月別アーカイブ: 2013年10月

《経営セミナー》

 “セミナーをやってみよう”と思い立って早いもので十数年になりました。私自身の勉強と情報提供を目的として年に数回の開催を目標に実施してきましたが、七十数回を数えるまでになりました。

 先週は山形市・仙台市でそれぞれ開催をしました。お忙しい中ご参加頂いた方々に心より感謝申し上げます。
 さて、今回のセミナーは“経営戦略”をテーマに取り上げてみましたが、“戦略” “戦術” “戦闘”という表現もあるように“経営戦略”というと戦いをイメージしてしまうのは私だけでしょうか!戦いですから、如何にして敵に勝つかが重要なテーマになります。第二次世界大戦の日本軍の組織活動を分析した『失敗の本質』という本では、日本軍が負けた多くのことを教えてくれています。

①まったく勝ち目のない戦況を精神力で勝とうとする
②日本軍の暗号は全て解読され情報が筒抜けの状態
③大本営への現場からのフィードバックが存在しなかった
④グランドデザインの欠如
⑤トップからの適時・的確な指示がなかった 等など

 企業経営も競争社会の中で生き抜いていくといった視点に立てば、戦争のようなものかもしれません。“戦略” “戦術” “戦闘”を『経営方針』『経営計画』『現場活動』というように現代風に示せば理解がはやいでしょう。
 
 もし企業・組織に『経営方針』『経営計画』『行動指針』が明文化されていないようでしたら、検討してみるチャンスかもしれません。

 

《パラダイムチェンジ》

 パラダイムとは、枠組み・固定観念・思い込みとかの日本語訳になるかと思いますが、経営戦略を立案する際にこの《パラダイム》が障害になる場合があります。戦略立案で大切な事は、如何にして柔軟な思考になれるかです。(過去の成功体験・やり方・習慣・態度等をリセットする)

 レニンを発見した村上和雄先生の著書に次のような記載があります。

 何か新しい研究に取り組む時に、『よけいな事を知らない』ことが意外に重要なのです。たしかに科学者にとって情報や知識は有力な武器です。しかし、この武器がときとしてマイナスに働くことがあります。よく勉強してなんでも知っている人ほど、新しい試みに消極的になりやすい傾向があるからです。
 レニンの研究を始めようとしたとき、『やめたほうがいい』と忠告してくれる人がいましたが、なにか新しい研究に取り組もうという時に反対するのは、決まって知識豊富な人です。知識がある人ほど批評家的にものごとを否定的な視点から見ていきがちです。
 その道のプロはえてして保守的で、かたくなに従来の方法にこだわり、それを踏襲します。そして、『いまどきの若いやつらは・・・・』などと、新しいやり方を認めようとはしません。それでも、一定の仕事は継続できるでしょうが、そこから大きな飛躍はとうてい望めないでしょう。
 それに対し、未経験者はなにごとにも思いきって取り組むことができます。なにも知らない人は、怖いもの知らずの危険もありますが、大きな成功というものは、しばしばそういうかたちでなされるものです。

 頭の中にある、輪っかをハズスことの大切さを語っていますね!

《六つの質問》

 研修で使用する『六つの質問』をご案内します。

① あなたの担当業務の職務内容について重要度の高い順に五つ列挙して下さい。

② 他の事業者(競合)に比べ優れている点・劣っている点は何ですか。

③ あなたの現在の業務目標で優先度の高い順に列挙して下さい。

④ 担当分野においてあなたが責任を果たす上で障害となっている問題とその原因は何ですか。
 
⑤ 最近お客様によく指摘されるクレームや苦情・ご要望にはどんなものがありますか。

⑥ 今後三年間に変化するであろうこと、またあなた自身で変更しようと考えていることは何でしょうか。

 一つの質問に対して、10分程度の時間をかけながら進めていきますが、重要度・優先度といった言葉の意味がグループ内で共有されていないといったような事が時々起きます。チーム内で今何が重要で優先度が高いのか確認する良い機会になるようです。

《成長戦略の二つのポイント》

 成長戦略に必要なポイントの一つは、どうしても成長(変化)が必要であるという強いメッセージです。つまり会社が生き残り成長・発展していくためには成長戦略が必要不可欠であるというを組織・従業員全体に伝えるということになります。
 
 これはきわめて重要な作業で、もし成長(変化)の必要性を心から納得していない従業員がいるようだと、その人は変化に耐えることができないばかりか、その邪魔をすることにもあり得ます。
 
 もう一つのポイントは、どのような会社にならなければいけないのかということであって、従業員が目指すべき目標の設定とそれをハッキリさせる為に経営者が成長戦略の目的を明確にすることが必要になります。
 
 具体的には“何故、成長戦略を計画しなければならないのか”という問に答えを出していくこと。
 ビジョンの設定“プロセス目標・結果目標”を明確にすること。

 成長戦略を推進していくためには、ビジョンの設定は最初の一歩を踏み出す時、会社がどこに向かっているのか、何になるのか、現在の会社の何が変わるのかを示すことができる重要なイメージです。ビジョンが磁石の働きをして引きつけてくれることを期待して磁力の強いビジョンを創造しましょう。
 
 フェデラル・エクスプレスが創業時に提示したビジョンです。
 『我々は翌朝の10時30分までに荷物を配達する』    
 シンプルで分かり易いビジョンですね!

《 新米 》

 ダスキンさんの情報誌に載っていた記事に、思わずニッコリしました。ご案内します。

 ご飯のおいしい季節ですね。ご飯といえば、炊飯器。最近は種類も豊富で、電気店に行くとご飯がおいしく炊ける賢いお釜がズラリと並んでいますね。
 『我が家のお釜も賢いんです』喋るんです。夜お米を洗ってタイマーをセットすると『予約カ承りました。明日午前七時に炊きあがります。おやすみなさい』っていうんです。これが愛おしくて。私もお釜に『おやすみなさい』って声かけて寝るんです。
 朝は朝でピーっと鳴って『炊きあがりました。おはようございます』って元気いっぱい。
 ある日のこと、内釜を洗おうと思って取り出すと『内釜がありません。内釜がありません!』ってお釜が大騒ぎ。私は驚いて内釜を元に戻して『ここにあるから、大丈夫やで』となだめたら、ピタッと止まりますねん。ほんま、賢いわ。
 『ご意見があればどうぞ』とハガキが入っていたので、書かせて頂きました。『喋るお釜に感動しました。できればあとボタン3つお願いします。①押したら、コーヒーでも飲みませんか! ②押したら、この頃キレイになったね! ③押したら、食事に行きませんか!っていうボタン』そんなん言うてくれたらどこでも行くデー!!
 
 機械の進歩にただただ驚かされます。
  

《言い訳》

 今日は“職場の教養”から『言い訳に潜むもの』をご案内します。

 『言い訳』とは、『身の潔白を証明するために、立場を述べて説明すること。過失や罪を詫びること。弁解』などの意味です。
 
 一般的に『言い訳』は、要領よく取り繕おうとする印象を関係者や周囲に与え、見苦しいものであるとされます。だからこそ、部下や後輩の報告・連絡・相談に言い訳が含まれると、全体を否定してしまいがちな傾向が見られるでしょう。
 
 実は『言い訳』には、失敗の原因や解決への糸口などが含まれているケースがよくあります。なぜなら『言い訳』をするときは、自分を客観的に見つめた上で、『なぜ失敗したのか。なぜ事がうまく運ばなかったか』ということに、すでに本人が気づいている場合が少なくないからです。
 
 さらには、その『言い訳』という言葉の奥には、反省と共に同じ失敗をしないための対策など、前向きな姿勢が潜んでいることもあるのではないでしょうか。
 
 『言い訳』を含む失敗の報告は、決して耳に心地よいものではありません。しかし、まずは、その報告に対し静かに耳を傾ける余裕を持ちたいものです。

《最近の人手不足》

 今週は、宮城県・岩手県と出張しています。復興地域ですが、昨日は午前中少し時間があったので地元のハローワークに寄って“求人情報”を頂いてきました。仮設のハローワークでしたが、なんだか活気がありましたね。

 興味があったのは、医療・福祉の求人情報だったのですが、“介護職” “看護職” “ケアマネ” 等の求人が病院・特養ホーム・老人保健施設からたくさん出ていました。特に“看護職”の求人が多かったです。私は、東北を地盤にして活動をしていますが、ほぼ全域で医療・福祉での人材不足の状態を実感しています。人材不足の原因はとして、一つは“職員の離職”といま一つは“施設の増加”にあると考えています。それぞれの施設に待機者が行列をしている状況の中で、“小規模特養の新設” “サービス付き高齢者住宅の建設”のようなスタイルで対応がなされています。当然介護職員・看護師が必要になりますが、追いつかない状況なのだと思います。2025年まで高齢者の増加が予測されています。平均寿命が延びればも少し先まで増え続けるのでしょう。一言で表現すれば、需要と供給の関係なのだと思います。

 もう一つの原因になっている“職員の離職”ですが、3年以内離職率30%は少し高いように感じます。年間数%程度の離職率は組織の新陳代謝に必要だと考えていますが、現状は高すぎます。毎年複数のお客様の職員と個別面談していますが、若い職員・最近入社職員の意気込みや熱意には、“やる気”を感じるのですが、2年・3年経過する中で無力感を体験し離職するのでしょうか?何とかしたいですね!!

 対策として、“全員正職員化” と “ファシリテーターの養成”を提案しています。
 

《目標管理制度》

 目標管理制度の提案・運用指導を行うようになって十数年になりました。指導をうけた先生の言葉で印象に強く残っているものが二つあります。
※一つは『戦略と成果にはタイムラグがある』ということ。“今、結果が出ている、出ていない、ということは今が悪いわけではない。過去に打った手が効いている、効いていない、ということだ。”
※二つ目は『結果の前にプロセスがある、プロセスの質を上げないと良い結果は望めない』ということ。
 以来、常に頭の中に二つの考え方があり、指導・運用の際も口にしています。

 野村監督も『プロセス重視』と言っています。
 プロ野球は結果がすべて。勝てば官軍の世界といっていい。つねに結果を求められるし、それで評価が決まる。指揮官はなにより結果がほしい。そのため、選手を褒めておだてあげたり、他球団から強打者や好投手を集めたりして、手っ取り早く勝とうと考える。
 しかし、結果の裏側にあるものは何だろうか。
『プロセス、過程』にほかならない。結果を出す為には、どのようなプロセスを歩むかということが重要になると信じているし、正しいプロセスを踏んでこそ、その組織はほんとうの意味で強い組織となる。

 まったく共感します。

《野村監督流コーチング》

 先週は、楽天のリーグ優勝で盛り上がっていましたが、テレビ番組に野村監督が頻繁に出演されていました。少し興味がわいたので数年前に書かれた野村監督の本を読んでみました。

【本書のテーマ】
※『失敗』と書いて『せいちょう』と読む
※目標を自ら考えさせる
※欲から入って欲から離れる
※人は・無視・賞賛・非難の段階で試される
※満足⇒妥協⇒限定は再生の最大の敵
※再生の極意は『気づき』にあり
※絶対に結果論で叱らない

【スタートは意識改革】
心が変われば態度が変わる
態度が変われば行動が変わる
行動が変われば習慣が変わる
習慣が変われば人格が変わる
人格が変われば運命が変わる
運命が変われば人生が変わる

“野村再生工場” 野村克也より