月別アーカイブ: 2014年10月

《訴訟社会》

“交通事故訴訟急増”
 最近上記のテーマ記事が読売新聞で大きく取り上げられていましたが、内容を少し紹介致します。

 自動車事故の被害から保険加入者を守るための弁護士保険が、物損事故の訴訟の急増と審理の長期化を招いていることが、最高裁の調査などから浮上した。訴訟の乱発によって、保険金の支払いが膨らむことに損害保険会社からは悲鳴が上がり始め、裁判所からも『弁護士が報酬目的で訴訟を引き延ばしているのではないか』と指摘する声が出ている。

 過払い金返済訴訟、物損事故訴訟、最近は時間外請求訴訟と労働問題にも拡がりをみせています。私のお客様の中にも労働問題での訴訟を受け係争中というところもあります。

 ある方のブログにこのような書き込みがありました。

 勤務先に対しての忠誠心が高く、上司のみならず本人の家族とも勤務先に対しては良好であった労使関係が、突然のこうした労働裁判によって崩れようとしています。弁護士が代理人になることで、本人と直接に話ができないのをいいことに、1のことが100と騒がれ、一つひとつ言葉を選ばなければならなくなりました。守るべきものは労働者ではなく弁護士の生活なのでしょうか!

 社内には色々とトラブルがあります。本人と使用者がキチンと向き合って腹を割って話し合うことで、多くの事は解決できるのではないかと考えます。

《貧乏くじ》

 最近よく星野富弘さんの詩に出合います。
 今日は今月のJAFの雑誌に掲載されていた作品を紹介します。

 貧乏くじ
 引いてみるといいですよ
 私はすごいのを
 当てたことがあります
 希望とか愛とかどこにでも
 ありそうですが
 本物はなかなか
 手に入らない
 ものが当たるんです
 
 貧乏くじ
 はずれはないそうです
 引いてみるといいですよ

 
 投 語
 『貧乏くじ。あたりました。
  景品は妻でした。
  持参金は愛だ
  というのですが・・・』

 答 語
 『前後賞の子供たち
  元気ですか。
  うちの貧乏くじが、
  会いたがっています』

 
 

《マイスター制度を考える》

 最近、医療・福祉の現場でマイスター制度を導入しようとする動きが活発ですが、日本では『型』を伝承する仕組みとして、書道・柔道・剣道など伝統技術の継承に取り入れられているものとして【段位】という仕組みがあります。名人への道は遠い為、どうしても途中で投げ出したくなるので、途中に段位という仕組みで区切りを入れています。二段から三段になるという仕組みは、上達の度合いを測る物差しとして機能する一方で、これによりモチベーションを維持する役割があるわけです。マイスター制度がうけているのもこういった考え方が支持されているのでしょう。

 そこで問題になるのが、段位を割り振る為のレベルです。どのようなスキル・知識を身につけたらどのレベルの段位なのかを明確に示すということです。プロスポーツ選手は、どれぐらい練習していけばその位置まで行けるのか、とのくらいやればそのレベルに到達するのかをだいたい想定できるといわれています。一般的には、等級基準書のようなもので職位の要件を明確に定義して社員に分かり易く示すことが重要なポイントだと考えます。

 組織の質の向上、離職率の低下、安定した雇用を実現する為の一つの方法かもしれません。

《マーケティングを考える》

 平日に近くにある“産直”に行ってみました。知人に最近できた“産直”の話を伺いまして、ちょっと興味がでたものですから!

 平日の午後二時頃に寄ってみたのですが、広い駐車場の入り具合は10%程度でした。ラーメン屋・丼もの中心の飲食店・野菜鮮魚中心の産直店・コンビニ等が軒を連ねていましたが、お客様はパラパラの状況でした。私はコンビニに入って暑い日だったのでアイスを買って外にあるラウンジのテーブルに座ってゆっくり観察も含めて時間を過ごしましたが、お客様の入り具合は今一つという感想です。せっかくだったのでライバルであろう“道の駅”が車で15分程度なので足を延ばしてみたところ、駐車場の入り具合は80%位で各店舗もお客様で賑わっていました。

 この二つの事業所の違いはどこにあるのでしょうか?店舗数・駐車場の面積等の規模の違いは確かに有りますが、お客様の入り具合は規模の差だけではないように感じました。ここは私の専門外≪マーケティング≫の分野の問題と思いますが、いわゆる“集客方法”に何か大きな差があるのでしょう!

 実際にほぼ同時刻に2か所の事業所を回ってみて色々と勉強になりましたが、私が一つ感じたことは≪中途半端感≫です。上手く伝わると良いのですが、各店舗の扱っている商品の種類・クオリティー・量・値段が中途半端なんです。お客様を引っ張る力が足りないように感じました。

 経営戦略の三つの視点≪差別化戦略≫≪コスト戦略≫≪集中化戦略≫に基づいて、商品戦略・顧客戦略・エリア戦略あたりの練り直しが必要だと思いながら帰ってきました。

《お客様第一主義を考える》

 コーヒー用ミルクの“スジャ―タ”で有名な名古屋製酪という会社を創業した日比孝吉社長は、ロングライフ牛乳を開発した時、その容器をどのようにするかでずいぶん迷ったと言います。選択肢は≪従来の瓶詰≫≪紙パックA≫≪紙パックB≫の三つでした。

 当時はまだ使われていない≪紙パックA≫に切り替えるには年間二千万円、さらに滅菌した≪紙パックB≫にすると四千万円の経費増が見込まれました。迷いに迷った末に日比社長はある所に相談に行きました。出てきたのは経営とはおよそ縁のなさそうなおばあさんでしたが、
『私は、難しいことはわからないが、お客さんはどれを一番喜ぶのかね』と聞きます。
『それはもちろん滅菌した紙パックです』と日比社長が答えますと、
『それがわかっているのなら、何も私に聞くこともあるまい』とおばあさんは言うのです。
『でもうちはえらい損をします』
『損をするといってもお客様が損をするわけじゃないなら、それがいいにきまっておるわ』

 この一言で日比社長は≪紙パックB≫の採用を決め、それがロングライフ牛乳の大ヒットにつながりました。

『損と得の道があれば損の道を行く』といったダスキン、いまの三倍の価格にしても必ず売れるのに『これで十分採算があっています』という世界一のシンビジウム苗メーカー、河野メリクロンなど、みなお客様第一主義を貫き成功している企業です。
  
 船井幸雄 “自然の摂理に従おう”から

《コスト削減とは!》

 最近の事例ですが、≪コストダウン≫について考えさせられました。
 
 専門家派遣事業での経営相談で、テーマは【経営戦略】【経営計画】です。時間的な制約の中での支援事業で、手法としては題解決型のアプローチになりました。
 
 問題点は【売上高減少】【資金繰りの悪化】の二つに絞れます。決算書等をお借りして分析を実施してみると、ここ数年減収減益で、当然資金繰りも連動して悪化という状況でした。このような経営状況に対してどのような対策を行ってきたのかをお聞きしたところ≪ケチケチ対策≫ということ。節約をすることに、もちろん異論は無いのですが『節約してよいコストと、節約をしてはいけないコスト』の選別がなされてないのではないかと感じました。。
 
 具体的に言うならば、集客のためこコスト【販促費】がまったくカットされていることと、【原価率】が低いこと等です。弊社からの提案は、毎月【販促費】の予算を計上すること、【原価率】4%アップすることの2点としました。結果が出るのは数カ月先になると思いますが、広告宣伝を打つことと商品の質を高めることを同時に実行して集客アップを狙いとします。

 『広告宣伝は毎月出さなくても良いのではないか!』とアドバイスをする方もいるようですが、沈没しそうな船を浮上させる為には中途半端な対策ではダメなのだと思います。過去の方法を繰り返すだけでは改善は難しいでしょう。

 医者だけでなくて、事業経営にも“セカンドオピニオン”の必要性を強く感じた事案でした。

《動機づけ理論》

 今日もアルフレッド・アドラーの名言からです。

 叱られたり、ほめられたりして育った人は、
 叱られたり、ほめられたりしいと行動しなくなる。
 そして、評価してくれない相手を
 敵だと思うようになるのだ。

 いまだにアメとムチ、すなわち、ほめたり叱ったりすることで人を育てることが正しいと信じている人が多くいます。それは明らかな間違いです。ごほうびやほめ言葉につられて、私たちの言う通りの行動を取る人がいたとしたら、その人は自分の意思で行動しているのではありません。ですから、私たちがごほうびやほめ言葉をやめてしまえば、その行動を取らなくなります。つまり、ごほうびやほめ言葉で相手を釣る限りは、一生それをやり続けなくてはならないということになります。しかも、私たちが見ていないところでは、相手はその行動を取らなくなる。私たちが見ている時にしか、その行動を取らないのです。

 その逆であるムチ、すなわち罰や叱ることで相手の望ましくない行動を防ぐのも同じことです。自分の意思で行動をやめるのではないですから、強制がなければ問題行動を続けるに違いありません。私たちの監視の目が届かないところでは、相手は問題行動を取るでしょう。つまり、アメとムチは何の問題解決にもならないのです。

 それだけではありません。アメとムチ、ほめたり叱ったりすることでコントロールされることに慣れた相手は、自分をほめてくれない時に私たちを敵だと思うようになります。『なぜほめてくれないのか』と責めるのです。私たちは相手をコントロールしようとしてはいけません。それは教育ではありません。むしろ逆効果になってしまうからです。

 テーマは『動機づけ』ですが、難しいですね!

《アドラーの格言》

 人生が困難なのではない。
 あなたが人生を困難にしているのだ。
 人生は、きわめてシンプルである。

 人生が辛く、苦しいのではありません。あなたが、自分の手でわざわざ『人生を辛く苦しいものにしている』のです。アドラーは、それをこのように例えました。
 
『高さが1.5mしかない戸口を通り抜ける方法には二つある。一つはまっすぐ歩くことであり、二つ目は背中を曲げることです。最初の方法を試せば、横木にぶつかるだけです』と。つまり、“人生が辛く苦しい”と感じている人は、低い戸口に対してまっすぐ進み、頭をぶつけているだけのこと。事前に背中を曲げていれば何も問題はないのです。しかし、多くの人は低い戸口が原因であり、自分は悪くない、と言います。そうではありません。腰を曲げない自分が悪いだけなのです。
 
では、どのように生きれば人生が辛く、苦しくなり、どのように生きれば、人生がシンプルになるのでしょうか。その答えを1行で言い表すことはさすがにできません。現段階でお伝えできることは、現在の人生を決めているのは運命や過去のトラウマではなく、自分自身の考え方である、ということです。
 
だからこそ、私たちは、いつでも決意さえすれば、自分の人生をシンプルにすることができるのです。そろそろ、自分の頭を横木にぶつけるのをやめてはいかがでしようか。『人生を困難にしている』のをやめればいいのです。
  
 アルフレッド・アドラー

《動機づけ理論》

 二つの動機づけ理論を紹介します。

※マクレランドの欲求理論
 デイビッド・マクレランドらのグループが、作業の場には三つの主要な動機、ないしは欲求が存在することを提唱した。

Ⅰ達成欲求・ある一定の標準に関して、それをしのぎ、あるいはそれを達成し、成功しようと努力すること。
Ⅱ権力欲求・ほかの人々に、何らかの働きかけがなければ起こらない行動をさせたいという欲求。
Ⅲ親和欲求・友好的かつ密接な対人関係を結びたいという欲求。

 もう一つの動機づけ理論によると、個人は『自分の行動が望ましい結果を導くだろうと予測する限り、動機を持ち続ける。これは合理的な交換のイメージである。つまり、従業員は基本的に自分の努力を給与・雇用確保・昇進等と交換しているのである。』一方仕事においてモチベーションの高い人々は、仕事に対して感情的にコミットしているといえる。『ゴールを目指して、業務という経験に肉体的、認知的、そして感情的にも没頭するようになるのである。』 

 動機づけに関していつも考え続けているのですが、難しいですね。、最近≪~~しなければならない≫に基づいた行動と≪~~したい≫に基づいた行動との違いについては、少し理解できた感があります。

 仕事でも人生でも≪~~したい≫と思うことをたくさん見つけることが出来たら素晴らしいと思います。