月別アーカイブ: 2014年1月

《長所伸展法》

 先日、船井総研創業者の船井幸雄氏が亡くなりました。心より御冥福をお祈りいたします。
 私は、昨年の夏頃に船井先生の本を初めて読みました。現在数百冊の本を出されているようで、何冊か読んだ中から、今日は『長所伸展法』についてご紹介します。

※『好きなこと』と『長所=得手なこと』を伸ばし、活かし、愉しんで、自分のため、人のため、世のためになることを志して生きる。
 私の親しい教育家にマキノ正幸さんがいます。マキノさんは沖縄アクターズスクールをつくった人で、天才の卵を集めてきて天才にすることの名人です。マキノさんに匹敵する教育家は梅澤重雄さんです。梅澤さんは日本航空学園という学校の理事長をしています。驚いたことにこの学校の卒業生の就職率は100%なのです。一人に20ヶ所くらいから就職の依頼がきています。
 ここの卒業生は入社した途端に会社の役に立つような働きをしてくれて、しかも将来にわたって会社に忠誠心をもってくれるというのです。
 梅澤さんのやり方は、常人を集めてきて人財にしています。一方マキノさんは、天才の卵を天才にする。どちらがいいかは別にして、ポイントはどちらも生徒の一番好きな事、一番やりたいことを徹底して伸ばしているということです。短所を改善しようなんてしないことです。
 誰にでも長所や好きな事がありますから、特にトップは部下に対してはそれを認めて伸ばしてあげてください。部下の長所と好きな事を伸ばしてあげれば、生き生きと仕事をしてくれます。これが人財づくりのポイントです。

 ピーター・ドラッカーも同じことを言っていますが、もう少し強烈です。
『人の短所とか弱みは克服できない』と・・・・・!

 困ったことに、人の欠点ばっかりが見えてしまいます。

 

《M・B・O (目標管理)》

人事考課制度を設計・提案する際に弊社では、目標評価についても30%~50%のウエイトで評価項目に組み込みますが、セミナーにお出でになられた方々のお話を聞くと、目標評価の組み込まれていない人事考課制度を運用しているというところが結構あって驚かされます。

確かに『目標管理制度』を運用するのは難しい面があります。
①目標設定(組織目標)
②目標設定(チーム目標)
③目標設定(個人目標)
④目標面接(すり合わせ)
⑤中間面接(進捗確認)
⑥自己評価
⑦上司評価
⑧フィードバック

プロセスを時系列に書き出しただけでもかなりの労力と脳力を使います。目標設定も個人に三つ程度要求しますと、現場から悲鳴が出でくる場合がありますが、上長が丁寧に説明して納得して頂くことで解消されていきます。もし、現場からの不満が多かったり、納得してもらえないとするならば、それば上長に問題があるのだと私は感じています。
組織力の一つは、職員一人一人が自ら考えて行動する力だと思います。そういった意味では『目標管理制度』の運用は極めて効果のある仕組みではないでしょうか!
中長期にわたる努力の積み重ねが、大きな組織力の差になるのだと思います。

《デレゲーション(任せる)》

 マネージャー入門より

 デレゲーション(任せる)を行う
 
マネージャーの初期の段階では、部下に仕事を任せるのが苦手な人が多いのではないでしょうか。しかし、ひとりの人間が対応できる仕事量には限りがあります。部下と共にチームで仕事をすることで、自分ひとりで行うよりも何倍、何十倍もの成果を出すことができるのです。そこで必要となるのがデレゲーション(任せる)です。
 
デレゲーションとは文字通り“他の人に仕事を任せること”です。マネージャー初期の段階でデレゲーションを行う際に大切なことは『2・6・2の法則』における6割の中間層が対象と考えることです。
 
上位2割の優秀な社員は自分で考え行動できるので、必要以上の仕事の指示は相手のモチベーションを低下させかねません。一方、下位の2割の社員の場合、デレゲーションに固執しすぎると組織に悪影響を及ぼす可能性があります。あまりにもやる気のない人の対応は、プロジェクトメンバーから外すなどの組織的な対応が必要でしょう。
 
こうした理由から、6割の中間層がポイントになるのです。
 
そこで大切な事は、仕事を任せっぱなしの“放任”にならないように注意することです。『信頼すれど信用せず』の精神で上司の立場から確実にチェックし、指示した限りは最後まで面倒を見る必要があります。部下のやる気や行動を信用しても、失敗したら自分で責任をとるのがマネージャーの務めです。

《継続力をつけるべし》

 マネージャー入門から

『継続は力なり』・・・・・・。これは誰もが理解し、誰もが少なからず意識して努力していることだと思います。人生を賭けたような大きな目標を掲げる必要はありません。日常生活の小さな積み重ねが継続力を養うのです。自ら決めたことをコツコツと続ける力。それは自律した人間だからこそできる習慣です。逆に考えると、日々の小さい積み重ねが難しい人は、仕事でも継続力を発揮できないといえるでしょう。
 
 また『夢を語ること』の大切さについても考えさせられます。これは居酒屋で酔いに任せ、その場かぎりの夢をうそぶくことではありません。棋士の羽生善治氏が『才能とは、情熱や努力を継続できる力』だと著書で語っています。
 
 大リーグのイチロー選手の活躍の背景には、地道な努力の積み重ねがあるのは誰もが知っていることでしょう。つまり、夢を語り続け、そこに向かい努力し続けることが大切なのです。成功する為の唯一の道は、あきらめずにやり続けることです。何ごともあきらめず、最後まで継続できる人がチームに夢を与え、目標を達成に導くことができるのです。

《コミュニケーションとコーチング》

 東経大コミュニケーション学部 遠藤准教授の記事から

 スポーツを教えようとした時に、同じ言語を話す相手なのに全く意図が通じずに苦労してしまうことがよくあります。言語を共有しているからコミュニケーションが成り立つとは限らないということを、スポーツが教えてくれるのです。
 
具体的な例を挙げれば、ある選手に対して『相手のことよりもボールに集中してきなさい』と試合に送りだしたところ、試合後に『集中することに集中しすぎて、集中できませんでした』といわれ、びっくりしたことがあります。この選手は言葉よりも、身体を通じてスポーツを理解するタイプだったのでしょう。こうした本能でプレーするタイプには、言葉で説明しても混乱するだけです。
 
どうすればよいコーチができるのか、私は考えました。そして、その選手に対しては極力言葉による説明を省き、求めているプレーを実際に目の前でやって見せるようにしたのです。
 
そして『何も考えなくていいから、私がやっているとおりにあなたもやってみなさい』と指導したのです。目からの情報を自分のものにする能力に長けていたその選手は、それからぐんぐん伸びていきました。

 目からの情報処理能力・耳からの情報処理能力・言語処理能力と人によって差があること、そしてタイプに応じた対応が大切だということを教えてくれてます。

《セミナーを終えて》

 1月20日は、仙台アエルの特別会議室で“新春セミナー”を開催しました。当日は、社会福祉法人常盤福祉会の黒田理事長・大沼事務局長・渡邊課長様の3人から講義を頂きました。法人の本部の業務、人材育成の取組について2時間弱のお話だったのですが、参加者の方々も熱心に聞いておられました。
  
 講師の皆さま、ご参加頂きました方々に心より感謝申し上げます。

《ひらめきはメモをする》

 ひらめきや思いついたことは、その場でメモをしましょう!
 どういうわけか、ひらめきやアイデアはすぐに消えていきます。ですから、すぐその場で記録することが大事なのです。
 大きめの付箋をポケットに入れてたり、携帯電話やボイスレコーダーを利用したりと皆さん色々と工夫しているという話をよく聞きます。

 こういった“ひらめきやアイデア”は、潜在意識からのメッセージといわれます。思い悩んでいる難問・課題を潜在意識レベルでは休むことなく考え続けています。そして、ある時解決方法が突然浮かんでくるのです。誰もが経験していることではないでしょうか?
 また、このようなひらめきやアイデアはリラックスしている時とか、真夜中に目が覚めた時とか、そのことに関して考えていない時にふと湧いてくるというような特徴もあります。枕元にメモ用紙を置いておくのも知恵の一つかもしれません!

 研修を実施していて感じる三つのタイプがあります。
①まったく聞く気のないタイプ(当然メモをとらない)
②なんでもかんでも全力投球タイプ(板書を全部メモする)
③効率配分がわかっているタイプ(ポイントをメモする)
 メモをとることは確かに大切なことなのですが、②タイプのように講義で話されたこと、黒板に書かれたことをすべてそのままノートにとろうとする人は、どれが重要でどれが重要でないかの判断を避けていますから、最終的に混乱してしまうことになります。
一方③タイプは、いわれたことを自分の頭で取捨選択し、必要な個所だけ加工して処理できますから、講師が板書したことでも自分がわかっていることはあえて見逃します。ノートにとるまでもないと判断するのです。
ポイントを外さない工夫が必要です

《指示待ち症》

 以前も書き込みましたが、再度です。

 少し古いですが朝日新聞に掲載された65歳の女性からの投書です。
 『斬新なコスチュームに身を包み、街角でたばこの新製品を配っていた若い娘さん。杖をついてあるいていた夫に手渡そうとして「失礼ですが、二十歳をすぎていらっしゃいますか・・・・」  夫は75歳です!』

 マニュアルに忠実な若い女性のことを話題にしていますが、色々と考えさせられるテーマです。
 私が疑問に感じるのは、いくらマニュアルに書いてあるとはいっても『杖をついている75歳の人に向かって』「二十歳を過ぎていらっしゃいますか」とは如何なものだろうか?ということです。
 
 昨日の新聞に“イオン”の広告が大きく掲載されていました。
 
 イオンは、酒類、たばこ販売におけるタッチパネルでの年齢確認の方法をあらためます。
 これまで、明らかに二十歳以上とわかるお客様にも
 タッチパネルでの操作をお願いしていました。
 お客様にはお手数をおかけしていたことを深くお詫び申し上げます。
 今後はタッチパネルの操作に頼らず
 従業員がお客様とのコミュニケーションを通じて判断させて頂きます。

《永遠のゼロ》

 470万部を超える大ベストセラー小説『永遠の0』が上映されていますが、久しぶりに映画館で鑑賞してきました。レイトショウなので1200円。画面の大きさ、お腹に響く音量はさすがにテレビではあじわうことができませんね。感動して帰ってきました。

 御存知とは思いますが、太平洋戦争で特攻隊員として出撃し国のために命を捧げるという物語なのですが、V6の岡田准一が好演です。
 『生きて帰りたい』と何度も妻と長女の白黒写真を握り締め口にします。“うるうるきます”
 
 太平洋戦争を分析した『失敗の本質』野中郁次郎著でもふれていますが、アメリカとの圧倒的な物資の差と情報収集能力の差によって最初から勝敗は決まっていたように感じます。日本軍の暗号は早くに解読されており、作戦・戦略は筒抜け状態だったようです。敗戦が濃厚になるにつれて“特攻作戦”が実行されることになるわけですが、実に数千人の若者の命が失われています。

 争いにより何かを奪い合うことが未だに世界各地でおきています。残念なことです。
 
 岡田准一が演じた宮部久蔵は当時26歳でした。特攻隊員として出撃した多くは二十歳前後の若者でした。
 今日は成人の日ですね、感慨深いです。

《人事考課・頑張っています》

 人事考課制度の運用指導を実施していると、時々タイトルの“頑張っているんですけど! 一生懸命にやっています!”といった言葉が出てきます。それも、考課者(役職者)からの発言として多いと感じています。
 
 まずは、“頑張っているんですけど”の言葉の後には、『どうして私の評価が低いのでしょうか?』という不満感情が隠れているわけです。
 皆さんはどのように考えますか。
 少し整理してみると、一生懸命に頑張ることは勿論大切な事だと思います。ただし、この場合(役職者)には違うものが求められています。例えば、能力とか成果とかでしょうか。
 入社したての新入生の場合には『頑張ってくれたので』高評価です!!もあるかもしれませんが、役職者の場合には成果を“見える形で示す”必要があると思います。
 
 一般的には、『等級基準書』で能力レベル・期待するもの・役割等を明確に示しているのですが、機能していない組織もあって感情的な人事考課運用に陥ってる例も時々見受けられます。

 『努力と能力と成果をバランスよく評価する』ことが大切なのだと思います。

 目標の設定では次のような視点も必要でしょう。
 幹 部   戦略的目標
 ミドル    業績目標
 下位層   改善目標