウ』の重要さについては改めて説明する必要はないと思いますが、内容は仕事を頼まれたら途中経過や結果を“報告”し、外出先から“連絡”を入れ、困ったことがあれば“相談”することです。
 仕事を任されて、それをキチンとやることはもちろん大切です。ただ、任せる側は、それがどういう状況になっているかをとても心配しています。仕事に慣れていない人に任せた場合にはなおさらです。

 『ホウ・レン・ソウ』は、意味を伝える行為ですが、実はそれを通じて意識の共有も行っています。意識が共有でき、信頼関係が築けるようになると、意味を伝える回数が減っても相手は心配しなくなります。ですから、信頼関係が築けていない間の『ホウ・レン・ソウ』は特に大切なのです。
 弊社で使用している人事考課シートの考課要素『ホウ・レン・ソウ』の内容です。
①上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが出来ず、業務に支障あり。
②上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが不足し時々支障があった。
③上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが行われ、業務がスムーズ。
④上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが適切十分で、業務も円満。
⑤上司同僚部下・関係部署・顧客とのホウレンソウが的確で、業務に貢献した。

 5段階評価です。自己評価してみてください。

《今でしょ!》

 最近のテレビコマーシャルで『今でしょ!』と言ってる予備校の先生が話題になっているようですね。賛否は色々とあるようですが、ちょっと新しいコマーシャルの切り口に感心しています。

 私が、初めてこのコマーシャルを見た時に注目したのは『でも』『しかし』という言葉でした。コーチングでは、『キラーフレーズ』と呼ばれています。自分自身との対話、いわゆる“セルフトーク”では、『でも』『しかし』という接続詞の後には《言い訳》《出来ない理由》等、自分を正当化する言葉が続きます。結果的に消極的な自己イメージがつくられて、行動を回避するということにつながっていきます。

 他人との会話の中でも、『でも』とか『しかし』という言葉を頻繁に使う人がいます。私は、こういう人との会話はどうも苦手です。表現を変えると“疲れてしまいます”。私が話したことをことごとく否定されたような気がしてしまうのです。仮に反対の意見だったとしても、一度受け入れてもらってから、自分の考えを説明してくれると随分と印象が変わると思うのですが、いかがでしょうか?

 『佐藤さんの考え方は理解できます。例えば、このような視点から私は逆に・・・・・と考えるのですが』etc.

 最近、お客様の所で数十名の社員の個別面談を実施しながら、色々と考えておりました。

《人材育成ほめるが大事》

 読売新聞の記事より

 『ぐうたら』は『自分の気持ちに正直』、『オンチ』は『誰にも真似できないアレンジ』。ネガティブな言葉を、ちょっと笑えるポジティブな言葉に置き換えた『ネガポ辞典』をご存じだろうか。
 叱られ、否定されるよりは、ポジティブな言葉で褒められる方がやる気が出るし、言う側も明るい気分になれる。何かとストレスがたまる世の中で、ネガポ変換が人気を集めるのは納得ができる。
 企業の人材育成も“ネガ”より“ポジ”に重点が置かれているようだ。
 外食大手サイゼリヤは昨年三月、相手の長所を褒め合うグループ研修を取り入れた。社員同士がお互いの良さを認め、ささいな行き違いやトラブルを避けるのが狙いだ。実際、アルバイトの離職率などが減るなどの効果が出ている。
 褒めるのにとどまらず、仕事でのミスを表彰するユニークな企業もある。機械部品製造の太陽パーツは、チャレンジ精神を育むため、半年に一度、新しいことに取組んで失敗した社員に『大失敗賞』の賞状と賞金二万円を贈っている。
 米国の著述家、ディール・カーネギーはロングセラー『人を動かす』の中で、人に注意する場合は『まずほめる』のが大事で、その後『遠回しに注意を与える』べきだと説いている。褒めることは、やる気を引き出すだけでなく、相手が指示を受け入れやすくする上で不可欠というわけだ。
 さて、現場の記者が書いてくる原稿をチェック、手直しする我が身はどうか。『褒めるのが大事』と頭では理解しているが、思わずカッとなって原稿の欠点をまくし立てることも少なくない。褒めて育てるのは難しい。つくづくそう思う。

 九月に書き込みましたが、読売新聞の記事で《叱る、ためらう上司・親》もありました。
 

《マネジメントとリーダーシップ》

 少し前の話になりますが、ハーバード・ビジネススクール教授 ジョン・コッタ―が『リーダーシップ論』の著書の中で、リーダーシップとマネジメントの違いについて次のように書いています。
【複雑な環境にうまく対処するのが、マネジメントの役割】
【リーダーシップとは、変革を成し遂げる力量を指す】

 ジョン・コッタ―流に言えば、外部環境の変化を的確に予測し、それに対して手を打っていくことがマネジメント。これは比較的理解できるのですが、一方の『リーダーシップとは、変革を成し遂げる力量を指す』は?私にはナカナカ難しい表現です。
 
 では、大きな変革を成し遂げる為には、どのようなリーダーシップを発揮したら良いのでしょうか!おそらく、惰性的生活に安住している人達に変革が必要であるという論理を示すことで、人々が考え方や行動パターンを変え、リーダーの言う変革に力を貸すようになることと、その変革を何としてでも成し遂げたいという情熱、欲求を持たせるということだと考えます。
 平易な言葉を使えば、“実行力” “行動力” という表現になるのでしょうか!!
 コーチングでは、『快適ゾーンからの脱却』という伝え方をしています。
 
 いずれにしても、しっかり向き合って答えを考えていきたい大きなテーマです。

《セルフイメージ》

 仕事や人生全般で高い成果を出している人たちは何を持っているのでしょうか?
※学歴
※行動力
※国家資格etc.

 確かに有った方が有利なものですが、これで上手くいくとは限りません。私が、色んな方々との出会いの中で気付いたことは【セルフイメージの高い人が、成果を出し幸せな人生を過ごしている】ということです。

 セルフイメージとは、自分に対する期待・自分に対する意見・自分はこんな人間だ・これが自分だ等、人は自分自身のイメージを持っています。セルフイメージの形成プロセスには、セルフトークが大きな影響力を持っているのですが、コーチングではこのセルフトークをコントロールする技術を学習して頂きます。

 このセルフイメージは、私たちの日常の様々な場面で恐ろしいくらい影響していきます。
 例えば、身近なところから言うと、思考パターンや行動パターン、立ち居振る舞いに大きく影響します。さらには、年収、これから就くポジション、出会う人やパートナー、これらすべてに影響していきます。

 セルフイメージは、生れてから何年もの歳月を重ねて形成されてきました。母親からの影響もありますが、基本的には生れてから自分で身につけてきたものです。【後天的に身につけていますから、後から変えていくことが可能な訳です】ポジティブ思考・ネガティブ思考、セルフトークをコントロールすることで理想の自分に変化できるのです。

 マーティン・セリグマン博士が、『世界でひとつだけの幸せ』の本に“楽観的で前向きな人は、幸せで、長生きで、成功する!!”と書いています。