月別アーカイブ: 2015年7月

《管理職になりたくない若手》

 最近多くの組織で起きていることとして、【管理職になりたくない若手】問題があります。

 例えば、管理職の若返りを図るために、若手社員を昇進させようと辞令を出す前に打診をしますが、辞退者が続出してしまうといったようなこと、皆さんの周りでは起きていませんでしょうか!

 ある調査によると、就職3年前後の社員の約4割が『昇進したくない』と考えているそうです。

 かつての≪昇進≫は、報酬が増え権限も増し、また部下も増えて社員の動機づけとして大きな影響力がありました。

 しかし最近は、報酬が変わらず責任ばかり増え、部下もいない『名ばかり管理職』が増えています。

 昔のような『昇進の旨み』は求められないでしょうが、働き甲斐や未来が無くモチベーションを喪失した職場になってしまうことは大きな問題です。そこで確認してみなければならないことは、自社の経営方針・経営戦略は分かり易く明確になっているでしょうか。さらには人事制度が、それを担える人材を評価し、育成し、処遇や報酬で報いる仕組みになっているでしょうか。

 働く人の意識は敏感です。働き甲斐がないと言われたら、【原因は社内にあり】と考えてみるべきでしょう。

《諦めない気持ち》

 ダスキン “喜びのタネまき新聞”より

 テレビで元プロ野球選手を紹介していた特集を見ました。その選手は高校野球の有名校を卒業しプロ野球選手になりましたが、その球団ではレギュラーになれず数年後に契約更新しないとの通知を受けました。

 普通ならそこでプロ野球選手としてのピリオドを打つところですが、本人曰く『プロ野球を続ける理由はあっても、やめる理由がない』との思いから海外の野球チームでプレーを行い、引退するまでの15年間で6カ国・9球団に在籍されました。

 言葉や文化が異なる海外に行き野球選手として自らを奮い立たせ夢を持って更に挑戦し続ける気持ち、そしてその選手を支えている奥様や家族の姿に感動しました。

 その方が野球を続ける根底には“諦めない気持ち”と“実行に移す行動力”そしてそれらのことを乗り越える力が備わっているのだと思います。私も生活している中で様々な場面において思い通りにいかないときや、また、一からやり直したりして一歩後退することもあります。

 その場の状況や周囲の意見などで迷いが出たときは、自分自身に『やる理由はあるのか?やめる理由はあるのか?』と問いかけ、やめる理由がなければ“諦めない気持ち”をもって挑戦し続けていくことを学びました。   山村輝治

《自信って!》

 読売新聞 人生案内より

 質問
 20代の男性。大学生です。就職の内々定をいただいたのですが、やっていける自信がありません。
 内々定が出たのが5月で、営業職として働くことが決まっています。
 しかし、私は会話をするのが苦手で、途中で言葉がつかえてしまうことがよくあります。大学のグループ討論や発表の時、まず失敗を恐れてしまう消極的でひきょうな性格です。
 こんな私が就職したら、会社のお荷物になってしまうのではないか、と不安な毎日を送っています。
 ただ、私自身ものを売る営業の仕事を通じて、お客さんに喜んでもらいたいという気持ちだけはあります。
 どうしたらいいでしょう。

 回答
 就職内々定おめでとうございます。
 あなたは正直で真面目な方とお見受けします。おしゃべりでおもしろいことを言う人が営業パーソンとして優秀とは限りません。
 顧客の信頼を得るためには、相手の話をよく聞き、相手の立場になって一緒に考える能力が重要なのです。
 今の採用担当者の目は節穴ではありません。あなたを採用した企業は、あなたにそのような能力があることを見込んで内々定を出したのではないですか。多少話すのが苦手でも、練習すれば大丈夫です。
 採用してくれた企業に感謝し、そこで一人前に育ててもらう心構えがあれば、あなたも一流の営業パーソンになれますよ。
 自分を過小評価するのが、あなたの悪い癖かもしれません。あなたが会社で活躍している姿をイメージし、そんなふうになれるんだという思いを持ち続けてみては。
 心配せずに、残り少ない大学生活を有意義に過ごしてください。   回答者 山田昌弘

 自信をについての内容ですね。社員のモチベーションにもつながる重要なテーマです。

《ルールの複雑怪奇》

 働く人々が会社の組織を時と共に重荷に感じるようになっていく理由のひとつには、会社の設立当初に組織の基本要素【ルール・仕組みなど】が設計され、その基本要素がなかなか変わらないというところにあります。組織はまず、その設立時点の環境【労働市場・社会慣行・顧客の嗜好など】に合わせて創ることになるわけですが、時代が進むに従い当然環境は変わってきます。

 消費者の嗜好はスピーディーに変わり、労働者たちの職業意識も変わります。このように外部環境はどんどん変化しているのに、組織や制度はなかなか変わらないのです。

 いったん過去に創られたルールや仕組みは、年を経るごとに捨てにくくなり、とりわけ、そのルールや仕組みが自分たちの成功の源泉だと信じ込んでいたとしたら、捨て去るのは難しいですし、ましてや創業社長や伝説的な人物たちが考えた仕組みであったりすれば、なおさらのこととなるでしょう。

 もちろん環境の変化に対して会社は何もしないわけではないのです。古いルール仕組みをそのまま残しつつ、新しいルールや仕組みが追加的・部分的に付け加えられるといった手法を取ることになるのです。こういったことを繰り返すうちにルールや仕組みが複雑怪奇化していってしまうのです。

 望ましくは、古いルールや仕組みを捨て去ってシンプルな新しいルールや仕組みを創り込むことなのですが、現場に伺うとナカナカ出来ていない現実と出合います。

《通信簿》

 通信簿に詳しい鳥取大の山根俊喜教授によると、通信簿は学校が児童生徒の学習状況などを家庭に伝える連絡手段として1890年前後から普及した。『通知表』『通信箋』などとも呼ばれ、戦前は【甲・乙・丙・丁】の4段階、国民学校では【優・良・可】が主流だった。

 その後、高度成長にかけて数字の5段階評価などが広く使われるようになる。だが、『数字が並ぶだけでは、学力の具体的な状況が分かりにくい』との批判があり、1970年代以降は各教科を数字で評価するだけでなく、【関心・意欲・理解力】といった観点別に、『よくできる』『できる』『もう少し』などの言葉で評価する方式が小学校を中心に広まった。

 2000年代に入ると、小学校の7割は観点別の評価だけを行い、中学校では観点別と数字による教科の評価を併せて行う方式が多くなった。名称は『あゆみ』など親しみやすい呼び方が定着した。

 『最近は、欠点ではなく良い点や進歩した点を強調する傾向にある』と、教育調査研究所の小島宏さんは話す。

 読売新聞の記事からご案内をしましたが、人事考課の参考になるような内容もありますね!

《みんな頑張ったという悪平等》

 『みんな頑張ったよね』というあいまいな評価しか下さないシステム。つまりエースとして頑張った人も褒めなければ、縁の下の力持ちとして頑張っている人も褒めず、皆の努力に“ただ乗り”していた人、足を引っ張っていた人までも含めて『みんな頑張った』と言ってまとめることが良いことであるかのような雰囲気ができあがっていく組織があります。

 『みんなよく頑張りました』ということを強調する組織の究極の姿は、表彰も叱責もできるだけ避けようとする姿勢が蔓延しているように感じます。長期雇用の組織では、ずっと一緒に仕事をしていくので、仕事の成果よりも人間関係の配慮が意識されすぎるきらいがあります。だから、誰かが良い仕事をしても『あまり褒めてしまうと、褒められなかった人ががっかりする。褒められなかった人の気持ちを考えるべきだ』といった弱者に対する配慮が強く出てしまうのかもしれません。まるで、小学校の運動会で順位をつけない光景をみるようです。

 企業はなんといっても経済組織体ですから、社員のため・株主のため・社会のため利益を上げなければなりません。その利益という目標に貢献する人々を、一番から順番にすべて並べるとまでは言いませんが、ある程度きちんと評価する必要があると考えます。