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《人を動かす》

 アドラー心理学の本を何冊か読んでいましたが、アドラーの影響を受けたという人のなかに“D・カーネギー”の名前がありました。30年程前に読んだ、D・カーネギーの“人を動かす”を改めて読み直しています。

 本の表紙に、このような言葉が書かれています。

 議論や理屈で
 打ち負かしても、
 相手は決して納得しない。
 逆に反感をつのらすだけだ。
 人を動かすには、相手の立場に立ち、
 望んでいることをつかめ。
 正当に評価せよ。
 誠実な心で接すれば、人は必ず心を開く。
 人を動かすには人の心を動かすことだ。

 本文の中には、次のように紹介されています。
 人を動かす秘訣は、この世に、ただ一つしかない。この事実に気づいている人は、はなはだ少ないように思われる。しかし、人を動かす秘訣は、間違いなく、一つしかないのである。すなわち、みずから動きたくなる気持ちを起こさせること・・・・これが、秘訣だ。

 実にシンプルですね。組織とか人事をテーマにして仕事をしていると、必然的に“モチベーション”という課題に向き合うことになります。時々原点に戻るってみる必要性を感じました。

《承認の欲求》

 心理学者“マズロー”の欲求五段階説という考え方が有ります。
 
 少し説明をすると、人の欲求は下から満たされていくということが一つ。

 次に一つの欲求が満たされると一つ上の段階の欲求に変化する。

 欲求は五段階あって次のようになっている。
 ①生理的欲求
 ②安心・安全の欲求
 ③愛の欲求
 ④承認の欲求
 ⑤自己実現の欲求

 そこで、動機づけに応用するとした場合第四段階の承認の欲求を満たしてあげることが有効になります。具体的には『ありがとう』『おかげさまで』『さすがですね』等といった言葉を積極的に使用してみるということです。

 そこで一つ注意です。

 百点満点に対して、『すごい』と褒めることは良いことだと思います。四〇点に対して『すごい』ということは、“おだてる”ことで相手をつけあがらせることにつながります。へたをすると『これでいいのだ』と満足して成長をストップさせてしまうかもしれません。
 ダメなことはダメ、大切にしたいです。

《山本五十六の名言》

 『やってみせ、言って聞かせて、させてみて、褒めてやらねば、人は動かじ』とは、山本五十六の人を動かす極意ですが、NLPの考え方にも似たようなものがありますので、ご案内したいと思います。

 例えば、あなたがプロセス行動についてチーム員に言葉やビデオを使用して説明をする必要があったとします。あなたは、そのプロセス行動をよく理解していて、チーム員に説明することには慣れているとします。そうした場合には、あなたが何らかのプロセスを説明する時には、通常頭の中で今自分が説明しているものを具体的にイメージしながら話をしているものです。

 しかし、説明者であるあなたの思考の組み立て方にあまりなじみのない聞き手のほうは、あなたの頭の中にあるイメージを共有することがナカナカ出来ないのです。そこで、あなたの頭の中にあるイメージを現実の世界で再現し、相手がそれを見て、自分自身が体験出来るようにすることはとても重要なポイントになります。

 私たちは、自分の体で体験するか、もしくは誰かが体験しているのを観察することで理解を深めることが可能となります。一度そのプロセスを体験することで、その体験を頭の中で再現できるようになり、そのレベルは講義やビデオでは達成できないほどのものとなるのです。

 人は、言語以外で実に93%もの情報処理をしていると言われます。目・耳・体感覚等もフルに活用できるような説明の方法を工夫してみましょう。

《動機づけの段階》

 最近ずっと考え続けている《動機づけ》について、私なりに簡単に整理してみました。

第1段階の動機づけ
 恐怖・強制・指示・命令・規則等による動機づけ
 言語的には(~~しなければならない)といった動機づけです。
 やらないとペナルティーが待っているので行動します。

第2段階の動機づけ
 報酬・褒章・表彰等外部刺激による外発的動機づけ
 賃金などはこの分類になるのでしょう。
 マズローの欲求5段階説の1~4段階
 与え続けることが必要になります。

第3段階の動機づけ
 目標達成動機
 人はテレオロジカル(目的志向)な生きものです。
 設定した目標を達成しようと行動します。
 出来ればチャレンジングな目標が望ましい。

第4段階の動機づけ
 自己実現動機
 言語的には(~~したい)といった動機付けです。
 自分が実現したいことなのでエネルギーも強力です。

 さて、あなたの組織ではどのような《動機づけ》を使っていますか!

《動機づけ理論》

 今日もアルフレッド・アドラーの名言からです。

 叱られたり、ほめられたりして育った人は、
 叱られたり、ほめられたりしいと行動しなくなる。
 そして、評価してくれない相手を
 敵だと思うようになるのだ。

 いまだにアメとムチ、すなわち、ほめたり叱ったりすることで人を育てることが正しいと信じている人が多くいます。それは明らかな間違いです。ごほうびやほめ言葉につられて、私たちの言う通りの行動を取る人がいたとしたら、その人は自分の意思で行動しているのではありません。ですから、私たちがごほうびやほめ言葉をやめてしまえば、その行動を取らなくなります。つまり、ごほうびやほめ言葉で相手を釣る限りは、一生それをやり続けなくてはならないということになります。しかも、私たちが見ていないところでは、相手はその行動を取らなくなる。私たちが見ている時にしか、その行動を取らないのです。

 その逆であるムチ、すなわち罰や叱ることで相手の望ましくない行動を防ぐのも同じことです。自分の意思で行動をやめるのではないですから、強制がなければ問題行動を続けるに違いありません。私たちの監視の目が届かないところでは、相手は問題行動を取るでしょう。つまり、アメとムチは何の問題解決にもならないのです。

 それだけではありません。アメとムチ、ほめたり叱ったりすることでコントロールされることに慣れた相手は、自分をほめてくれない時に私たちを敵だと思うようになります。『なぜほめてくれないのか』と責めるのです。私たちは相手をコントロールしようとしてはいけません。それは教育ではありません。むしろ逆効果になってしまうからです。

 テーマは『動機づけ』ですが、難しいですね!

《動機づけ理論》

 二つの動機づけ理論を紹介します。

※マクレランドの欲求理論
 デイビッド・マクレランドらのグループが、作業の場には三つの主要な動機、ないしは欲求が存在することを提唱した。

Ⅰ達成欲求・ある一定の標準に関して、それをしのぎ、あるいはそれを達成し、成功しようと努力すること。
Ⅱ権力欲求・ほかの人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求。
Ⅲ親和欲求・友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求。

 もう一つの動機づけ理論によると、個人は『自分の行動が望ましい結果を導くだろうと予測する限り、動機を持ち続ける。これは合理的な交換のイメージである。つまり、従業員は基本的に自分の努力を給与・雇用確保・昇進等と交換しているのである。』一方仕事においてモチベーションの高い人々は、仕事に対して感情的にコミットしているといえる。『ゴールを目指して、業務という経験に肉体的、認知的、そして感情的にも没頭するようになるのである。』 

 動機づけに関していつも考え続けているのですが、難しいですね。、最近≪~~しなければならない≫に基づいた行動と≪~~したい≫に基づいた行動との違いについては、少し理解できた感があります。

 仕事でも人生でも≪~~したい≫と思うことをたくさん見つけることが出来たら素晴らしいと思います。

《頑張ること!》

 私が働きだした頃は、学校や役所、銀行は土曜日“半ドン”でした。一般的に中小企業は日曜日と国民の祝日を休みにしているところが多かったように思います。いつの頃からかすっかり週休2日制が定着し日本も随分余裕が出てきたな!と感じているのは私だけでしょうか。
 
 私も当時は、月に150時間の残業や2日間徹夜続きで仕事をやったとか貴重な経験をしましたが、その頃は、あまり苦にならなかったし、当たり前と思っていました。今振り返ると鍛えられて良かったと本心から感じています。
 
 そこで、テーマの“頑張ること”なのです。
 『人生そんなに頑張らなくてもいいではないか!』という論調もあります。しかし、それは間違いではないでしょうか。頑張らなければならないときには必死で頑張らなければいけません。もしそれを怠ると、後悔することになります。(後悔先に立たずと言います)
 
 そこで、頑張る為のポイントは“上手な休み方”の訓練だと考えていますが、私たちは、生れてから今まで頑張ることの訓練はしてきましたが、頑張る為の“休む訓練”はしたことがありません。上手な休み方・上手な休憩の仕方を知らないのです。ただ何もしないで時間を過ごすことが休みだと思い込んでいるところに、問題がありそうです。

 休みが増えてきました、頑張る為の準備として休暇の取り方をよくよく吟味して下さい。

《合わない上司、意欲が下がる》

 読売新聞の人生案内より

《相談者》
 40代の女性です。会社で営業の仕事をして6年になりますが、今の上司と合いません。会社を辞めたくなっています。
 もうすぐ異動時期なので、この上司が替ってくれることを願っています。
 もし、上司が異動しなければ、辞めて別の会社に転職しようかとも思いますが、いま一つ勇気が出ません。婚活して結婚退職をしようかとも思っています。
 中途半端でフラフラしている自分が嫌になります。何かシャキッとする方法はありますか。

《回 答》
 自分が嫌になっただけ、あなたには救いがある。だから、お答えします。
 シャッキリとなる方法、いくつもあります。あなたの場合、声に出して『こうして働けるだけ幸せだ』と3回唱えて下さい。
 あなたと気に合わない上司に、注意されたり、カチンとくることを言われたりしたら、誰もいない場所に行って、先の言葉を3回繰り返して下さい。仮に同僚に聞かれても、怪しまれる恐れのない文句です。
 あなたの不満のよって来るところは、他人と自分を比較しすぎるのです。自分のほうが能力がある、と思い込みすぎるのです。そうじゃないことに気づかない。だから、嫌になるのです。
 上司を尊敬すればよい。少なくともそういう気持ちで上司に接することです。すると上司もあなたを軽んじない。嫌だと思うと、相手もあなたを嫌うようになります。人間はお互い様、広い心でつきあいましょう。

《甘やかさずに褒める》

 渡辺淳一の本に“甘やかさずに褒める”というタイトルのエッセーがありましたので、ご紹介してみます。

 ここで話は少し変わりますが、幼い子供、といっても、小学生や中学生ですが、こういう子供にはどこかいいところを見つけて、必ず褒めてやるべきです。
 子供は、甘やかしてはいけないが、いいところがあったら、すぐに褒めてやるべきです。
『○○ちゃん、これはうまくできたね。とても素晴らしいよ』とか『ここはいい、凄いから頑張るんだぞ』と一つでもいいところを見つけて褒めてやる。
 ご存知のように、子供は単純で調子がよくて、図にのる生きものです。この習性を利用しない手はありません。
 なにか、いいところがあったらすぐその場で褒めてやる。すると子供は嬉しくて、ますます頑張るようになります。
 そして、頑張るから上手くなる。上手いから褒められて、また頑張ると、歯車がいいほうへと廻りはじめるのです。
 どんなに優秀で才能ある子供でも、また大人でも、『お前は駄目だ』『お前は馬鹿だ』と、毎日言われていたら、本当に駄目で、馬鹿な人間になってしまいます。
 女の子も、『○○ちゃんはきれい』『すごく可愛い』と絶えず言われていたら、本当にきれいで可愛くなってきます。
 これとは逆に毎日、『お前はプスだ』『可愛くない』と言われていたら、本当に可哀想な女になってしまいます。

 先日、教育評論家の尾木ママが『万引きした我が子を叱ってはいけません』と、講演会でお話しになったことがネットで話題になっていました。尾木さんは『褒められることでの自己肯定感』、いわゆる自信につながるということを主張されていましたね。

 私個人としては、悪いこと、悪い行為については叱るべきだと考えます。渡辺淳一流にだと“甘やかしてはいけない”となるんでしょうか!

《やればできる》

誰かが男に向かって『そんなことはできるはずがない』と言った。
だが、男は含み笑いをしながら、『やってみなければわからない』と言った。
そして顔に笑みを浮かべ、課題に取りかかった。
内心は不安だったが、そんな素振りは見せず、歌を口ずさみながら、
『できるはずがない』ことに取りかかった。
そして、それを成し遂げた。

誰かが男に向かって『今まで誰もできなかったのだから、
そんなことはできるはずがない』と言った。
だが、男はまったく動じず、ひたすら自分を信じた。
そして次の瞬間、顔に笑みを浮かべ、歌を口ずさみながら、
『できるはずがない』ことに取りかかった。
そして、それを成し遂げた。

世の中には、『そんなことできるはずがない』と断言する人はたくさんいる。
また、『失敗するに決まっている』と明言する人もたくさんいる。
さらに、途中で危険が待ち受けていると予言する人もたくさんいる。
だが、とにかく課題に取りかかろう。
歌を口ずさみながら、『できるはずのない』ことに取りかかろう。
そうすれば、それはできる。

アレクサンダ―・ロックハートの詩より