《ブルーオーシャン戦略》

 みなさんは、タイトルの“ブルーオーシャン戦略”という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?チャン・キムとレネ・モボル二ュが十数年前に本にして紹介しました。その本の中では、血みどろの競争が展開するレッドオーシャンに別れを告げ、競争がなく新規需要に満ちた、高成長と高収益につながる市場、すなわち、ブルーオーシャンへと漕ぎ出す方法が紹介されています。

 私が興味深く感じたのは【戦略キャンパス】の描き方です。本書では、アメリカでのワインの販売戦略を例にしていますが、少しご案内してみます。

 従来、アメリカでのワインの位置づけは、高価格の“高級ワイン”と、低価格の“デイリーワイン”が主流で市場を占めていました。そこで、カセラ・ワインズというメーカーが“イエローテイル”というブランドのワインを売り出す際に《戦略キャンパス》によってブルーオーシャンを切り開くことになります。従来のアメリカワインの競争要因は、次の6つになります。➊ワイン造りの極意・謳い文句 ➋マスマーケティング ➌ヴィンテージ ➍伝統・格式 ➎香り・味わい ➏品種 このような6つの要因に対して、高級ワインは全体的に高いポイントで逆にディリーワインは全体的に低いポイントになっています。

 そのようなワイン市場に、イエローテイルは価格要因はデイリーワインより少し高めの設定とし、他の5つの要因すべてにおいてデイリーワインより低い設定としました。そして、イエローテイルは、次の3つの要因を新たに設定し高いポイントになるようにしました。➊飲みやすさ ➋選びやすさ ➌楽しさ・意外性 その結果として高級ワインとディリーワインとの差別化により【ブルーオーシャン市場】が、新たに生まれたのです。

 今日は、戦略キャンパスの考え方について書いてみました。