《資格と評価》

スキルとは、仕事に活用できる具体的な技術やノウハウです。たんなる知識や資格とは違いますし、職務や役職ではもちろんありません。具体的に「○○を△△にできる」という文章であらわされるのがスキルです。具体的な事例で見ていきましょう。次の例ではAとBの2つのうち、どちらがスキルでしょうか。

A 簿記2級を持っている
B 決算資料を作成できる

Bがスキルですね。採用面談などで、ともすれば「簿記2級を持っています」と話してしまいがちですが、これはたんに資格を持っているに過ぎません。資格は知識や技能のレベルをあらわす一つの指標ではありますが、実際にその知識や技能を使って何ができるのかが重要です。そのため、決算資料を作成できるといった具合に、売上を上げたりプロジェクトを運営したりするために、具体的にそれをどう役立てることができるのか、説明できなければ、アピール力を持たないのです。
もう一つ見てみましょう。

A 人事を担当している
B 能力給制度導入のための分析調査ができる

これもスキルはBです。人事を担当しているというのは、会社での役割をあらわしているに過ぎません。能力給制度導入のための分析調査ができるということであれば、その経験を買われて、即戦力として高い報酬で雇ってもらえるかもしれません。