月別アーカイブ: 2013年1月

《ファシリテーター》

 私が《ファシリテーター》という言葉を初めて耳にしたのは、およそ30年くらい前になります。当時は東京で仕事をしていたのですが、先輩に『面白いセミナーがあるから参加してみないか!』と紹介されて、3日間のセミナーに参加した時に『今回御一緒するファシリテーターの●●●です』と自己紹介があったときです。セミナーは、コミュニケーションを中心にしたワークショップをファシリテーターがリードしていくといったものですが、『気付き』を大切にした内容だったと記憶しています。

 ファシリテーターとは、ファシリテ―ト【促進する・容易にする・手助けする】が語源になっていますが、チームで高い成果を出そうとした場合には重要な存在です。特に、変革を求められている組織では『変化に抵抗する人々』に対して【変化することを受け入れて】【積極的に変化する】人材となってもらう為に、ファシリテーターの存在は大きな意義があります。

 また最近感じることは、【考える人材】の育成が急務であるということです。指示待ち人材・マニュアル人材からの転換と表現した方がよいでしょうか!従来は組織の中で手足のように思われていた部署や人材が、自発的に考えて動くことが求められています。組織全体が『考える集団』でなければならないのです。お客様と接する最前線が、考えて迅速に対応できることが求められています。そういう意味でも、ファシリテーターを社内で養成していくことが重要な課題であると考えています。

《給与体系のデザイン》

 最近の人事の話題は、『高年齢者の雇用の問題』と『同一労働・同一賃金』でしょうか!
 今日は、『同一労働・同一賃金』の問題について給与体系の制度設計の面から考えてみたいと思います。
 
 まずは、弊社で提案している給与体系は《単一型の職能給》を原型としていますが、特徴としては【7等級制による管理】【年齢加算給を排除】【複線型のコース別管理】【ポイント賞与】等々でしょうか!一言で表現すれば実力主義の給与体系であり、昇給・昇格・昇進・賞与・教育といった処遇が実力・実績によって決定されます。ここ10数年にわたり多少の制度改定を実施しながら、お客様に提案・運用をして頂いておりますが、比較的シンプルで分かりやすい制度であるとの評価を頂いております。

 基本的な考え方としては《頑張った人に報いる制度》《環境の変化にあわせてメンテナンス》《現給保障で移行》等々ですが、現在は『同一労働・同一賃金』との関連もあり、有期契約社員を正社員として受け入れる為の体系整備に頭を悩ませています。

《人事考課について》

 人事考課制度の運用については日々悩みが多いことと思いますが、今日は人事考課制度について私なりの考え方を簡単に書いてみたいと思います。

 人事制度を提案するにあたり、給与体系の設計と人事考課システムの構築について勉強を始めた時は『絶対考課』『公正・公平な考課』から入りました。テキストで学ぶにあたり、書いてあることは正論でありとても良く理解できました。しかし、理論を現場に持ち込んで運用しようとすると理論のように上手くいきませんでした。今も日々『理論の世界と実務の世界の結びつくところ』を探しながら業務を進めています。

 正統派コンサルタントの方々から見ると違和感があるかもしれませんが、私が人事考課制度で大切にしている点はフィードバック面接です。その中でポイントをあげてみます。
 ① 自己評価と上司評価の違い(ギャップ)を確認すること。
   【良かった点・不足していた点・どこを改善したらA評価になるのか等々】
 ② 上司はアドバイスしようとするのではなく『ただ話を聴く』
   【日頃のストレスを吐き出させる】
 ③ 目標設定にあたっては、子供に少し大きめの服を着せる感覚で。
   【出来る目標の設定ではなくて、少し背伸びをした目標設定】

 以上の三点に意識を集中して面談に臨んで頂いております。
 絶対考課の呪縛に取りつかれてしまうと、ナカナカ前に進みません。

《聞く力》

 以前『聞く力』阿川佐和子著がミリオンセラーになったという話題を書き込みましたが、本の紹介に『分かりますは、安易に言わない』と書いてありました。どういうことなのか!気になっていたので、年末年始に本を取寄せて読んでみました。

 阿川さんが週刊誌の対談インタビューを続けるなかで気付いたことを【35のテーマ】にして本にまとめたものですが、有名人のインタビューの裏話があったりと、ナカナカ面白い内容です。
 私が気になっていた『分かります、と安易に言わない』ということについては、要約すると次のように書いています。
 『よく人は、あなたの気持はよくわかる、と言いますが、他人の気持ちがそう簡単にわかるはずはない。だから人に対して、わかる、わかると安易に言うものではありません。そして、わかる、わかると言うような人をたやすく信用してはいけません』
 阿川さんが学生時代に恩師に言われた言葉なのだそうですが、900回のインタビューを重ねるうちに次のように考えるようになったそうです。
 『わかる、わかる』は、そもそも親切心から発せられる言葉に違いありません。でも、言い方を少し間違えると、あるいは安易に使うと、ときに傲慢と受け止められることがあります。相手の話を聞きながら『ああ、わかるわかる』と思うことは確かにありますが、その瞬間『本当にわかっているのか、君は?』と自分に問いかける作業も、同時にするよう心がけています。
 少し、わかったような、わからないような!

《パラダイムシフト》

 『パラダイム』という言葉を聞くようになって久しいですね。日本語で表現すると、規制・認識の仕方・枠組み等として紹介されていますが、私は【思い込みの壁】と理解しています。人は、『こうなんだ!』と、思い込んでしまうとナカナカ柔軟に色々な視点から考えたり、見たりすることが難しくなります。特に、過去の成功体験からの脱却は・・・・・。

 今日は、チェルノブイリの原発事故の記事からの紹介です。

 ソ連の科学者のひとり、G・メドベージェフの内部告発には爆発直後、原発の技師たちがどのような行動をとったかが、描写されてあった。
 技師たちは、何が起こったのか、懸命に考えようとした。原子炉は無事だと、信じて疑わなかった。何故か。設計から考え、原子炉が爆発するはずがないと思い込んでいたからだ。
 それで、何が起こったかを見る為に、外に飛び出した。地一面を黒煙が覆っていた。放射線量機の針が振り切れてしまうほどの黒煙だ。『アスファルトの上に、何かが散らばっている。黒いものが分厚く積っている。しかし、それが原子炉から吹き飛んだ黒煙だとは思わなかった。機械室と同様に黒煙と燃料の真っ赤に焼けた断片が見えた。しかし、見たものが意味する恐るべき事実を受け入れようとはしなかった』
 聡明で、よく訓練された技師たちは、原子炉爆発のまぎれもない証拠を見ながら、爆発を示すものは何もないと判断した。彼らの頭の中では、原子炉は無事だった。そう思い込んでいたからこそ、彼らは、人々に、そしてマスコミに原子炉は無事だと言いつづけた。
 火を見るより明らかな証拠が、目の前にあった。それでも、自分たちの設計を信じて疑わなかったために、何が起こったかを示すデータを受け入れようとしなかった。
 技師たちは、大量に被曝して死んだ。しかし、本当の死因は、自分たちのパラダイムから離れられず、事実を直視でなかったことにある。

《指示待ち症候群》

 『指示待ち人材』と言う言葉を耳にした事はないでしょうか!一般的に組織において6・7割は『指示待ち人材』ではないか、とおっしゃる方もいます。
 指示待ち人材の特徴としては、一つは言葉のとおり『言われないと動かない、動けない』『言われたら動く、その通りに動く』もう一つの特徴は、『答え待ち』自分で考えないことでしょうか。
 以前朝日新聞に掲載された投書を二つ紹介します。

 ざん新なコスチュームに身を包み、街角でたばこの新製品を配っていた若い娘さん。杖をついて歩いていた夫に手渡そうとして『失礼ですが、二十歳を過ぎてらっしゃいますか・・・・・』  夫は75歳です。

 待ちに待ったピカピカの新車が来た。さっそくガソリンスタンドへ給油に行ったら、元気のいい女の子が『いらっしゃいませ!満タンですか』ハイと答える。すると今度は『洗車はいかがですか・・・・・・』

 マニュアル社会の弊害でしょうか。

《人生の教訓》

 ガツンとくる教訓でした。メルマガからの転用です。

※今、居眠りすれば、あなたは夢を見る。今、何かを学習すれば、あなたの夢が叶う。

※あなたが無駄にした今日はどれだけの人が願っても叶わなかった未来である。

※勉強に励む苦しさは今だけであり、勉強しなかった苦しさは一生続いていく。

※明日やるのではなく、今日にやろう。

※時間は絶えず去りつつある。

※学習は時間がないからできないものではなく、努力を欠いているからできないものである。

※幸福には順位はないが、成功には順位がある。

※学習は人生の全てではないが、人生の一部として続くものである。

※学習することが人生の全てとは言わないが、学習すらできぬ者に何ができるであろうか。

※人より早く起き、人より努力して、初めて成功の味を真に噛みしめる事ができる。

※怠惰な人が成功する事は決してない。

※時間が過ぎるのはとても早い。

※今の悔しさは将来喜びの涙となる。

※犬のように学び、紳士のように遊べ。

※今日歩けば、明日は走るしかない。

※一番現実的な人は、自分の未来に投資する。

※教育の優劣が収入の優劣になる。

※過ぎ去った今日は二度と帰ってこない。

※今この瞬間も相手は読書をして力を身につけている。

※努力無しに結果無し。

 さて、いかがでしたか?

《目標設定を考える》

 新年にあたって、今年の目標設定を考えている方もいると思いますので、ゴールセッティングのアプローチについて書いてみたいと思います。

【バランスのとれた目標設定】について

※設定するテーマ
①人間関係
②家庭・家族
③健康
④収入・財産
⑤社会貢献
⑥キャリア  等

※設定するテーマに対して、次の切り口で考えてみます。
①Doing (どうしたい?)
②Having(何が欲しい?)
③Being (どんな存在になりたい?)

※最後にSMARTな目標設定
Specific(具体的)
Measurable(測定可能)
Action-oriented(行動的)
Realistic(現実的)
Time-limited(時間制限)

個人の目標設定ですから、バランス良く最終結果が明確にイメージできるものが望ましいと思います。

《なでしこ佐々木監督、ノリオ禁止令》

 ヤフーに『なでしこ佐々木監督、ノリオ禁止令』の記事が掲載されていました。
 一部紹介します。
 新年早々、ノリさんの・・・・いや、佐々木監督の目がギラリと光った。『ノリオなんて言わせないよ。ボスって呼ばせます。』ボスは冗談半分としても、ノリオ禁止令については真剣そのもの。FW大野ら一部の選手は親しみを込めて、公然と名前を呼び捨てにすることもあったが、『そこを厳しく接したからって、距離が広がるとは思わない』と意に介さなかった。

 カナダWカップの優勝を目指して組織運営のアプローチを厳しくしていくといったコメントのようですね。確かに選手たちのインタビューをテレビ等で見ていると、選手たちが『ノリさん』って言ってましたね。私は、ホノボノとした印象を受けていましたし、勝利の原点がそこにあるような気がしていましたけど、手法を変えるんですね!!

 以前も書きましたが、野村監督流【動機付け】
①恐怖で動かす
②強制で動かす
③理解して動かす
④情感で動かす
⑤報酬で動かす
⑥自主的に動かす
 おそらく佐々木監督は④情感でチームをまとめていたのではないかな?と思うのですが、②強制で動かす にシフトするんでしょうね。佐々木監督のキャラクターに一番マッチした手法を変えない方がいいのではないか!!と感じているのは、私だけでしょうか。

《明けましておめでとうございます》

『明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願いします。』

 今年も早いもので『七日』になりました。当事務所の今年の基本目標は三つにしました。

【スピード感覚を高める】
【CSの向上】
【報告・承認の徹底】 原点回帰です。

 今年も、思いつくままの記事ですが掲載していこうと考えています。時々立ち寄って下さい。