《人材育成ほめるが大事》

 読売新聞の記事より

 『ぐうたら』は『自分の気持ちに正直』、『オンチ』は『誰にも真似できないアレンジ』。ネガティブな言葉を、ちょっと笑えるポジティブな言葉に置き換えた『ネガポ辞典』をご存じだろうか。
 叱られ、否定されるよりは、ポジティブな言葉で褒められる方がやる気が出るし、言う側も明るい気分になれる。何かとストレスがたまる世の中で、ネガポ変換が人気を集めるのは納得ができる。
 企業の人材育成も“ネガ”より“ポジ”に重点が置かれているようだ。
 外食大手サイゼリヤは昨年三月、相手の長所を褒め合うグループ研修を取り入れた。社員同士がお互いの良さを認め、ささいな行き違いやトラブルを避けるのが狙いだ。実際、アルバイトの離職率などが減るなどの効果が出ている。
 褒めるのにとどまらず、仕事でのミスを表彰するユニークな企業もある。機械部品製造の太陽パーツは、チャレンジ精神を育むため、半年に一度、新しいことに取組んで失敗した社員に『大失敗賞』の賞状と賞金二万円を贈っている。
 米国の著述家、ディール・カーネギーはロングセラー『人を動かす』の中で、人に注意する場合は『まずほめる』のが大事で、その後『遠回しに注意を与える』べきだと説いている。褒めることは、やる気を引き出すだけでなく、相手が指示を受け入れやすくする上で不可欠というわけだ。
 さて、現場の記者が書いてくる原稿をチェック、手直しする我が身はどうか。『褒めるのが大事』と頭では理解しているが、思わずカッとなって原稿の欠点をまくし立てることも少なくない。褒めて育てるのは難しい。つくづくそう思う。

 九月に書き込みましたが、読売新聞の記事で《叱る、ためらう上司・親》もありました。