月別アーカイブ: 2016年6月

《3つに絞る》

 選択の科学の著者シーナ・アイエンガー博士は、興味深い“ジャムの販売実験”を行っています。同じデパート・同じ時間帯・同じメーカーのジャムを使用しての実験ですが、一つは23種類のジャムを用意し、もう一方は6種類のジャムでの試食販売です。結果的に、6種類のジャムを試食品として提供したほうが販売成績が良かったということです。(それもかなりの大差で!)私の感覚ではたくさんの選択肢があったほうが売れると思っていたので、この実験結果には驚かされました。

 最近読んだ記事に、今日のテーマにしている“3つに絞る”という内容のものがありましたので、ご案内をします。

 自分で自分の首を絞める場合もあります。最大の要因は、多くの責任を背負いすぎてしまうことです。無理をすると、いずれ収拾がつかなくなります。人生は魅力的な可能性の載ったトレイがズラリと並んでいる大きなビュッフェのようなものですが、欲張って自分の皿にあれもこれも載せてしまうと、消化不良になるのがオチです。本物のビュッフェと同じで、人生でもすべてを平らげてしまうことはできますが、いっぺんにはできません。
 
 ひとつのやり方として、生活の変化とともに優先順位は変わると自覚したうえで、そのときどきで三つの優先順位を決める方法があります。この考え方は、目新しいわけではありません。じつは、アメリカ海兵隊をはじめ軍隊では、一般原則として【三つのルール】を活用しています。長年、試行錯誤を繰り返した末に、大多数の人間が遂行できるのは一度に三つまでであることを発見しました。

 その結果、軍事システム全体がこの点を反映するように設計されているのです。中隊長は三人の小隊長を束ね、小隊長は三人の分隊長を束ね、分隊長は三人の班長を束ねます。陸軍では『4つのルール』を試みましたが、効率は目に見えて落ちたそうです。

 日本でも『3』という数字はよく使れています。【アベノミクス3本の矢】【日本三景】【うまい・はやい・やすい】等々・・・・・。

 “あれもこれも”と欲張らずに、絞り込むことの大切さを教えてくれているような気がします。

 

《言葉を考察》

 ある事例です。

 ゴルフのコンペから帰ってきた部下が、『今日は何度かミスをしてしまい、せっかくの優勝のチャンスを逃してしまいました。せっかくアドバイスをもらったのに』としょげかえっています。

 あれっ!と思い、『誰がアドバイスをくれたの?』と聞いたところ・・・・・ 『もちろん優勝した男ですよ。右はバンカーだぞ、打ち込むなよって、三度も注意してくれました』

 人の良い彼には失礼ですが、思わず笑ってしまいました。気の毒に彼は、優勝者の仕掛けたワナに見事にはまってしまったのです。

 人は、『ミスをしてはいけない、とイメージすると緊張して』かえってミスをしてしまうものです。『ミスをするなよ』というアドバイスの裏には、『ミスをしろよ』という意図が隠されていたのです。

 ヨチヨチ歩きの子供に、親は『転ばないで!』と声をかけることがあります。もちろんこれはワナではありませんが、『転ぶなよ』と声をかけられた子供は、無意識に【転んでいる自分をイメージ】してしまい、実際に転んでしまうということが起きてしまいます。

 ポイントは、起きてほしくないことを言葉にするのではなくて、【起きてほしいことを言葉にする】ことです。

 

《個別面談の進め方》

し 弊社では、トップによる定期的な“個別面談”をお勧めしています。規模の大小に限らず第一線の現場とトップとの間に乖離があり、トップが第一線で起きている問題やクレームといったようなことを把握していないことから、様々なトラブルに巻き込まれるといったことが起きています。そのようなことを防ぐためにも個別面談を是非実施してみてください。

 そこで、面接の際に使用している【業務の調査票】の内容をご案内します。
1 あなたの担当している業務内容で重要度の高い順に3つ書いてください

2 担当業務に、やりがいや達成感を感じますか

3 競合他社に比べて、当社の優れている点、劣っている点

4 お客様からの要望・苦情にはどのようなものがありますか

5 よりよい会社となるために改善すべき点は

6 あいさつや3Sは徹底されていますか

7 やってみたい業務や異動等の希望があれば書いてください 

 この程度の質問に回答して頂くだけで、現場で起きている情報がたくさん入ってくるようです。

《セミナーのご案内》

 定期的に東北各地でセミナーを開催してきました。

 今回は、宮城県古川で大変懇意にさせて頂いてる【有限会社 N&N】様の企画で人事セミナーを開催します。次のような内容で進めていきますので、関心のある方はメールをお待ちしてます。

 テーマ・・・深刻な人材不足とどう向き合うか
 日 時・・・28年6月17日(金) 13時半~16時
 場 所・・・古川商工会議所  宮城県大崎市古川東町5ー46
 講 師・・・老人保健施設リバーサイト春圃 施設長 吉田真一郎様
 講 師・・・経営システム研究室      代 表 佐藤幸弘  
 料 金・・・12,000円

 リバーサイト春圃様は、震災のため従来の施設は全壊し新たに4階建の施設をオープンし見事に復活されました。新規オープンにあたっては、人材が確保できるか心配した面もありますが、順調に進んでいます。新卒の採用・中途職員の採用・教育と人材育成に大変積極的に取り組んでいます。今回は、施設長様から“我が施設の人事戦略”について大いに語っていただきます。

 私のほうも組織運営の話になりますが、医療・福祉の現場で採用されている“人事考課制度”について、今一度原点に帰って考え、提案をしてみたいと思っています。

 近い距離感での勉強会です。質疑応答等々ザックバランなセミナーにしたいと企画しました。

    

《上司のイメージ》

 読売新聞の“編集手帳”より

 理想の上司を動物にたとえると・・・・・・今年の新入社員を対象に三菱UFJリサーチ&コンサルティングが実施した意識調査の設問である。

 『ライオン宰相』『鈍牛』などの異名を取った首相もいたことを思えば、あながち荒唐無稽な問いでもないのだろう。

 とはいえ、一番多かった答えが『犬』だと聞くと考え込んでしまう。仮に、自分が上司の立場にあるとして、どう振る舞えば、理想に近づけるのか。強いものに尻尾を振る等々の印象も犬にはある。

 挙げた動物のイメージなどを書くスペースには、『親しみやすい』『情が深い』といった記入があったという。ちなみに二番目以降は、ライオン・ゾウ・猫・・・・の順だった。

 米作家のジャック・ロンドンが著した動物文学の名作『野生の呼び声』が参考になるかも知れない。主人公は、10匹弱の犬ぞり隊で先導犬の地位に就くや、卓越した判断力・行動力・指導力を発揮する。その一方で人間の御者の指揮下にある点は、現実の中間管理職に重ならないでもない。

 終章で主人公は人間の支配する世界を離れ、生きる場を森に移す。それをどう考えるかは、また別のテーマである。

上司や先輩にたくましさや頼もしさを求めるのは、私だけなのでしょうか!