月別アーカイブ: 2015年10月

《大人の発達障害》

 最近、耳にするようになった“アスペルガ―症候群”
 読売新聞で特集記事にしていましたのでご案内します。

≪30代になって病気と診断≫
 昭和大烏山病院に勤める堀越さん(40)は、幼いころから一人で遊ぶのが好きで、パズルやブロックに夢中になっていた。世間話ができず、聞くだけでも苦痛に感じることがある。サラリーマンは不向きと自覚し、研究者を目指していた。
 東京大学で物理学を専攻して大学院修士課程に進んだが、修士2年になった春に『君は研究者に向いていない。就職活動をしたほうがよい』と、指導教官に告げられ、以来自宅に引きこもるようになった。
 心配した教官の勧めで病院を受診。うつ病と診断され、抗うつ治療を始めたが意欲がわかず大学院を中退した。
 その後は、深夜から朝までインターネット漬けか、趣味のピアノに没頭した。
 30代の半ば頃に、インターネットで知った発達障害が、自分の症状と共通しているように思えた。
 堀越さんは2008年に昭和大烏山病院でアスペルガ―症候群と診断される。
 アスペルガ―症候群は、脳機能の偏りから引き起こされる『発達障害』の一つで、人との交流や意思疎通などに困難を抱える。子どもの頃に発病するが、見過ごされることも多い。
 堀越さんの主治医で、同病院の院長 岩波明さんは『大人になり発達障害と分かっても諦めず、適切な治療を受け、他人にどう対処していくかを学べば、社会復帰の道につながる』と強調する。

 ある資料によると、100人に0.5人の割合で存在するといわれています。これから始まる“ストレスチェック”とあわせて対応していかなければならない課題です。

《過剰サービス》

 最近、とある福祉法人で研修を実施した際に参加していた職員の方がひとつのデータを示してくれました。

 そのデータというのは“ディサービスでの利用者の入浴時間を調査”したものでした。そもそも“入浴時間を調査”してみようという動機は、日常業務の多忙さからだったのですが、従前は“人手が足りない” “時間が無い” “スキル不足”といった『言い訳』に終始して【じゃあ、どうしたら良いか】といった対策まで進んでいなかったのです。ところが、最近では色んな改善目標が具体的な行動計画として出でくるようになり私としては嬉しく感じています。

 データを拝見すると、利用者一人ひとりの入浴時間が二ヶ月間調査されており、1回当たりの入浴時間から平均入浴時間までが一覧できるようになっていました。素人の私が見ても分かる優れた表でした。その結果≪可視化≫出来たことは、Aさんは平均20分・Bさんは平均55分・Cさんは平均30分というように、今まではただなんとなく感覚的に感じていたことが、ハッキリデータとして確認できたということです。

 別の視点から見てみれば、個別ニーズの把握と個別対応が大切と福祉の業界内で叫ばれて久しいのですが、上記のケースにもあるように私の率直な感じとして、今介護サービスが《過剰サービス》に陥っているのではないのか!ということなのです。一般企業のように、時間の長い利用者については料金が高くなるようなシステムであれば納得もしますが、介護保険制度の中では基本的に一定額です。

 人・時・生産性という視点からも、介護サービスのあり様について考えてみる時期かもしれませんね。

《信玄流人間洞察Ⅱ》

 前回は武田信玄流の人間分析について書きましたが、引き続き対応策について紹介したいと思います。

※人の話をうわの空で聞いている者
 そのまま放っておけば、良い部下も持てないし、また意見する者も出ない。一生懸命に尽くしてもそれに応えてくれないし、また意見をしても身にしみて聞かない。従ってこういう者に対しては、面と向かって直言するような者を脇につけることが必要だ。そうすれば、本人も自分の欠点に気づき、みずから改め、ひとかどの武士に育つはずだ。
※うつむいて人の話を身にしみて聞く者
 そのまま放っておいても立派な武士に育つ。
※うなずいたり、ニコニコしながら話を聞く者
 将来外交の仕事に向いている。調略の責務を与えれば、必ず成功するに違いない。ただ、仕事に成功するとすぐにいい気になる欠点がある。すると、権威高くなって、人に憎まれる可能性があるのでこのへんは注意が必要だ。
※途中で席を立つ者
 臆病か、あるいは心にやましいところがあるものだから、育てる者はその者が素直に、欠点をみずから告白して、気が楽になるようにしてやらなければならない。こういう者に対しては、責めるより温かく包んでやることが必要だ。

 長所に目を向けて、人を活かそうとしている姿勢が受け取れます。

 

《信玄流人間洞察》

 武田信玄の“人間の性格を知る方法”として、こんなエピソードがあります。

 信玄は、よく子供や若者を集めて合戦の話をするのが好きだった。それが耳学問として、やがて実際に合戦場に出たとき役立つと思うからである。いってみれば、実戦の前の理論講義のようなものだ。

 『合戦の話をするときに、四人の若者が聞いていたとする。聞き方がそれぞれ違う。一人は、口をあけたまま話し手である私をジッと見つめている。二番目は、私と目を合わせることなく、ややうつむいて耳だけを立てている。三番目は、話し手である私の顔を見ながら、時々うなずいたりニッコリ笑ったりする。四番目は、話の途中で席を立ちどこかに行ってしまう』

 こういうように相手の反応を見る信玄は、これらの聞き方によって次のように分析する。
※口をポカンとあけて私を見ている者
 話の内容がまったくわかっててない。注意散漫で、こういう人間は一人立ちできない。
※うつむいてジッと耳を立てている者
 視線を合わせることなく話しだけに集中しようと努力している証拠だ。今の武田家で活躍している連中のほとんどが、若い時にこのような話の聞き方をしたものだ。
※時々うなずいたりニコニコ笑ったりする者
 これは話の内容を受け止めるよりも、その社交性を誇示するほうに力が注がれている。従って、話の本質を完全にとらえる事ができない。
※話の途中で席を立ってしまう者
 臆病者か、あるいは自分に思い当たるところがあってそこをグサリと刺されたので、いたたまれなくなった証拠だ。

 武田信玄流の鋭い人間洞察力です。

《目標管理制度の運用》

 10月に入りましたね。3月決算の組織では、下期がスタートします。今日は【目標管理】について確認をしてみます。

 目標管理の5つのステップ
※目標の明確化
※現状認識
※焦点の絞込み
※具体策の検討
※具体的行動

 以上のように各段階に基づきながら策定をしていきますが、まずは・・・!

 目標を明確にするということですが、研修では“目標が達成した状況をイメージして下さい”と話をします。臨場感を高めて目標が達成している状況をアリアリとイメージすることが重要です・・・と。稲盛和夫さんは、イメージがカラーになった時に目標が実現する、と言ってますね。
 
 次に現状認識です。目標と現状のギャップをハッキリさせて、目標の世界と現実の世界を行ったり来たりしながら、今どこにいるのか?を常に確認をすることになります。

 焦点の絞込みとは、目標と現実とのギャップ上にある【問題・障害物】を抽出し対策の優先順位を設定することです。一度にあれもこれもは出来ないので、何から着手するのかをまず決めます。

 最後に、抽出された問題・障害物に対して、打ち手(対策)を具体的なアクションプランとして実行計画書にまとめます。

 目標管理運用でのポイントは、目標の達成イメージと具体的な行動です。スタートしたら定期的に具体的行動を評価して下さい。

 

《出来ることから始めましょう》

 南米アンデスには、古来より伝わる『ハチドリのひとしずく』という物語があります。森に火災が広がってしまった時、ハチドリは、口ばしで水を運び、たった一羽で火を消そうとしました。

 他の動物たちは、われ先に逃げ出し『そんなことして何になるんだ』と笑いましたが、ハチドリはこう答えました。『私は、私にできることをしているの』

 ハチドリは、世界で最も小さな種類の鳥です。しかし、もしハチドリが数百万、数千万羽と集まったら、山火事を消すことができるかもしれません。

 職場に山積する、一人ではどうすることもできない大きく複雑な問題も、小さな一歩から解決につながります。

 『自分には関係ない』『自分の力ではどうすることもできない』と目を背けずに、『自分にできることは何か』を考えて行動を始める。そこには必ず応援者が集まり、大きな力を与えてくれるはずです。

 まず、あなたが最初の一羽になりましょう。

 職場の教養より