月別アーカイブ: 2014年12月

《戦略プラン》

 戦略プランを策定するにあたって“マインドマッピング”の手法が有効です。マインドマッピングについては、以前に紹介しましたが、センターに≪キーワード≫を記入してスタートすることになります。そのキーワードから放射線状に枝を延ばしキーワードに関連する言葉を枝上に書き込んでいきます。トニープザンが本にしていますが、問題点・課題に対して深く考えたり絞り込んだりする際に“全体的” “視覚的”に整理することが出来るので結構役に立ちます。

 例えば、戦略を考える際にまず二枚の紙を用意して1枚には【現状のマインドマップ】もう1枚には【ビジョン・理想のマインドマップ】を作成します。通常は複数の人たちで実施しますので、現状とビジョンについての共通項について整理します。

 次は、現状とビジョンについてのギャップ分析を個人的に、そしてチームとして多元的に検討し相違点をリストアップしていきます。

 最後にギャップを埋めるために今後取組むべきことを“アクションプラン”に落とし込むことで完了です。

 一連のプロセスをチーム全員で実施することで“ビジョンが共有”されていきます。

《知識と知恵》

 読売新聞の記事より

 数人の経営者と懇談をしていたときのこと。一人の社長が『学生時代は遊んでばかりで何も勉強しなかった』と言った。同級会などでよく聞く言葉である。私は『社長がそんなことを言うと、学生たちは言葉通りに受け取って、勉強したら社長になれないと思っちゃうよ。それでいいのか!』と問いつめた。
 『私は学生時代に頑張ったから社長になれた』と言えないのは“謙虚さ”といわれるものからなのか?
 『あなたは学生時代、自分の好きな本を読み、やりたいことに没頭していたのではないですか』何かに専念することも本来の大学での勉強なんです。
 会社では、上司の指示で動くのが仕事だと考える。長年そういう『仕事』に慣れてしまうと、学生時代の勉強についても誤解してしまう。“先生から言われたことを勉強しなかった”ということを“勉強しなかった”の一言で片づけてしまうのは間違っているのではないか。正確には『学生時代は、自由な勉強をさせてもらった』ということだ。
 もう一人の年配の社長は『私は、学生時代に勉強したことは、会社に入ってから全然役に立たなかった』という。『それなら、何故大学に進学したのですか』と聞くと、『大学に入ると就職の役に立つと思ったから』これも、よく聞く言葉。
 明治時代の大学は西洋の学問を学ぶことに意味があった。いわば、知識の取得が役に立つ時代だった。ただ、現代はインターネットを活用して必要な情報はたちどころに手に入るようになった。大学では、課題を本や文献で等で調べたり、実地に調査をしたりして、悩んで悩んでこれらをまとめ、一つの結論を論理的に導き出す。この過程が重要なんです。授業や研究を通じて、問題解決の考え方を身につけることが大学生の勉強であり、自分の知恵を生み出す方法の体得なんです。

 山形大学学長 小山清人氏はこう話す。

 最近読んだ本に次のような記載があった。
 多くの人は育成を、困難な状況から救い出すことや世話を焼くことと混同しがちである。育成とは、自分の力で問題を解決するよう人々を導くことであり、彼らに代わって適切な解決策を見つけることではない。

 教育とか育成といったことについて考えさせられました。

《介護報酬引き下げ》

 悪天候の中衆議院選挙も無事終了して自公圧勝の感が強い中で、今朝《介護報酬3%引き下げ》の記事を読みました。来年1月の予算編成で決定し、4月から実施との政府発表のようです。

 御存知のように介護報酬は3年に一度の改定を繰り返していますが、27年度は3年に一度の改定の年度にあたります。マスコミでも取り上げられているように特別養護老人ホームやデイサービス事業者の報酬が大幅に減少される見込みです。利用者にとっては、特別養護老人ホームの入所を原則要介護3以上といったように制限をかけられることになります。そういった中での3%引き下げは経営者にとっては大きなダメージとなることでしょう。

 2000年代全般にゴールドプランが打ち出された時に、多くの介護施設で賃金制度の見直しを実施しました。あれから10年以上経過しますが、今回の引き下げ改定への対策として《賃金制度の再改定》が予測されます。施設経営においては、一般企業と違って報酬が法律で決定される《制度ビジネス》ですから、支出の管理が大切になります。特にその支出の中で6割を超える人件費のコントロールが重要なポイントになってきます。

 これからの賃金制度は、役割・成果・職能を軸として《頑張った人が確実に報われる体系》を構築しながら総額人件費管理が可能な制度へ移行していくことが求められていると思います。

 10年前に耳にした『選ばれる施設づくり』の時代がそろそろ来たような気がします。

 

《ふるさと納税》

 時々マスコミで《ふるさと納税》が取り上げられています。つい最近も山形県天童市の例が紹介されていましたが、フルーツ等の特典に惹かれて利用する方々が多いのでしょう!特典のフルーツが追いつかないといった様子でした。

 今日は《ふるさと納税》についてシステムを確認してみたいと思います。
 ふるさと納税は、出身地や応援したい自治体に【寄付】をする制度です。その【寄付】がお得に見える理由には二つあります。
 
 一つは、税が軽減される点です。寄付金のうち2千円を超える部分が所得控除されますので、所得税の還付等を受けることができます。(所得に応じた上限あり) 但し、税軽減の適用を受ける為には確定申告が必要になります。年内に寄付をすれば来年の確定申告で税の軽減を受けられるので、この時期は関心が高まります。

 もう一つは、寄付した人に自治体が用意する特典です。地元の特産物等が多いようですけど、肉・魚・米・果物と美味しそうなものがネット上に紹介されています。数千円の価値がある特典も多く、実質出費額以上の場合もあり、寄付したのに『もうけ』が出る場合があったりします。

 11月に地震に見舞われた長野県白馬村に対して、2500万円もの寄付が申し込まれたとの記事がありました。これは国民の善意が形になったものと思いますが、《ふるさと納税》ちょっと面白い制度ですね。

《口論を避けるには》

『群盲、象を撫でる』
 皆さんはこのようなことわざを聞いたことがあるでしょうか?

 由来を説明しますと、三人の盲人が初めて象に出合った時、一人の盲人はそのキバに触れて『象とは槍のようなものだ』と思います。もう一人の盲人は象の鼻に触れて『象とは柔らかくてヘビみたいなものだ』と考えます。最後の盲人は象の胴体に触れて『象とは頑丈な壁のようなものだ』と感じるのです。

 彼ら三人はお互いの象に対する認識の違いについてあれこれと議論をするのですが、三人とも自分の認識や洞察については絶対の自信を持っているのです。

 『分別のある人間なら誰でも、君たち二人は間違っているという結論にいたるはずだ!』
 こうして彼らは延々と『自分こそが正しく、他は間違っている』とお互いを説得し続けるのです。

《コミュニケーション》

 コミュニケーションの勉強会を時々実施しますが、今日はその際使用しているチェックリストを御紹介します。

※聞くということ(タイトルです)
① 話をさえぎらないで、最初から最後まで聞く。
② 相手の目を見る。(にらまないようにして)
③ 先走って結論を出さない。相手の言うことを予測しない。
④ 言葉だけでは無くて、声のトーン、顔つき、ボディーランゲージからも感じ取る。
⑤ 相手を拒否しない。否定しない。
⑥ 相手が話し終えるまで、自分の言うことを考えない。
⑦ 適度にうなずく。
⑧ ほほえむ。
⑨ 効果的な質問をして、相手に気づいてもらう。
⑩ 受け取った内容が、相手の言いたいことかどうか、確認をする。

 さて以上10項目、あなたはどの程度出来ていますでしょうか。

《任意後見制度》

 今日は成年後見制度の一つである“任意後見制度”について書いてみます。

 任意後見制度は、認知症などで判断力が不十分な人のために、後見人が財産管理や契約などを行う制度です。成年後見制度には、認知症などで本人の判断能力が低下した際、身内などが後見人を家庭裁判所に申請する『法定後見制度』がありますが、“任意後見制度”は、本人が元気で判断能力のあるうちに後見人と契約を結ぶ制度で、本人が後見人を選ぶという点で『法定後見制度』と異なります。

 任意後見が始まって、後見人に代行してもらう内容としては
【預貯金や不動産の管理】
【老人ホームの入居手続きや利用料の支払い】
【生活費の送金】
【要介護認定の申請】等々ですが、任意後見制度の契約内容は公証人役場で公正証書として作成します。

 制度の利用にあたっての注意点を池田利子(社会福祉士)さんは次のように説明しています。
 任意後見制度は、親族がいない人向けと考えられがちだが、親族がいても自分らしく一人で老後を送りたいという人にも考えてほして仕組みだ。
 後見人は介護などをしてくれる人ではなく、自分の望む老後の生活に必要な契約や金銭管理を代行してくれる人。まずは、どのような老後を送りたいのか、自分で主体的に考えておく必要がある。例えば、自宅か施設か、どこで介護を受けたいのか、財産を取り崩す時はどの財産から処分したらいいのか、などだ。
 後見人は、自分より先に判断力が衰えては困るので、20歳くらい年下の人がいいだろう。信頼できるか見極めるのは難しいが、その人にキャッシュカードを預けてもいいと思えるかどうか、といった点が一つの目安になる。

《否定命令》

 人が頭の中で一度に描けるイメージは一つだけです。
 肯定的なことを思うと同時に、否定的なことを意識することはできません。

 勝つシーンと負けるシーンを、同じ画面に描くこともできません。ですから、あなたが誰かに何かを伝える時は、その人に『何をイメージさせるか』がとても重要になります。
 
 そこで今回は『否定命令』 『肯定命令』について考えてみたいと思います。
 『今日も一日、事故の無いように気を付けて仕事をしましょう』【否定命令】
 『今日も一日、身の安全をしっかり確保して仕事をしましょう』【肯定命令】

 脳は『~~してはいけません』という命令に対しては、はじめに『~~された状態』をイメージしてから、意識して否定するというステップを踏むのです。さらに『心のスクリーンに描いたイメージ』は、そのイメージを実現させようと無意識に力を働かせ、身体を反応させます。

 子供に『転ばないで!』と注意すると、子供が思い描くイメージは自分が転んでいる姿であり、転ぶ確率が高くなります。転ばせたくなければ、『ゆっくり、前を見てちゃんと歩いて!』と伝えるのが正解です。

 ついつい否定命令が口から飛びて出てしまいます。意識しないといけませんね。