《メンタルヘルス》を考える

 メンタルヘルスに関する記事が紙面を賑わせるようになって大分なりますが、今日は『メンタルヘルスのチェックポイント』をご案内したいと思います。

 【チェックポイント】
※慢性的な長時間残業(月80時間以上)が続いている。
※勤務シフトが昼夜逆転しているなど、体調管理が難しい。
※作業環境が高温多湿・酷寒など劣悪である。
※重たい荷物を運ぶ作業や力仕事など、慢性的な重労働が続き、身体への負担が大きい。
※ハラスメントを繰返す社員がいたり、いじめが頻発している。
※トラブルメーカーの社員に振り回されていたり、人の入れ替えがはげしい。
※本人の適性を無視した配置転換が常態化している。
※リストラ・組織変更などが頻繁に繰り返されている。
※性別によって処遇が異なるなど不公平な処遇が常態化している。
※常に実現不可能なノルマが課されている。
※評価制度が機能しておらず、組織の方向性も不明瞭である。
※業務の裁量の幅が狭く、発展性がない。
※本人の意向を無視した転勤、出向、解雇などが繰り返されている。
※顧客等から無茶な要求やクレーム、罵声や叱責を受ける機会が多い。
※違法行為を強要されることがある。
※人の命にかかわる仕事など、常に大きな緊張感にさらされている。
※一歩間違えば大きな事故につながるなど仕事の責任が非常に重い。
※常に締め切りに追われ、余裕がない状態が続いている。
※慢性的に忙しく、有給休暇がまったく取得できない状況である。

 名古屋市のホームページから抜粋しました。
 以上のような要因を少しでも減らすことが、ヘルス不調を防ぐ組織対策につながっていくものと思います。

《人生相談の記事より》

 人生相談の記事に次のようなものがありました。

 【大学合格後、やる気が出ない】 千葉県 J子
 この春大学に入学した女子です。昨年秋に指定校推薦で大学合格が決まってから、勉強に対するやる気や集中力がなくなってしまいました。
 合格するまでは目標に向かってこつこつと勉強を続けてきたのに、合格後は糸がプツンと切れたようにやる気を失い、だらける癖がついてしまいました。その後、卒業するまでは部活動もないし、友達は一般受験だったので、一緒に遊ぶこともできませんでした。
 入学したのは、医療系の資格を目指す大学です。資格取得に向かって勉強しなくてはと思っているのですが、なかなか行動に移せません。
 今の私には、毎日勉強する以外に予定がなく、生活にメリハリがないのが、やる気の出ない原因だと思います。でも、こうゆう時にどうやって気分転換をすれば、また効率よく勉強勉強できるようになるのか、よくわかりません。夜もいろいろ考えてしまって良く眠れず、自分が嫌になります。

 この相談に対する回答もあるのですが、今回は以前新聞に投稿のあった記事から御案内します。

【五月病防止】
 私が就職した時、新人担当の先輩から、『三ヶ月ごとに仕事の目標を立ててみて』とアドバイスされました。証券会社の営業担当だった私は、自分が扱う商品の知識を七月まで習得することを最初の目標にしました。
 ポイントは達成できそうな目標を選ぶこと。肩ひじ張らずに取り組めば、【五月病】にもなりません。その後も先輩のセールストークを自分のものにする、お客さんの顔を覚える、などを目標にしました。
 自然と会社にも慣れ、気づいたら自分が新人を迎える時期になっていました。

 二つの新聞の投稿を起債してみましたが、【目標を持つことの大切さ】が良く理解できます。

《大往生したけりゃ医療とかかわるな》

 最近、『大往生したけりゃ医療とかかわるな』中村仁一著 という本を読みました。新聞の広告欄をみて購入したのですが、なかなか興味深いことが書いてあり一気に読み終わりました。

 著者である中村仁一さんは、財団法人高尾病院病院長・理事長を経て、現在は特別養護老人ホーム同和園の勤務医をされています。私も、医療・福祉法人のお客様の研修等を実施していますので、『うなずく』場面が多々ありました。
 例えば・・・・  死に際の苦しみには医療による【虐待】ばかりではありません。介護による【拷問】もあるのです。それも、良い看取りを行っていると自負のある介護施設で起こりがちなのです。
 医療・福祉の鉄則 《死にゆく自然の過程を邪魔しない》 《死にゆく人間に無用の苦痛を与えてはならない》ということです。
 例を挙げれば、死が迫ってきて食欲の落ちてきたお爺さんに、家族はカロリーの高いものを食べさせようと努力します。しかし、少量でカロリーの高い食べものの、口あたりはどうなのでしょうか。また、少量で高カロリーの食べものといえば、脂肪の含有量が多く、油っこいのではないでしょうか。無理やりに死にかけの病人の口の中に押し込むのは、どうなのでしょう。介護職員にピタリと横にはりつかれて、次から次へと口の中に放り込まれます。少しでもカロリーの高いものを食べてもらおうという優しい心遣いが裏目に出て、ひどい苦しみを与えることになるのです。
 死に際には、飲み込む力も弱ってきます。しかし、心やさしい介護職員は一口でも一匙でもと使命感に燃えて涙ぐましい努力をします。その結果、のど元にものが溜まってゴロゴロと音がして苦しみます。そうすると、鼻から管を入れて、それを吸い取る『吸引』という荒技を施さなければいけません。これば、死にゆく人間を二重に苦しめることになっているのですが、職員にはあまりその感覚はないようです。

 昨年末、『胃瘻』(お腹に穴を開けて、そこからチューブを通じて水分・栄養を補給する)処置に関しての国の考え方が記事になっていましたね。『生きること』 『生かされること』について考えさせられます。
 
 
 

《マインドマップ》

 私は、マインドマップの手法を数年前に【トニープザン】の本を読んで知りました。最近、新聞に『マインドマップ』についての投稿がありました。色々な使い方があるな!と思いましたので、御紹介してみます。

 七〇歳代後半から『マインドマップ』を書き始めて3年になる。マインドマップとは、ものごとの関連づけや発想の広がりを、イラストや文字で視覚的に表現するもので、教育現場でも活用する動きがあるようだ。
 例えば私の場合、チラシの裏の真ん中に四角を書いて、中に『外出時の持ち物』と書いてみる。そして四角から樹形図のように何本か枝を出す。枝に【老眼鏡】【補聴器】などと文字や絵をかく。【補聴器】からさらに一本、枝を出して【電池】と書き入れる。この紙を壁に貼っておくと忘れ物予防にもなる。
 『今日のスケジュール』『私の夢』『趣味』などテーマは何でもいい。人に見せるわけではないし、自分の心を飾らず素直に紙に書けばいいのだ。それだけで、心が楽になってストレス解消にもなる。
 あれもこれもと頭の中がパンクしそうになったらマインドマップ。私にとって手軽な心の整理法である。  横浜市 田中郁子様投稿
 
 私が『マインドマップ』を使用する場面は、セミナーです。2時間程度の講義の内容・順番・ポイント等をマインドマップにまとめてから臨むことが多いです。目で全体が一覧できるので進捗状況・次の話す内容等が把握できてとても便利です。ノートとかメモをマインドマップ形式でまとめている方もいらしゃいますね!色々な可能性に挑戦してみてはいかがでしょうか。

《震災から一年が経過しました》

 先週は、ずっと研修を実施しておりました。終わってから本を少し読んでいたのですが、【小澤征爾さんと音楽について話をする】村上春樹著です。
 たまたま対談の中で小澤征爾さんが、自分が日本で音響が一番良いと思っているコンサートホールについて語っている場面があります。そのホールというのが、『墨田トリフォニ―ホール』だったのです。最近コンサートに出かけることもなくなったせいもあり、ちょっと興味があったので『墨田トリフォ二―』をネットで調べたりして帰宅しました。【墨田トリフォニ―を私は知りませんでした】
 帰宅後テレビを見ていたら、3・11の特集だったのです。そして、その特番が三月11日の『墨田トリフォニ―』でのコンサートの様子だったんですね。新日本フィルのコンサートで『マーラーの5番』でした。チケットは、1800枚完売で当日ホールに来た観客は105名。震災にあってからコンサートを開催するという決断をし、コンサートが開始してから終了するまでのドキュメンタリーでした。
 演奏は、言葉で表現するには難しいのですが、とても素晴らしく感じました。観客のインタビュー等もあったり、妙なシンクロがあったりと色んな事を考え、感じた番組でした。
 たまには、クラシックのコンサートもいいかな!と思った1日でした。
 先日、気仙沼のお客様に出かけてきたのですが、まだ駅前に大きな船がそのままになっていました。早急な復興が望まれます。なんとかならないものでしょうか!

《教育産業とは》

 数年前になるでしょうか!賃金総研グループの勉強会で講師の方が『飲食業は教育産業なんです』とおしゃられたのですが、私は『教育産業』ということの意味がよく分かりませんでした。後で、【調理する人で美味しくなったり、まずくなったり】【接客する人によって喜ばれたり、不満をもたれたり】と『人』によって商品のクオリティーや価値にブレが生じてしまうことを指しているのだな!ということを理解しました。
 
 興味深いことは、労働集約的な『飲食業』『介護の現場』『医療の現場』等では、その組織の『人の差』が店・施設・会社の差に直接つながるとということです。【人が伸びれば組織が伸び】【人が成長すれば組織も成長する】いわば、『人の力』が成功と失敗を決定するのです。
 
 【人を伸ばす】【人を成長させる】【人を育てる】ということに本気で取り組む必要が有るかと思いますが、まずは弊社が提案をしていることは《スキルマトリックスシート》を使用しての自己評価、上司評価を定期的に実施することです。通常人事考課は年に二回行っているところが多いと思いますが、毎月評価を実施します。半年分の評価結果を人事考課にも使用しますが、目的は毎月チェックをすることで確実に自分のものとして身につけて頂くことです。

 再度確認をするならば、人事考課制度の目的は《我が組織の望む人材を育成すること》に有るわけですから、『査定』とか『選別』とか『差をつける』といったような誤った方向へ向かわないことを切に希望しています。

《新年度の目標設定にあたって》

 この時期は、四月の新年度を目前にして《四月からの目標設定》の研修等が入ります。目標設定を考えるにあたってよく使用する手法の一つに《SWОT分析》があります。10年以上使い続けている手法になりますが、私にはわかり易くてお客様にもお勧めしながら研修を実施しております。

 概要は、自社のあるいは自部門又はチームの課題とか問題点を探すことからスタートします。次は、見つかった課題や問題点にどんな手を打つのか?打ち手を考えます。ここから各人にブレイクダウンして目標管理としてスタートを切ることになりますね。
 SWОT分析では、まず我社の強み・弱みといった内部能力の分析から考えていきます。これが簡単そうでナカナカ出てこなかったり、弱みばっかりが出たりします。ここで注意しなければいけないのは、自分が強み・弱みと考えていることは主観的なものですから、どこかと比較してみるという作業が必要だということです。所謂【相対評価】ベンチマーキングの手法です。自分が強みと考えていることは、他者のデータ等と比較して本当に優位に立っているのかの確認です。逆に弱みと思っているものも、他者に比較して本当に劣っているのかという視点も必要になります。出来れば、強みをたくさん発見したいですね。強みで勝負したほうが、勝つ確率が高まると考えます。
 内部能力をしっかり把握したら、次は外部環境の変化を予測します。おそらく、プラスの変化・マイナスの変化が有ると思いますが、最近は外部環境を《お客様》や《ライバル》に絞って変化予測する機会が多くなりました。10年前は、セオリー通り外部環境の変化を《機会》《脅威》という切り口で考えていましたが、少し応用がきくようになりました。
 
 内部能力の把握・外部環境の変化を抽出したら、マトリックス上に整理して課題を探していきます。ご参考までに、資料室のほうにSWОT分析のシートをアップしてありますので、興味のあるかたはダウンロードして下さい。

《価値観の共有とは》

 今日は、【価値観の共有】ということについて考えてみたいと思います。
 
 社内研修のプログラムの中に、【業務質問シート】というワークが有ります。チーム目標・個人目標・業務課題等複数の問いに対して記入をして頂くものなのですが、その質問の一つに『あなたの担当している職務のなかで、重要だと考えるものから順に5つ記入して下さい』という項目があります。受講生の皆さんにゆっくり考えて記入してもらい、私が一人一人にヒヤリングをしていきます。社内研修ですから、同じチーム・同じ課の方々で、上司と部下、同僚という立場で参加していますが、以外に一人一人が重要だと考えるものに【バラつき】があるのです。
 何を言いたいかというと、『各人が、重要・大事だと考えていること』所謂【価値観】が共有されていないのです。もちろんしっかり共有されている組織もありますが、多くは共有されていないように感じます。《共有する》という言葉だけが独り歩きしているような気がします。時々立ち止まって、我社の・我が課の・我がチームの価値観の確認をする必要があるかもしれませんね。

 ちなみに、《共有する》ということを、私は『一緒に考え、一緒にゴール設定すること』と伝えています。

《ジャック・ウェルチ流の人材の見方》

 少し古い話になりますが、2001年にGEの会長を引退した、J・ウェルチの人材に対する4つの見方をご案内します。

 彼は、【価値観の共有】と【成果・業績】という二つの視点から次のように4つのタイプに人材をわけます。
※タイプ1
 成果・業績を達成していて、組織の価値観を共有している人材
※タイプ2
 成果・業績を達成せず、組織の価値観を共有できない人材
※タイプ3
 成果・業績を達成できないが、組織の価値観を共有している人材
※タイプ4
 成果・業績は達成できているが、組織の価値観を共有していない人材

 そこで問題は、どのタイプの人材を2番手の人材として評価するのか?ということなのですが、あなたはどのように考えますか。
 まずは、1番手と4番手は判り易いですよね。1番手は、タイプ1、4番手はタイプ2ということになります。次に、業績を挙げている人材と価値観を共有している人材のどちらを2番手として高く評価するのか?ということになるわけです。
 J・ウェルチ流の表現をとれば、『手前勝手にスタンドプレーをして今は業績が挙がっているが、そんな奴は、やがて干されるから気をつけろよ』《タイプ4》『今は業績が挙がってはいないが、組織の考え方が理解できて頑張って奴は、やがて成果を出してくるから心配するな』《タイプ3》と言ってます。
 価値観の共有を大切にしているわけですが、とても興味深い人材に対する視点ですね!

《人材開発から習慣を変える》

 前回は、自分自身の潜在能力の発揮を制限している、【メンタルブロック】について書いてみました。今日は、メンタルブロックの一つである《習慣》についてフランクリン・コヴィー博士の『七つの習慣』からご案内します。
 
 習慣を変えるには、何度も繰り返して身につけることが必要です。反応する前に次のようなことを試みてください。
※誰かの言葉に腹が立ったら、にっこり笑顔で返してみましょう。
※今日一日、自分の言葉にじっくりと耳を傾けてみましょう。
※今まで勇気がなくてできなかったことを今日実行してみましょう。
※付箋やメモなどに『私の気持ちを、○○○には決めさせない』と書いてみましょう。
※親や友人、同僚や上司と喧嘩したら、自分から先に謝るようにしましょう。
※いつも気になっていて自分ではどうにもならないことがあるなら、すぐに頭から追い出しましょう。
※怒る前に心の停止ボタンを押すようにしましょう。
※『私の一番不健康な習慣は???』それを何とか変えると決意してください。

 習慣を変えるには、四~六週程度の時間を必要とする、と言われています。習慣づくまで繰り返すことが大切です。