月別アーカイブ: 2016年10月

《問題ありません、という職場》

 今年度は、目標管理制度の運用を中心にした個別面接指導を数百名予定し約半分程度終了しました。面談を実施する組織のトップと私と社員の三者面談のスタイルで進めていきますが、私も勉強することがたくさんありますし、トップもいろんな気づきがあるようです。目的は三つありまして、一つ目は、制度運用のハウツー面の確認、一つはトップが社員の話を聴くこと、いま一つは現場で起きている問題点の把握にあります。

 問題抽出表が真っ白で『私たちのチームには、別に問題はありません』といったような職場もあるようですが、時々疑問に感じることがあります。ヒヤリ・ハットも含めて、潜在的な問題を予防的な視点で発見できるか!どうかが重要だと思います。

 個別面接では職場内での問題点を把握するために【業務質問票】というシートを使用しています。業務質問票に記入されている内容について深く議論をすることで、波及的に多くの問題点が抽出されます。これらの問題点は、トップにも見えていなかったり気づいていなかった内容のものも出てきます。

 日々業務改善という姿勢で仕事に励むことを習慣にしたいといつも考えていますが、その為にまずは社内の問題点の把握がポイントになります。

《ビリーフチェンジ》

 人は、いろんな思い込み・信じ込み・固定観念を持っています。今日は、これらを一まとめにして【ビリーフ】について考えてみたいと思います。

 よく引用されるケースで、コップに半分の量の水が入っていたとします。この半分入っているという事実に対して、『もう半分しか入っていない』と否定的(ネガティブ)に捉える場合と、『まだ半分も入っている』と肯定的(ポジティブ)に捉える場合の二つがあると考えられます。コップに半分水が入ってるという事実は、ポジティブでもネガティブでもなく中間(ニュートラル)です。

 この違いはなんでしょう!

 これは、思考習慣の違いです。小さい時から現在までに身に付けたものです。もう少し詳しく言うと、自分自身の中にある【コア・ビリーフ】といわれるものの違いなのです。【コア・ビリーフ】とは『考え方の癖』です。この【コア・ビリーフ】がポジティブな人は、ほとんどの出来ごとに対してポジティブな捉え方をし、逆に【コア・ビリーフ】がネガティブな人は、物事をネガティブに捉えがちなのです。

 誤解のないように伝えておきますが、私は決して『ポジティブがいちばん』『ポジティブ最高』と言っているのではありません。人には両面が必要なのです。時には、苦しい・つらい・悲しい感情としっかり向き合うことも大事だと考えています。だから、ネガティブな考えを無理やりにポジティブに変えたり、消し去ろうとする必要はないのです。

 大切なことは、ネガティブな捉え方だけでなく、【色々な視点から出来事を捉えられるようになる】ことです。

《ストレスのセルフケア》

 ストレスを味方につける方法・・・・相場聖 著から

 近年“ストレスチェック”が中堅企業を中心に実施されています。

 著者も、企業のご依頼により、このストレスチェックの結果に基づく組織分析をすることがあります。

 組織分析とは、ストレスチェックの結果に基づいて、企業全体/部署ごとの組織の問題点や今後の課題、具体的な取り組などを分析に基づいて導き出していくものです。この分析によって、組織の風土や特徴・傾向など、さまざまなものが見えてきます。

 ところで、同じ企業内でもストレス度の高い部署と低い部署があるのはどうしてだと思いますか?ストレス度の高い部署の特徴には次のような原因が見受けられます。
※業務過多
※管理職の支援不足
※管理職の管理能力不足
※人間関係の悩み
※職場内コミュニケーション不足

 もう一つ分かっていることは、セルフケアの実行率とストレス度との間には反比例の関係が成立するということです。ストレス度の高い部署のセルフケアの実施率は低く、ストレス度の低い部署のセルフケアの実施率は高いということです。『自分の心は自分で守る』という意識を持ち、小さなことでも良いので、自分なりのセルフケアやストレスマネジメントを行ってみては如何でしょうか!

 

  

《叱ると怒る》

 皆さんは、動機づけの手法として“叱ると怒る”をどのように使い分けているでしょうか!そこで今日は、“叱る”について少し考えてみたいと思います。

 そもそも辞書によると、“叱る”というのは江戸時代では、お白州に呼び出して、間違いや誤りについて叱責をして正すことによって、悔い改めさせるという刑罰だったそうです。
 
 こうしたことから導き出されるのは、“叱る”ことは、【叱られた相手を正しい方向へ導くための手段】だということです。

 一方“叱る”と似た言葉に“怒る”というものがありますが、私たちはこの二つの言葉を混同してネガティブな意味に捉えがちです。
 
 では、“叱る”と“怒る”は何が違うのでしょうか?

 “叱る”は、前述したように相手を諭して正しい方向へ導く手段であるのに対し、“怒る”は自分の感情をぶちまけるということではないでしょうか。言い換えれば、“叱る”は理性的、“怒る”は感情的といったところになりますね。

 ところで皆さんに質問をしたいのですが、“叱る”の反対語は何だと考えますか・・・・・・!
 すぐに思いつく言葉としては、“ほめる”が思い浮かぶかもしれません。ただ、ちょっと考えてみてほしいのですが、“叱る”も“ほめる”も、ある一定の行動(望ましい行動としましょう)を相手を取ってもらうことを目的としています。従って手段こそ違えども行き着く先は同じなのです。このような視点で見た場合には、“叱る”の反対語は“叱らない”ということではないでしょうか!

 “叱らない”ということは、相手に期待もせず、意思も伝えず、興味も持たない状態、ある意味【スルーした状態】みたいに感じてしまいます。最近『叱れない上司』という言葉をよく耳にします。愛情を持って部下と対峙することも時として大切なことと思います。