月別アーカイブ: 2014年2月

《記憶の性質》

 年齢を重ねるごとに、記憶力が悪くなったと嘆く人は多いでしょう。
 
 それでも、絶対に忘れてはいけないことは、記憶に刻み込まなくてはなりません。その対処方法は、記憶を繰り返すことから始まります。
 
 ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスは、何の脈絡もない言葉を覚えた場合、どのくらい記憶しているのか、若年層に向けて実験をしました。
 
 結果は、実験の二十分後には覚えたことの42%を忘れ、1時間後には56%、1日後には74%、1週間後には77%、1ヶ月後には79%を忘れてしまうというものでした。
 
 この結果から学ぶべきことは、若年層であっても人は忘れる性質があるということです。大切な事柄も、繰り返し思い出すことで記憶に刻まれます。記憶力の良い人は、無意識のうちにこの行為をしているのでしょう。
 
 体力など、年齢を重ねることで衰える機能はあります。しかし、記憶をはじめ、繰り返す努力を重ねることで、克服できる機能もあるのです。
 
 職場の教養 1月号より
  

《コングルエンス・モデル》

 数年前に勉強会に参加して、《コングルエンス・モデル》の説明を受けました。以来この理論を大切にしてコンサルティング活動をしています。

 ポイントは三点です。
※経営戦略
※組織活動
※成  果

 私にとっては極めてシンプルで理解しやすかったのですが、少し解説を加えるとすれば《経営戦略》の立案にあたっては『我社の強み』を徹底的に抽出して、外部環境の変化を予測し①新しくやること②拡大・強化・スピードアップすること③徹底すること④やめる・見直しをすることの四つの視点から強みを生かして戦略を練る。ポイントは、弱みに向き合わないことでしょうか。
 《組織活動》については①役割分担②モチベーション③制度・仕組み④リーダーシップ この四つのキーワードから自社の組織を点検して、もし故障があるようだったらメンテナンスを実施します。
 《成  果》最後に我社の目指すべきもの、成果を明確にします。

 《経営戦略》⇒《組織活動》⇒《成  果》という流れになりますが、成果を上げる為には《経営戦略》と《組織力》の両方が重要です。立派な戦略があっても、組織力が弱いとダメですし、組織力が強くても、戦略が貧弱だと成果は上がりません。

 バランスが大切です。

《自尊心(自信)について》

 “根拠のない自信” 茂木健一郎氏の基調講演より・読売新聞の記事

 人はいつか死ぬので、ふつうは一日でも長く生きしたいし、大切な家族や友人に生きてほしいと願う。だが、悲しいことに自ら命を絶つ選択をする人が増え、大きな問題になっている。
 
 人間の脳は、『根拠のない自信』を持っている。楽観的であることは、人間の生きる力でもある。自殺は『心の病気』と言われるが、その心を作り出す脳の状態を変えられたら、いくらでも前向きに生きることができるのではないか。
 
 この『根拠のない自信』を支えるのが『安全基地』だと言われる。親が子供を温かく見守るような絆こそが大事だ。お互いが相手のことを思う絆があれば、人は死を選ぶことはないだろう。
 
 人は嬉しいことがあると、中脳からドーパミンという物質を出す。そして最近の研究でわかっているのは、他人のために何かすると脳は喜ぶということだ。利他主義が人間を支える。人はいろいろ悩みや不安を抱えているから、みんながお互いに相手の役に立つことを考えるのは、とてもいい社会なのだ。
 
 そうは言っても苦しい時がある。その時、助けになるのはユーモアのセンス。苦しみ、つらさも笑いに変えることができたら、マイナスがプラスに変わる。これが人間の脳の素晴らしい力だ。自分の苦しいところを笑いに変えることで人は救われる。

《目標を持つということ》

 現場に出て目標管理の運用指導をしていると、“何を目標にしたらよいか分からない” “なんで目標を設定するのか” といった質問や抵抗に出合うことがあります。
 『またか!』という思いと、『目標を持って仕事や人生をおくることの意味を丁寧に説明しないと!』といったような考えが頭の中を駆け巡ります。少なくとも、仕事で“個人目標を設定して下さい”というと、半数ぐらいの人は“面倒だ!”といった反応を示すのではないでしょうか。
 ただし、業務として実施する場合には“個人的な好き・嫌いは抜きにして”組織の方針に従って目標管理制度を運用することになるのだと思いますが。

 少しズレてしまうかもしれませんが、私は目標管理をスタートする時に“三人の日本人”の話を例に出して説明します。
 
 まずは、『天才イチロー』
 小学校の卒業文集“思い出・仲間”から引用します。
 僕の夢は、一流のプロ野球選手になることです。・・・・・ で始まる、鈴木一朗の文章です。
 さすがにイチローだなと感じるのは、『一流の』と付けているとこですね。

 次は、指揮者の佐渡裕
 彼も、小学生の時に“二十年後の自分”として『ベルリンフィルハーモニーオーケストラの正指揮者になり、世界的オペラ歌手による・・・・・』 と書きしるしている。

 次は、ACミランの本田圭祐
 最近テレビコマーシャルで彼の小学生の頃の夢・目標が放送されていますね。
 プロサッカー選手になることが確実に実現されています。

 小さい頃の夢・目標を実現している彼らは特別なのでしょうか?
 たまたま、偶然に実現するのでしょうか?
 目標を持つことの意味がここに少しあるような気がします。
 

《M・B・O コーチ》

 目標管理(M・B・O)は、組織の経営計画目標を実現する為に、社員一人ひとりが能力開発目標と業務目標を明確に定め、そのプロセスを上司と部下が協議し創意工夫をすることで目標達成を積極的に実践することです。

 目標設定時の留意点
①上位目標と連動していること
②目標のウエイト付け、優先順位の設定
③挑戦的なものになっているかの確認
④実行計画書はできているか
⑤到達度が確認できるようになっているか
⑥結果指標とプロセス指標

 評価時の留意点
①着眼点に基づき評価しているか
②予定通り・計画通りでレベル3
③自己評価・上司評価のギャップを説明できるか

 フィードバック面接時留意点
①説得ではなく、納得感を高める
②ギャップの説明をしたか
③次期の課題の確認、期待することを伝えたか

 年上の部下・無口な部下等状況にあわせた対応が大切になりますが、制度を中心となって運用・指導する人材、《M・B・Oコーチ》の養成が急務だと考えています。

《目標志向であること》

 目標管理制度(M・B・O)の提案・運用指導の際に素朴な質問を受けることがあります。
 それは『何故、目標を持って仕事に臨む必要があるのですか?』といったような内容です。当初は、目標を持つことの意味等考えることもなく制度を勧めていたものですから、戸惑ったりもしました。あれから十数年の月日が経ち、私なりに次のようにまとめています。

①組織として進むべき方向が必要であること。(ベクトルを合わせる)
 正しいか、誤りであるかは別として目標は必要である。
②殻を破ったり、マンネリを打破する為にはチャレンジングな目標が必要である。
 成長のための道具と考える。
③目標設定によって達成プロセスを考えるようになる。
 考える組織の第一ステップ。
④人も組織もテレオロジカルな生きものである。
 目標を設定して、それに向かっていく生きもの。

 悩み・考えているわりには、少ないような気もしますが、現在はこんな感じです。
 いずれにしても、個人も組織も前に進んでいくためには到達点が必要なのだと思います。この到達点がハッキリと明確にイメージできる人は、確実により早くそこに到達するわけです。

 個人目標・組織目標を時々確認してみたいものです。