月別アーカイブ: 2015年8月

《心の健康を守る》

 双極Ⅱ型 安易な診断も・・・・・読売新聞の記事から

 東京の大手企業に勤める30代の男性は5年前、過労と睡眠不足が続く中で生じた落ち込みや焦燥感を『うつ病』と診断され、抗うつ薬が処方された。だが激務は変わらないので治らず、別の精神科医が“双極Ⅱ型障害”と診断した。うつ状態なのに仕事に打ち込む男性の行動を、病的な気分の波とみたのだ。実際は強い責任感ゆえだったのだが。

 今度は気分の高揚を抑える薬などが処方され、倦怠感が強まり働けなくなった。男性は休職が長引き、昨年、困って相談したのが、独協医大越谷病院だった。治療の経過を聞いた、診療科教授の伊原さんは思った。『うつもそうも軽い。妙な薬物治療で気分の波が増幅され、苦しんでいるだけだ』

 伊原さんは、十分な睡眠と規則正しい就寝・起床のリズムで、気分の波は緩やかになると説明し、7時間以上の睡眠を勧めた。酒は眠りの質を悪くするため、回復するまでは厳禁とし、薬を少しずつ減らした。間もなく男性は復職し、現在は薬も飲まず、睡眠時間の確保だけを意識しながら元気に働いている。

 伊原さんは『寝不足で元気が出なかったり、感情の起伏が激しくなったりするのは自然な反応で、それを病気だと騒ぐ医者こそが問題だ。現在の治療に疑問がある人は、是非セカンドオピニオンを受けて欲しい』と勧めている。

《“あれ”はどれ?》

 日本語では、近くを指して『これ・ここ』と言い、中間のものは『それ・そこ』と言います。遠くのものは『あれ・あそこ』、不確定のものは『どれ・どこ』などと表現します。

 これらの指示語は、最初の一文字をとって≪こそあど言葉≫と呼びます。≪こそあど≫の部分を変えるだけで、様々な距離感を表現できる便利な言葉ですが、使い方によっては、話し手の意図が聞き手に伝わらない場合があります。

 比較的近い対象について『これ・それ』と指し示せば、聞き手はすぐに理解できます。しかし、唐突に『あの件について』『あれはどうした?』と言われると、聞き手はすぐに理解できず、間違いや誤解も生じてきます。

 ≪こそあど言葉≫の中でも、『あれ・あちら・あそこ・あの』など、『あ』を使う際には、前後に説明を加えるなどの配慮が必要でしょう。

 特に重要な事柄を伝える場合には、できる限り、具体的かつ明確な言葉を使って、用件が正しく相手に伝わるよう心がけていきたいものです。

 職場の教養から

《人事考課の手続き》

 人事考課のステップは次のように進めていきます。

第1ステップ
 人事考課シートに基づいて、自己評価を行います。

第2ステップ
 上司が1次考課を行います。各部下の行動記録簿を振り返りながら1次考課を決定します。目標評価を中心にしつつも、目標外の業務における貢献度なども考課することが必要です。

第3ステップ
 1次考課者同士で、その内容を突き合わせる、考課力調整会議を行います。1次考課者が集まり、お互いの評価結果を披露して、評価の根拠となる事実と判断を相互に吟味します。異論がある場合には、納得がいくまで議論を行います。この議論を通じて、評価の偏りを防止します。

第4ステップ
 2次考課が終わったら、部門ごとの甘辛を調整した上で考課結果を確定させ、最後に直属上司から部下に結果をフィードバックします。

 以上の手続きを通じて、組織としての考課を決定します。

《内定辞退・オヤカク》

 読売新聞の記事より

 『ご両親は了承しているの?』・・・・・。採用選考で学生に内定を出すとき、保護者の意向を気にする企業が増えている。保護者の反対を理由に内定を辞退する学生が少なくないからだ。

 採用支援会社ネオキャリアが7月、東京都内で開いた企業の採用担当者向けセミナー。講師の篠原さんは『学生に内定を出す場合、入社の意思について【オヤカク】(親への確認)が必要なケースがあります』と説明した。

 同社が昨年9月、就職活動中の大学生150人に『第一志望の会社への就職に親が賛成しなかった場合どうするか?』を聞いたところ、女子の12%、男子の6%が『親の言うことに従って、その会社には就職しない』と回答した。

 篠原さんは、『最近の学生は、就職先を決める際、親を含め世話になった人が喜ぶ結論にしたいと考えているようだ』と分析する。実際に保護者の反対で、内定を辞退するケースが少なからずあるという。このため、事前に保護者の意向を学生に聞くほか、内定者の保護者向け説明会を開く企業もあるそうだ。

 反対の理由としては、自分が名前を知っている企業でないと抵抗感を持つ保護者が多いらしい。

 私たちが就職活動した時代と随分と変わったものですね!

《小説・吉田松陰から》

 NHKの大河ドラマでも放送されている“吉田松陰”の小説を読んでいます。童門冬二著ですが、その中に次のような記載がありました。

 『まちづくりの目的』である。
 まちづくりの目的を、わたしは次のように考えている。

※いま住んでいる人々が、その地域に“生きがい”と“死にがい”を感ずること。生きがいだけではダメで、『ここに骨を埋めてもいい』というような魅力を住民・議会・執行機関の三者が一体となって生み出すことが大切だということ。

※さらに現世代だけではなく、現世代の子孫にわたって同じ“生きがい”と“死にがい”を感ずることが必要だということ。

※さらにいえば、他の地域に住んでいる人が『ぜひそこにいきたい』というような気持ちを起こさせるような魅力を生むこと。

 一極集中から地方の時代についてのコメントですが、組織づくりと組織運営についても共通している部分があると感じました。
 “働きがい” “終身雇用” “あそこの職場で働いてみたい” このような組織づくりを目的とする必要があるのでしょうね!
 

《目標管理制度》

 組織を動かしていく際の一つの手段として≪目標管理制度の運用≫があります。今日は目標管理制度について考えてみたいと思います。

 目標管理制度のテキストを読むと、まずは【目標の連鎖】について説明がなされています。組織全体の目標・事業部門の目標・部課の目標・個人の目標と上位の目標を受け継ぐという考え方を大切にしています。個々人がそれぞれの目標を達成すれば、その人たちの所属する部門の目標が達成され、結果的に組織全体の目標が現実のものとなるという、一つの仮説です。

 次に書いてあることは、与える目標(ノルマ目標)ではなくて【参加型の決定】です。目標値・実現する為のプロセスを自分で決定し選択すべきと言ってます。上から押し付けられた目標ではなく、関係者が参加して目標を決定し、上司と部下が一緒に目標を選択し、その測定方法についても合意することが、目標管理制度が上手く運用できる条件なのです。

 いま一つは、ショートタイムチェックのマネジメントをきっちり実施することで、別の表現をすれば、上司と部下が目標の達成に向けてプロセスの進捗状況をチェックしフィードバックが与えられることです。

 目標管理が上手く運用出来ない、といった声を聞くことがありますが、ショートタイムチェックのマネジメントをしっかり行って、プロセスをどんどん変えていくといったアプローチが実務的には重要だと感じています。