月別アーカイブ: 2013年2月

《ロミオとジュリエット効果》 

 若者の行為に親が圧力を加えることが逆効果を招いてしまうことを最も鮮やかに描き出したものに『ロミオとジュリエット効果』として知られている現象があります。
 ロミオ・モンタ―ギュとジュリエット・キャピュレットは、お互いの家同士の不和のために二人の愛を裂かれてしまったという、シェークスピア劇の悲劇の主人公です。
 彼らを離れさせようとする親たちの企てに逆らって、このティーンエイジャーたちは、自由意思を行使する究極的な手段、すなわち心中という悲劇的行為によって永遠の愛を勝ち取ったのです。
 どうして、こんなに若い二人の間に、愛の炎があれほど急速に燃え上がったのでしょう!心理学者たちは、『親の干渉と障壁』が置かれたことで、情熱の炎に油を注いだことになったと指摘する。

 このような記事がありました。
 去年のクリスマスに私は27歳の男性と出会いました。当時、私は19歳でした。本当は私のタイプというわけではなかったのですが、交際するようになりました。たぶん、年上の男性とデートするのは一種のステータス、という気持ちもあったと思います。でも、私の家族が彼の年齢が高いことを心配し始めるまで、それほど強く彼に惹かれていたわけではありません。家族が二人のことについてうるさく干渉すればするほど、私は彼を恋するようになりました。結局、彼とは5ヶ月続きましたが、もし両親が何も言わなかったら1ヶ月で終わっていたと思います。

 自由を制限されることへの反発(リアクト)なのですが、まずは『二歳児のリアクト』として現れ、十代にも再度現れるそうです。

《電話口 “何様ですか?”と聞く新人》

 読んだ方もいらっしゃると思いますが、読売新聞にサラリーマン川柳の記事が載っていました。笑ってしまいました。

 第一生命は19日、恒例のサラリーマン川柳の入選作品100作品を発表した。ことしもサラリーマンの悲哀を詠んだ秀作が多くそろった。
 インターネットの人気交流サイト『フェイスブック』の機能に絡めた
※辞めてやる!会社にいいね!と 返される
※電話口 何様ですか?と 聞く新人
※気遣いは 昔上司に 今部下に
など、職場での嘆きの句が多く寄せられた。
 耐久性が高い発光ダイオード(LED)や人気のロボット型掃除機にひっかけた
※すぐきれる 妻よ見習え LED
※妻の言う 『うちのルンバ』は 俺のこと
など、家庭での切ない立場を詠んだ句も目立った。
 人気を集めている格安航空会社(LCC)を題材にした
※LCC 缶コーヒーかと 上司言い
※ワイルドな 妻を持つ俺 女々しくて
など、新語や流行語を反映したものもあった。
 このほか、
※党名を 覚える前に 投票日
など、政治を風刺した作品も寄せられた。
        
2月20日 読売新聞より

《目的のすり替わり》

時々、知り合いの方から(社)倫理研究所で毎月発行している職場の教養を頂戴します。1月号の記事に《目的のすり替わり》という内容のものがありました。どのような事かというと、『目的と目標を混同しないで、目的に沿った目標をたてる』ということです。まずは大きな目的があって、その目的を実現する為に複数の目標が存在するということになります。表現を変えれば、長期的な目的・短期的な目標ということですね。

職場の教養から抜粋
打開策の一例に『もう一度、目的を明確にする』という方法があります。まず最終的にどうしたいかをハッキリさせるのです。あくまでも目標や計画は『目的』を達成する為の手段だからです。
仕事や生活において、目標に重きを置くあまり、それが本来の目的とすり替わっていることはないかを、常に振り返る必要があるでしょう。
部署ごとに目的を明確にして、職務に取組んでいきましょう。

《管理者とリーダー》

 組織における管理者とリーダーの位置づけについては、どのように考えていますでしょうか!
 
 受講生の皆さんに『管理者とリーダーはどちらが上位でしょうかね?』と訊ねることがあります。理由も添えて答えて頂くのですが、実に様々な答えがあり、管理者が上位という回答や、逆にリーダーが上位だったりします。同じ組織の中で、言葉が共有されていない事に気づかされる瞬間だったりします。
 
 ここで私は、ジョエル・パーカーの『パラダイムの魔力』から説明をします。1990年代に書かれた本ですが、私が『リーダーとマネージャーの違い』に悩んでいた時に、スッキリできた内容なんです。
 ジョエル・パーカーはまず次のように表現しています。
 『管理はパラダイムの中でおこなうもの。パラダイムの間を導くのがリーダー』
 この文章を読んでスグに理解できる方は、素晴らしいです。私は、理解できるまでに何度か本を読み返しました。
 まずは、『パラダイム』の言葉の意味を確認したいのですが【枠組み・規制・規則・固定観念等】となります。仮にパラダイムを組織における規制として捉えた場合には、与えられた規制の中で組織をコントロールするのが《管理者》ということになります。一方、リーダーは規制に捉われることなく、もう少し加えると【環境の変化に対応して規制をどんどん変える者】と言えると思います。
 今、外部環境の変化スピードが速くなっています。リーダーシップが問われている時代だと感じています。
 
 管理者とリーダーは、どちらが上位であるか!というよりも、それぞれに役割と使命があるのでしょうね、
 

《営業活動の基本動作》

 最近聞いた話で、営業とは『お互いの利益の交換』とは、ナカナカ上手いことを言うものだと感心していたのですが、今日は“営業活動の基本動作”のステップについて簡単にまとめてみたいと思います。

 第一ステップ《マーケティング》
 これは、相手と自分・市場とお客様という『ベース』となる商品知識を学ぶことで、自分の持っている商品やサービスはどのような人・会社に売ればいいのか、誰のお役にたてるのかを考えます。 
 お客様の動向・経済の流れ・自社の商品シェア・競合商品等も知識として入れておいて下さい。

 第二ステップ《アポイント》
 対象者のリストを用意したり、宣伝などで集客したりして、『誰に売るか』を明確にする段階です。商品があっても、企画があっても、売り込む対象がなければ、何も始りません。『アポイントの種を』つくるのです。

 第三ステップ《プレゼン》
 商品の説明の段階に入りました。
①会社の紹介 ②商品の特徴 ③期待できる効果 ④期待できる付加価値 ⑤お客様の声 ⑥商品への意思確認

 第四ステップ《金額の提示》
 ようやく自分の商品の金額をお伝えします。
 金額=価値、もしくは金額<価値になっていないと、購入したくなりません。人は、その金額がとってもお得であると感じたいのです。

 第五ステップ《契 約》
 この段階で決断をしてもらいます。一つだけの選択からの『イエス・ノ―』ではなくて、多少の選択肢を用意し相手にイニシアティブを持たせたいものですね。コロンビア大学のシ―ナ・アイエンガ―博士が『選択の科学』で書いていましたね。【マジックナンバー7±2】

 第六ステップ《フォロー》
 契約で終わりではありません。丁寧なフォローがリピータ―に、あるいは新規顧客のの紹介に繋がっていきます。
 営業マンのゴールは、お客様のスタートです。
  

《譲り合い》

 アメリカの社会心理学者、ロバート・チャルデ―ニ氏の記事からで、『承諾』についてです。

 道を歩いていると、年のころ11・12歳の少年が私に近づいてきました。その少年は自分の名を名乗ると、自分は今度の土曜の晩に開かれる恒例のボーイスカウト・サーカスのチケットを売っているのだと言いました。1枚5ドルでチケットを何枚か買ってほしいと言うのです。土曜の晩をボーイスカウトと一緒に過ごすなどというのはまっぴらですから、私は断りました。するとその少年が言いました。『そうですか。じゃあ、チケットを買わないんだったら、チョコバーを買ってくれませんか。一本たったの1ドルなんです』。私は、二本買ったのですが、注目に値することが起きたことにすぐ気がつきました。
 なにせ、次のような事実があるのですから・・・・・。
① 私はチョコバーが好きではない。
② お金はとても好きである。
③ 私は二本のチョコバーを手にしてそこに立っている。
④ 少年は私の二ドルを持って立ち去った。

 興味深いですね。少年と教授との間に何が起きたんでしょうか。
 是非考えてみてください。

《事を大きく》

 ハインリッヒの法則のなかで、『ロジックツリー構築のプロセス』を次のように書き込みました。
① 一覧・一望・・・・・事実をしっかり見る。
② プロセス再現・・・・プロセスを再現し、見える化する。
③ 現場調査・・・・・・改めてその場に立ち、手に触れる。
④ 事を大きく・・・・・些細な事を、おおごとにしてみる。
⑤ 変える・・・・・・・何でもよいから変えてみる。やってみる。

 今日はこの中の《事を大きく》に関連するような弁護士の手記を紹介します。

 『社員がパソコンを使って、オリーブオイルの輸入販売のアルバイトをしているらしい』長年の顧問先から相談があった。この社員が昼休み時間中にパソコンを開いて、オリーブオイルの写った画像をのぞいているのを、同僚の数人が見ていた。
 『仮にオリーブオイルの輸入販売をしたとして、昼休み中のアルバイトは問題があるのでしょうか?』というのが相談だった。
 一般的には、次のような助言がなされる。
① 同僚数名から、もっと具体的な証言を集めること。
② その上で、本人に事実を確認する。
③ 就業規則では社員のアルバイトは原則禁止しているが、昼休み時間中のことなので懲戒処分に出来るかどうかは微妙である。

 しかし、私が助言する場合は違う。《事を大きくの視点と考えます》
 同僚からの聞き取りだけでなく、念の為、次の三点セットの調査を指示する。
① 交際費をあらう。
② 出張費をあらう。
③ 社用のパソコンや携帯電話の使用歴をチェックする。
 これが不正調査の出発点である。出張報告書・交際費報告書に添付された領収書をあらうと、白紙の領収書に本人が金額を書き込む例がしばしば発見される。社用のパソコンを私的な娯楽に使っている例や、社用の携帯電話でゲームをしている例は枚挙にいとまがない。三点セットの調査は、その他の不正行為を推測するシグナルである。
 私は、目の前で起きている行為が『たんなる就業規則違反が否か』の視点ではなく、『この事件の根はもっと深い、他にも不正行為をやっているに違いない』と当たりをつける。
 調査の力点の違いにより、表れてくる事実は大幅に異なってくるものである。

 調査した結果、この社員には様々な不正行為が発覚した。
 大学時代の友人との飲食、仕事に関係ない業者との会食、不必要と思われる取引会社のゴルフ大会の出張費、女性同伴を疑われる海外出張等などである。

《日本語検定》

《日本語検定》ご存知でしょうか?
私は、最近知りました。『日本語』の運用能力が低下しているのでしょうか!時々若者の言葉を聞いても理解できないことがあります。
ちょっと検定問題に挑戦してみてください。

※三級の問題です。
◆ 問題/敬語
【     】のような場面で、それぞれの(    )部分はどのような言い方をすればよいでしょうか。最も適切なものを選んで、①~③の番号で答えてください。

問 1 【取引先に、打合せを要望する】
よろしければ来週中に(       )。
① お目にかかれませんでしょうか。
② お目にかかっていただけませんでしょうか。
③ お会いしてくださいませんでしょうか。

問 2 【医者が、患者に指示する】
あせらずご自分のペースでリハビリを(      )。
① いたしてください。
② されてください。
③ なさられてください。

◆ 問題/文法
次のようなことを言うとき、《    》部分の言い方は適切でしょうか。適切である〇、適切でない✕で答えて下さい。
問 1 旅行代金の計算には、空港使用料も《含まさせ》ていただきました。
問 2 ふだん料理をしない彼に、釣った魚を《さばかせ》たのは、間違いだった。
問 3 三浦君に交渉を任せれば、相手をちゃんと説得して《こられる》だろう。

■正解■
『敬 語』問1 ①  問2 ②
『文 法』問1 ✕  問2 ○  問3 ○

《ハインリッヒの法則》

 『ハインリッヒの法則』は御存知の方も多いと思いますが、アメリカの大手保険会社の部長だったH・W・ハインリッヒが1929年に発表した労働災害における経験則である。
 『一件の死亡、重傷等の重大災害が発生する背景に、29件のかすり傷程度の軽微な事故があり、その背後にはヒヤリとしたりハットしたりした300件の潜在的事故(無償災害)がある』という。
 だから、『ヒヤリハット』に気づき、事前に対策を講ずれば、ほとんどの事故は予防できるわけである。小さなシグナルを読みとれば、将来の大事を読むことができるし、大半の失敗や事故、トラブルは防げるだろう。
 医療・介護の現場でも同様のことが起きています。研修では、ロジックツリーなどの考え方に基づいて事故対策をみんなで話し合ったりしますが、ポイントをまとめると次のようになります。

 ロジックツリー構築のプロセス
① 一覧・一望・・・・事実をしっかり見る。
② プロセス再現・・・プロセスを再現し、見える化する。
③ 現場調査・・・・・改めてその場に立ち、手に触れる。
④ 事を大きく・・・・些細な事を、おおごとにしてみる。
⑤ 変える・・・・・・何でもよいから変えてみる。やってみる。

 あえて付け加えると、この作業を当事者だけでなく皆でやってみる。

《賃金の昇給カーブ》

 縦軸に月額の基準内賃金を表示し、横軸に年齢をとって給与の軌跡を表示したものを『賃金の昇給カーブ』等と表現されていますが、カーブの角度によって賃金水準の高低が見えてきたりします。

 このカーブは右肩上がりのカーブを描くことになりますが、従前は50代前半にピークがくるように設計をしていました。出世とは別に勤続年数に応じてある程度は本給が昇給しつづける、いわゆる年功給の賃金体系でした。
 ところが現在は、35歳以降の昇給を据え置き、賃金カーブのピークを引き下げるといった傾向がリーマンショック以降顕著になっていますが、アベノミクスの経済効果によって少しでも賃金カーブのピークが上昇することを期待しています。

 賃金カーブの説明をもう少しすると、人事考課の結果が5段階評価で《5》の場合にはピークを50歳に、《4》の場合には45歳に、《3》の場合には35歳に、といったように成績別にカーブをコントロールすることになります。
 
 今、職能給から職務給へとシフトしていくような気配を感じています。