月別アーカイブ: 2014年3月

《功には禄を、能には職を》

 人事考課の時期です。評価にあたり頭を悩ませている方々もいらしゃるのではないでしょうか!

 徳川家康は『功には禄を、能には職を』といった有名な言葉を残しています。

 どうゆうことかというと、忠誠心が強い三河以来の旗本には、禄高を抑える代わりに幕府の要職を与え、外様大名などには何十万石もの禄高を与えるけれども、幕府の要職には就かせないという家康流人事管理です。
 
 現代風にいえば、どんどん売上実績を上げてくれる社員には報酬で十分に報いるが、もし会社を愛する気持ちに欠けるのなら、昇進スピード(役職)を落とし逆に会社を愛してくれる人なら、昇進スピードをあげるといったことでしょうか!

 人事制度を構築・提案の際に意識していることは《頑張った人には頑張っただけ報いる》制度を出来るだけシンプルに創り込むことです。複雑すぎて“何を頑張ったら良いのか”が、ぼやけてしまっては本来の目的を達成することが出来ません。この『功には禄を、能には職を』という家康のコンセプトは、価値観をシンプルに伝えていてとても分かり易いです。

 定期的に我社の人事考課での価値観を確認してみる必要があるかもしれません。

《目標を再確認しましょう》

 人は人、吾はわれ也 とにかくに 吾行く道を 吾は行くなり

 この一首は、哲学者・西田幾多郎の歌です。京都の観光名所『哲学の道』から、法然院へと向かう道端の石碑に刻まれています。強い信念を持って、自分の人生を切り拓いていこうとする気概が感じられます。

 人は仕事を通じて、多くの経験を経ることで自信をつけます。さらに真摯に仕事に打ち込むと、この自信が強くゆるぎない信念となり、やがて、その分野におけるプロフェッショナルへと成長します。

 しかし、誰もが『吾行く道』を順調に踏めるわけではありません。どのような人生にも試練は必ず起こるもの。時には行き詰まり、時にはスランプに陥り、予期せぬ横やりに遭うこともあるでしょう。

 そのような時には、一旦立ち止まり、改めて『吾行く道』の先にある、自分の目標や夢を再確認してみてはいかがでしょう。

 目標や夢が明確になれば、『吾行く道』がきっと見えてくるはずです。

 職場の教養より        

《ベアの原資を管理職へ》

 興味深い記事を読みましたので、ご案内したいと思います。

 私も、三月に入って2社ほど昇給・ベアに関しての相談を受けました。
 確かに、消費税の増税が控えていますので望ましいことだとは思うのですが、あるブログの記事では『ベアの原資があれば、管理職に回すといった考えもあっていいのでは!』とありました。

 私も共感しました。

 今、現場では『役職』になりたくない現象が起きています。いわゆる『昇進』を嫌う社員です。
 彼らは『多少の手当てがついても、責任が重くなるのは嫌だ』と言います。
 裏を返せば、役職に対する手当てが少なすぎるのでしょう。金銭面だけではないのかもしれませんが、さしあたりベアの原資を役職手当の増額に充てるという考え方には賛成したいです。

 あるところでは、上位等級の本給をダウンしてその分を下位等級に回すといった逆の方法を選択しようとしていました。瞬間的に下位等級の社員は喜ぶかもしれませんが、組織運営の大切な社員(管理監督者)のモチベーションが落ちたり、離職に繋がったりしたら大変な事態です。

 魅力のある処遇・人事制度にしたいものです。

《定期昇給とベースアップ》

 三月に入って新聞は“ベア”の話題で賑わっています。安倍総理の要望もあってか、自動車業界をはじめとして2千円程度の金額が提示されました。

 久しぶりの“ベア”ということもありますので、定期昇給とベースアップについて整理しておきたいと思います。今更何を!とおっしゃる方も多いと思いますが、意外と知られてなかったりしますので説明しておきます。

 定期昇給については、通常年に一回一般的には四月に実施しているところが多いと思いますが、本給表に基づいて

S評価者 7号俸
A評価者 6号俸
B評価者 5号俸
C評価者 4号俸
D評価者 3号俸

 といったように人事考課の結果によって差をつけて昇給します。

 一方ベースアップは、弊社のシステムでは“加給”という表現で本給を底上げしていきますが、『定額加給』あるいは『定率加給』として社員に支給します。今回新聞紙上で取り上げているのは、この加給の部分になるわけです。

 従って、社員には 《定期昇給》+《加給・ペア》が増額されて支給されるということになります。

《今日は3・11 でした》

 今日は、岩手県で研修をしていました。三月は人事考課の時期ですから、評価の方法・フィードバック面接・年上部下とのコミュニケーション等について説明をしていました。
 
 今日は、3・11なので2時46分に黙祷を皆で行いました。3年の月日は私にははやく感じました。

 読売新聞の記事から

 人生相談
 60代の女性。いつ来るかわからない地震におびえています。
 特に夜になって、暗くなってくると、心臓がドキドキして眠れません。
 新聞に地震という文字が書いてあったり、テレビで地震と聞いたりしただけで、もう怖くなってしまうのです。
 落ち着いて、心穏やかに過ごすには、どうしたらよいのでしょう。教えて下さい。

 回答
 「大丈夫ですよ!」と確実に保証できる人はありません。
 ただ、あなたの不安が本当の意味で解決できるのは、『人事を尽くして天命を待つ』という心境に至った時です。
 つまり、防災グッズをそろえたり、食料の備蓄をしたり、寝床の横に靴を置いたり、まだやっていなければ、是非行動を起こして下さい。動くことで不安が自体が軽くなると言われていますから、お勧めです。
 うまくいって、『地震?備えはバッチリ』という心境になれば完璧です。

 
 最近、震災の報道が多いですね!
 不安に怯えている人たちが多いことも事実です。

《ミラサポ 支援事業》

 昨年九月からスタートした、中小企業庁の支援事業(ミラサポ)が一旦二月で終了しました。新たに新年度から再スタートをするみたいですが、弊社ではこの期間内で中小企業12社延べ36回の経営相談に応じました。

 医療・福祉法人のお客様が多い中で、久しぶりに一般企業の《経営戦略》《経営計画》《目標管理》《人事考課制度》に集中して相談業務を実施しました。
 
 私が感じた中小企業の経営課題は二つあります。
 一つは“事業承継”です。特に中小企業の場合は、同族支配の会社が多いですから『親から子への』事業の承継が事業永続の為の重要なファクターになっています。30年前に会計事務所で修業していた当時の事業承継では、高くなった自社株をいかに評価減して次世代に引き継ぐか!が大きなマーケットになっていました。当時は自社株の評価減の為に子会社を五つも設立して自社株を現物出資する、といったような手法がよく採用されていました。なつかしいです。
 いま一つは、いかにして“売上”を確保するか!です。物が売れない時代になっていることを痛切に感じます。40年前、学校の授業で“マス・マーケティング”のことを教授がよく話していたことを記憶しています。当時の課題は、いかに安く・たくさん生産するか!でした。造って、並べておけば売れた良き時代です。

 今回支援事業を実施して、私が学んだことは【競争から共生へ】【本物の商品・サービスの提供を】ということです。
 しばらく、考え続けなければならないテーマが見つかったような気がします。

《ちょっと、一人ごと》

 最近“あれっ”と思ったこと!

 老人福祉施設経営のお客様と御縁がてきて十年以上が過ぎました。この間私は三十法人程の人事制度構築と職員教育の仕事をお客様と一緒になって考え・悩み・業務を進めてきました。上手くいったり・つまづいたりと試行錯誤が続いています。失敗から学ぶことが重要だということにも気づきました。

 そこで、最近“あれっ”と思ったことは、≪老人福祉施設の待機者のことです≫
 話を聞くと、殆どの施設で入所定員数の倍以上の待機者がいるということです。全国に4千カ所の老人福祉施設があって、仮に平均百人の定員だとすると待機者は、八十万人になります。

 老人福祉施設に入所出きないで困っている高齢者がたくさんいるということが現実です。
 今、老人福祉施設は利用者に対する職員の数(配置基準)、個室ユニットケア、拘束禁止等サービスのクオリティーを高めるべく努力しています。取組事態は素晴らしいことなのですが、一方で入所できない高齢者がたくさんいて困っているということも事実です。
 あえて提案をすれば、職員の配置基準を緩めて大部屋方式にし、危険な場合には拘束も実施することで入所定員数を増やす。施設では必要最低限のサービスの提供(三大介護と安全)に限定する。利用料金も当然減額する。
 
 以上のような事にチャレンジするだけで、多くの困っている人々が救われるような気がします。
 こう考えるのは私だけでしょうか。

《セールスにプロファイリングを!》

 四つの知覚チャンネル

 セールスのシーンでは、相手が判断や決断をする際に優位な知覚チャンネルに合わせたトークが必要です。

 『視覚型』には「良くご覧ください」
 『聴覚型』には「詳しいご説明を致します」
 『読解型』には「資料をお送り致しますので、お読みください」
 『体感覚型』には「実際にお試しください」というトークや試供品の提供が効果的

 商談におけるプレゼンでも同じことが言えます。相手のパターンに合わせた効果的なアプローチ方法を紹介してみます。
≪視覚型≫ 55%
 事前の資料の作り込みが最重要。パワーポイントなどで見栄えの良い資料を作成します。グラフや写真を多用して視覚に訴える等の工夫を凝らすことが大切です。

≪聴覚型≫ 30%
 見栄えのする資料を作ったからといって安心できません。プレゼン当日の説明・トーク力次第で相手は判断するでしょう。質疑応答まで丁寧に対応することが不可欠です。

≪読解型≫  3%
 読み応えのある資料を作成する必要があります。

≪体感覚型≫12%
 実際に試してもらえるようなサンプルがあれば言うことなしです。

 相手を知って合わせる努力が必要です。

《魔法の言葉》

 Kさんは営業第1部に転属して5年目に、念願のトップの実績を挙げました。
 
 しかし、一つの悩みを抱えていたのです。幾つもの改善策を練り上げ、折に触れて提案してきましたが、あと一歩のところでいつも保留になります。『必ず部の業績は上がる』という自信があるだけに、気が滅入り始めていました。

 ある日、尊敬する先輩が、顧客に電話をしている声が聞こえてきました。その応答には『大変でしたね』『良かったですね』『それはご立派でした』という共感の言葉が、頻繁に使われていることに気づきました。

 そして、『大変でしたね・良かったですね・立派ですね』といった共感の言葉は、運命を拓く『魔法の言葉』だと、以前聞いたことを思い出しました。

 ≪提案が採用されない理由の一つに、共感不足があったのではないか≫と、気づいたKさん。その日以来、対話をする際には『魔法の言葉』を心をこめて丁寧に言うように心がけました。Kさんの共感力は日ごとに成長していきました。

 数カ月後、Kさんの改善案が、部の第一方針として採用されたのでした。

 職場の教養より

《アスペルガ―症候群》

 次の文を読んで、問に答えなさい。

 一郎さんと花子さんは、味がよいことで評判の高級レストランに入りました。ところがレストランは人でいっぱい、なかなかボーイさんが注文を取りに来ません。
 30分くらい待たされてやっとボーイさんがやってきました。ところがこのボーイさんは態度が悪く、30分も待たせたのに、まったく詫びる気配もありません。
 一郎さんはボーイさんに言いました。

『ふーん、さすがは高級レストランだね』

 それでは、質問です。

※最後の言葉を言った一郎さんの気持ちは次のどれでしょう。
①待たせてもあやまらないボーイの態度に感心した。
②高級レストランらしいボーイのふるまいをほめた。
③ボーイさんの態度に腹を立てた。

 なんでこんなものが問題になるのか?と思われるだろう。正解は当然③だ。ところがアスペルガ―症候群の人には、①や②を選んでしまう人がいるのだ。それは、アスペルガ―症候群の人は、言葉とその言葉が運ぶ感情を認知することが苦手だからだ。
 アスペルガ―症候群の人は、対人的認知機能に問題があるので他人の気持ち、感情を理解するのがうまくできない。

 研修を実施していると『我社にもアスペルガ―らしき社員がいます』といったことを耳にします。
 複数の仕事を言いつけるとパニックになってしまうので、ひとつ終了したら新たに与えるという配慮が必要なのかもしれません。
 三月四月は、新しい人材が入社する時期です。個々人にあわせた対応も必要です。