月別アーカイブ: 2012年11月

《五〇セントの教訓》

 『思考は現実する』ナポレオン・ヒル著から

※五〇セントの教訓
 ある日の午後、大農場を経営していた伯父の粉挽き小屋の扉が静かに開き、黒人の小作人の小さな娘が入ってきた。
 伯父はその幼い女の子に目をやり、荒っぽく聞いた。
『何の用だ』と、
 女の子は弱々しい声で答えた。
『ママが五〇セント貰ってくるようにって言ったの』
『あー、ダメ、ダメ。さっさと家に戻るんだ』
『はい』
と彼女は返事をすることはしたが、いっこうにその場を動こうとはしなかった。伯父はそのまま仕事に気をとられていたので、彼女がそこを立ち去らずにいることに気づかなかった。それで再び顔をあげた時、彼女がまだそこに立っているのを知り、思わずどなりつけた。
『家に帰れと言ったのがわからんのか。早く行かないとこらしめるぞ!』
その女の子は、また『はい』と答えた。それでも彼女はそこを動こうとはしなかった。伯父は小麦の袋を床に置くと、そばにあった天秤棒を手に取り、けわしい顔つきで彼女のほうへ近寄っていった。それは、気の短い伯父がその子に今にも襲いかかるのではないかと思わせる勢いであった。
 ところが伯父が彼女に近づく前に、彼女の方が先に一歩踏み出し、そして伯父を見上げて、甲高い声でこう叫んだのである。
『ママはね、どうしても五〇セントがいるの!』
 伯父は立ちすくんで、しばらく彼女の顔を見つめていたが、やがてゆっくり天秤棒を床に置いた。そして何とポケットから五〇セントを取り出して彼女に渡したのである。 
 

《ビジョンへの参加とフィードバック》

 ビジョンは、組織にエネルギーを与え、組織を動員していくためのイメージですし、力強く、統合していく力でもあります。そこで、ビジョン実現にあたって必要な【約束と責任との結びつき】・【フィードバック】ついて書いてみたいと思います。

※約束(コミットメント)と責任の結びつき
 約束とは信頼に基づき行動する決心です。リーダーの仕事は約束を取り付け、約束と行動との間にどれだけのギャップがあるか語り続けることです。また、責任とは次のことを意味しています。それぞれの仕事がうまくいく責任は、一個人の玄関口で終わってしまっています。皆に責任があるということは、実は誰にも責任がないという結果になっているのです。与えられた仕事に対して責任を持つべきものが他人の支援を乞い、委員会を設置し、代理人からも助けを求めるかもしれません。しかし、最終結果に対する責任は、誰にも代わってもらうわけにはいかないものです。

※フィードバック
 策定され、ファイルの中にしまい込まれている戦略行動プランは、チャートに詳細に要点が示され、それらがチームの会合や計画セッションの議論の焦点となっているプランよりもずっと成功の確率が低いといえます。
 どんなに効果的な戦略行動プランでも、つねに『我々は今、目標のどのあたりにいるのだろうか』『どんな調整がなされるべきか』『どんな革新的アイディアが飛び出しているか』という質問に答えていかなければなりません。フィードバックは私たちを正しい軌道に乗せ、プラン策定時には明確でなかった新たな方法を私たちに気づかせてくれます。
 ショートタイムでのフィードバックが大切です。
  

《動機づけをテーマに》

 動機づけに関しては、時々書き込みをしていますが、今日は先日食堂で昼食をとりながら読んでいた週刊誌の記事に、野村監督の【動機づけ】について書いてありましたので、ご案内します。

 まずは、野村流動機づけ
① 恐怖で動かす
② 強制で動かす
③ 理解して動かす
④ 情感で動かす
⑤ 報酬で動かす
⑥ 自主的に動かす
 以上六つの手法が書いてありましたが、コーチングの視点で確認したいと思います。
 
 ①・②の恐怖・強制で動かすというのは、言葉で表現すれば(~~しなければ) (~~すべき)といったような、恐れ・強制・圧力が行動を促します。いわゆる【制限的動機づけ】ですが、この場合“必要最低限”が実現されやすい、といわれてます。
 ⑤の報酬で動かすというのは、“馬の鼻先に人参”といったような、報酬・褒章・表彰等の外部からの刺激による動機づけです。【外発的動機づけ】ですが、この場合、通常同じ成果を得る為には“引き続き刺激を増やしていかなければ”なりません。
 ④の情感で動かす、ということは(誰かの為に)とか(好きな人の為に)といったように、相手の感情にうったえることでしょう。ナポレオン・ヒル博士の本の中に“人は、愛する仕事に関わっているとき、または、愛する人の為に仕事をしているとき、最も効果をあげる”と書いています。
 ③の理解して動かすということは、相手に行動を起こす意味を理解し、納得させるということですが、その為には、丁寧な説明が必要になります。
 最後に⑥自主的に動かすですが、これは【内発的動機づけ】になります。言葉で表現すれば(~~したい)という自己実現動機ですが、(~~しなければならない)と感じる場合とは動機づけにおいて本質的に異なります。自己実現動機には、強いエネルギーを感じます。

 さて、あなたの~~したいこと、好きなことは、何でしょうか!

《強みを生かすということ》

 強みを生かして成果をあげる、等と言われますが、どのようことなのでしょうか!

 ドラッカーは“組織といえども、人それぞれがもっている弱みを克服することは出来ない”と言ってます。とても興味深いことです。
 組織という生き物は、人の集合体ですから各人の強み(長所・得意)を組合わせることは充分可能な事だと思います。これは、逆から見れば『人の弱みを意味のないものにすること』です。とかく、私たちは人の弱み(欠点・短所)に目がいきやすいものですが、人の強みに目を向けることにより【人の弱みを最小限に抑える】のではなく【人の強みを最大限に発揮させる】ように努めなければならない。特にリーダはこのような視点を持つべきです。

 また、強みに焦点を合わせることは成果を要求することです。ここでのポイントは、『何ができないか』を考えるのではなくて、『何を非常によくできるか』に焦点をあてることです。

 もう一つ最後に、上司の強みも生かさなければならないということですが、上司の強みを生かすことは、部下自身が成果をあげるカギなのです。上司の強みが発揮できるような形での提案をし、上司が得意なことを行えるようにすることによってのみ、部下も成果をあげられるようになるのです。上司の弱みを強調したのでは、部下の弱みを強調した時と同じように意欲と成長を妨げることになります。

《コーチングについて》

 コーチングのテーマは『変化』です。
 “人も組織も好むと好まざるにかかわらず永遠の変化が必要である”といった考え方ですが、この変化のプロセスを確認してみたいと思います。

 【ステップⅠ】 戦略アセスメント、戦略ビジョン構築を通して次のことを行う。
 ①現状をつかみ
 ②組織の目標、ビジョンを決め
 ③かかるコストと利益を明確にし
 ④つぶすべき障害を見つけ
 ⑤成果の測定を定義づける

 【ステップⅡ】変化の哲学は、深層心理学に基づく
 ①企業組織は、世の中に開放された機構であるが外からの干渉から逃れ、自らを守る努力をする
 ②意義ある継続的変化は、まず内面より起こり外に現れるものである

 【ステップⅢ】変化に対する教育
 ①望ましい変化とするためのスキル
 ②また、変化が可能であり、しかも望ましいスキル

 【ステップⅣ】アプローチ
 ①変化の必要性に気づかせる
 ②不安のない環境、干渉への抵抗を消えるようなコーチング
 ③個人のリーダー才能を磨き、ファシリテーターに養成する

 目的はファシリテーターを養成し『組織改革の内製化』にあります。

《タイムマネジメント》

 タイムマネジメントは、私たちにとって大きなテーマです。今日は、少しタイムマネジメントについて考えてみたいと思います。

※まずは【80対20の原則】
 この考え方は、ほとんどの組織で【結果の80%は活動の20%から生み出される】、従って必要な活動を決める為には【結果に対して最大のインパクトをもつ】この20%が何かを見極めればよいということになります。
 以上の考え方に基づいて二つの視点からみてみると、第一に、する必要のまったくない仕事、いわゆる、いかなる成果も生まない完全な時間の浪費であるような仕事を見つけて、それを捨てなければいけません。そのような浪費を見つけるには、仕事の棚卸(記録)に出てくる全ての仕事について、『まったくしなかったらば、何が起こるか』を考えればいいのです。『何も起こらない』が答えであるならば、明らかに結論は、その仕事をただちに止めよということになります。
 第二に、『他の人でもやれることは何か』を考えることです。平易な言葉を使えば『他人に任せられる仕事を探す』ことですが、自らが行うべき仕事を任せるのではなくて、まさに自らが行うべき仕事に取り組むために、他の人でも出来ることを任せることは、タイムマネジメントで重要なポイントです。

《成長点の考え方》

 成長点という言葉を辞書で調べると
『植物の根や茎の先端部にあり、とくに細胞分裂のさかんなところ。分裂組織の細胞でできていて、根や茎のもとのほうに向かって、次々に新しい細胞をつくりだしている。根では根冠をかぶり、茎では小さな葉のようなものにつつまれ、保護されている。』とあります。

 これを読んだ時に、組織活動における《人材育成》の有り方を垣間見た気がしました。組織の教育としては、【職種別研修】【階層別研修】【知識・スキルの研修】【コーチング研修】等々各種ありますが、『成長点による視点』からの研修とか育成といった考え方を持っているのだろうか?と、ふと疑問に思いました。

 多くの組織は、階層管理によって運営がなされていると思いますが、最近は等級や階級を示して上を目指させる(上昇志向)というような手法だけでは通用しなくなってきています。そこで、この『成長点』の視点で組織人材の中から『成長点人材』を見つけて栄養分を徹底して与えていく必要性があるのではないでしょうか。

 ポイントは、若い人材の中に発見して【教育】【コミュニケーション】【プレッシャー】といった栄養分を大いに注いであげることことです。

《ポイント式賞与》

 弊社でもポイント式賞与・ポイント式退職金の提案をするようになって、十数年が経過しましたが、未だに賞与の支給基準に悩んでいる会社は意外と多いです。
 老舗繁盛店の社長もそうでした。なまじっか利益が出るものだから、支給額とその配分方法に困っています。特に、個別配分ルールがないものだから、対人比較で検討するということになります。(いわゆる相対評価)
 提案するポイント式賞与を運用するに当たっては二つの条件をクリア―して頂く必要がありますが、一つは人事考課制度による五段階評価の実施です。中には目標管理による目標評価だけで五段階評価を行っている会社もあります。今一つは、等級制度の構築ですが、弊社では7等級制を提案しています。
 人事考課制度と等級制度が完成していよいよポイント式賞与の運用に進んでいくわけですが、まずは【月収比例50%】【成績比例50%】からスタートして段階的に【成績比例100%】に持ち込みます。

 成績別配点表(例)をご案内します。

等級 代表職位   S  A  B  C  D
7  部 長   700 500 400 320 250
6  課 長   500 400 320 250 200
5  係 長   400 320 250 200 160
4  主 任   320 250 200 160 125
3  指導職   250 200 160 125 100
2  担当職   200 160 125 100 80
1  担当職   160 125 100 80 65

※ 賞与配分式
  各人の賞与額=(月収比例分+成績比例分)×出勤率
※ 成績比例分の計算方法
  1点単価=(賞与総額-月収比例分総額)÷Σ(等級別成績別人員×成績別配点数)

《賞与の予算》

 たまに、『賞与の支給基準がなくて困っているんですが』といった相談を受けることがあります。このような時には、《利益三分法》の考え方をご紹介します。ご存知の方々も多いと思いますが、確認をしておきましょう。

 仮に、利益が一億円計上されたら、①社員 ②会社 ③株主で 3,333万円ずつ三等分しましょう!という考え方ですね。分かりやすいし、納得感も高いと思います。ただ、お気づきになった方もいるように日本では利益に対して“税金”が徴収されます。仮に40%を税金で支払うことになると、税引後利益は6,000万円。これを三等分すると、それぞれ2,000万円(一億円に対して20%)ということになります。

 以上のように、計上された利益(結果)を分配するという考え方も宜しいとは思いますが、総額人件費管理、目標管理の立場からいけば、賞与を3,000万円支払うことを前提に、売上目標や粗利目標を設定し【達成に向けて全力投球する】ことが常道であると考えます。

《スピードについて》

 最近知った《スピード》についての捉え方について短い内容ですけど、深い中身に関して書きます。

 ※ニュートンの運動の第二法則より
 私は、文系なので理系の公式などは不得手なのですが、この公式の意味することはとても良く理解することが出来ました。
 F=mα この公式の意味するところは、F(力)は、m(質量)とα(加速度)すなわち『スピード』で決まるということ。
 小さな組織が(質量が小さい)大きな組織(質量が大きい)に勝つには『スピード』しかない。
 “小よく大を制す”ことも十分に可能だからこそ、面白い。
 
 昨日の日曜日は、地域の公民館祭りが実施され、世話役を引き受けている関係で朝から準備をして色んなイベントを楽しみました。イベントの一つにチビッ子相撲があり、幼稚園児から小学生までが参加され奮闘しておりました。取組の中に身体の大きな子供さんと少々劣る子供さんの対決が有ったのですが、予想に反して身体の小さな子供さんが勝利する場面がありました。そこには、『すばしっこさ』があったような気がします。

 こんなこともよく言われますね。『スピードの速い飛行機ほど安定度が高い』