Kさんは営業第1部に転属して5年目に、念願のトップの実績を挙げました。
しかし、一つの悩みを抱えていたのです。幾つもの改善策を練り上げ、折に触れて提案してきましたが、あと一歩のところでいつも保留になります。『必ず部の業績は上がる』という自信があるだけに、気が滅入り始めていました。
ある日、尊敬する先輩が、顧客に電話をしている声が聞こえてきました。その応答には『大変でしたね』『良かったですね』『それはご立派でした』という共感の言葉が、頻繁に使われていることに気づきました。
そして、『大変でしたね・良かったですね・立派ですね』といった共感の言葉は、運命を拓く『魔法の言葉』だと、以前聞いたことを思い出しました。
≪提案が採用されない理由の一つに、共感不足があったのではないか≫と、気づいたKさん。その日以来、対話をする際には『魔法の言葉』を心をこめて丁寧に言うように心がけました。Kさんの共感力は日ごとに成長していきました。
数カ月後、Kさんの改善案が、部の第一方針として採用されたのでした。
職場の教養より