月別アーカイブ: 2012年8月

《言葉の力》

 最近言葉に関心があって、“言葉”について書いている本を色々と読んでいますが、ちょっと面白い文章をご紹介します。

 『すごーい!』
 以前、週刊誌の連載に協力してくれた、現役のキャパクラ嬢と雑談をしていた時のこと。彼女に『●●さん、お昼は何を食べたんですか?』と聞かれたので、『ああ、トンカツだよ』と答えたら、間髪いれず『すごーい!』という言葉が返ってきたのです。びっくりして『えっ、なにがすごいの?』と聞き返すと『えー、わかんなーい』
 その10秒後に、とってつけたような冷めた笑顔で『うーん、なんか男らしいじゃないですかー』
 でも、『すごーい!』と言われた時、不覚にも気持ち良かった自分がいました。  “男は3語であやつれる”より

 あなたは、相手を“励ましたり・褒めたり・元気にしたり”する【究極の言葉】を持っていますか!

《等級制度》

 給与・評価制度の基本となる人事制度区分を等級制度として整理してみました。

【年功職階制度】
※概 要
 ◆ 格付は、年齢・勤続年数・学歴など属人的要素による
 ◆ 長期雇用による従業員の熟練度アップにより、会社を右肩上がりに成長させることが前提条件

※効 果
 ◆ 毎年の昇給により安心感とやる気がもたらされるので、安定的な雇用を確保できる
 ◆ 厳密な仕事の評価は不要なので、マネジメントが大変らく
 ◆ 昇給や昇格が年齢・勤続基準であるため、賃金管理実務が簡単

【能力等級制度】
※概 要
 ◆ 格付は、職務遂行能力による
 ◆ 会社業績に結びつく職能要件を常に明示し、従業員の能力を正確に測定でき、かつ、実際に能力の向上が、会社の業績、会社の成長に結びつくことが前提

※効 果
 ◆ 能力開発主義=能力向上が昇格と賃金アップにつながるため、自己啓発・職務拡大の意欲が高まる
 ◆ 職務・役職による等級・賃金変動がないため、異動させやすい

【職務等級制度】
※概 要
 ◆ 格付は、綿密な調査に基づく職務価値による
 ◆ 職務価値を正確に測定でき、これに対する賃金相場を把握できること、定めた職務価値の高さと、会社への貢献度が連動することが前提
 ◆ 流動的な労働市場が確立されている環境に適合

※効 果
 ◆ 業績貢献度の高低に応じた人件費配分を行うため、会社業績と人件費が連動し、経営的に安定する

【責任等級制度】
※概 要
 ◆ 格付は、組織における役割責任で判定する
 ◆ 会社の経営戦略を、組織編成、人事配置、目標設定に具体化し、個々人の役割責任の遂行度合を評価して賃金を決める

※効 果
 ◆ 会社が顧客に提供しようとする価値を戦略的・組織的に追及し、その貢献度合と処遇が連動する
 ◆ 組織編成と実力に対応した効率的な人件費配分が行える
 ◆ 従業員の役割意識は高まり、自律性や向上心を喚起しやすい

《サービスについて》考えてみる

 『どう見ても着たあとがあるドレスを顧客が返品しようとした時、当社の社員がどのように対応するのか』と質問されて、こう答えている。

 私には、わからない。それが正直な答えだ。しかし、顧客が丁寧な対応と心からのサービスの提供を受けたと感じる方法をとると、私は強く信じている。返品を受けるかどうかは、その時の具体的な状況によるのであり、私はどうすべきかについて、店員に広範囲な権限を与えている。店員はすべて販売の専門家だと当社では考えている。専門家には規則はいらない。基本的な指針は必要だが、規則は不要だ。ノードストロームでは、基本的な価値と基準を守っていさえすれば、仕事を進めるために何をやってもいい。  『ビジョナリ―カンパニー』より

 最近、コンビニの店員さんの対応に“アレッ”と感じたことがありました。

       

《動機づけ》

 動機づけというと『マズローの欲求5段階説』がよく引用されます。
 確認をしておきますが、マズローは人間の欲求を下から、5つの階層に分けて説明します。
 【下から】
 ※生理的欲求
 ※安全の欲求
 ※所属と愛の欲求
 ※承認の欲求
 ※自己実現の欲求
 一つ目のポイントとしては、下から満たされていくということ。

 今日確認したい二つ目のポイントは【承認の欲求】です。
 ここで、最近の新入社員『働くことの意識』調査からベスト3を紹介します。
①社会や人から感謝されることをしたい
②仕事を通じて人間関係を拡げていきたい
③どこでも通用する専門技能を身につけたい  ですが。
 ここで、マズローの承認の欲求に照らし合わせてみると【認められたい】【感謝されたい】【人の役に立ちたい】という若者意識を読み取ることが出来ます。
 報酬・褒章・表彰等による動機付けも有効な手段とは思いますが、【承認の欲求】を上手に使ってみるのも効果がありそうです。

《組織の部分最適・全体最適》

 今日は、組織の部分最適と全体最適についてまとめてみたいと思います。

 【部分最適の組織】
※スループットを向上させるために部分的な組織活動や個人の努力に焦点をあて、業績の総和を求める
※各組織・個人に目標や評価尺度を与え業績の達成を促す
※全体の統制や活動の同期をとるために、各組織・個人の活動を綿密に管理しようとする
※業績評価の基準は複雑・緻密か、もしくはどんぶり勘定であり納得感が低い
※常に価値ある行動をとるように促し、細部にわたり社員の行動や思考を管理・規制しようとする
※常に余裕がなく、失敗やリスクはダメージを与える

 【全体最適の組織】
※経営業績(成果)を向上させるために、組織活動が簡潔に統合されている
※経営システムの制約条件を活用し、組織能力を継続的に改善する
※制約条件を徹底的に管理し、他の全てをそれに従属させるが、それ以外の管理は緩やか
※業績評価の基準はシンプルである
※行動の自由を許容し、社員は自発的に協力する
※組織に余裕が有り、失敗やリスクにも耐えられる

《ニュートン的組織・ホワイトヘッド的組織》

 組織の形態をアイザック・ニュートン的考え方と、アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド的考え方の二つの特徴を比較してみたいと思います。

 【ニュートン的リーダーシップの考え】
 ① 人は怠惰で能力は低い
 ② 管理は上から成される
 ③ 権威者だけが責任を持つ
 
 ニュートン的考え方の影響は次の点に見られます。
※個人が組織の力を使う
※管理組織階層が増える
※管理資格に年功を尊重する
※過去の事実や統計を重視する
※ひとり一人の責任感が欠如する
※新しいことに挑戦しなくなる
※リーダーだけが、責任を負う

 【ホワイトヘッド的リーダーシップの考え】
 ① 人は創造的で革新的である
 ② 管理は『参加』で行われる
 ③ 責任は分担する

 ホワイトヘッド的考え方の影響は次の点に見られます。
※個人と組織のバランスが取れている
※リーダーシップと能力は全ての人が持っている
※未来はまだ決まってはいない。私たちが創り出していく
※急変する世界の成長と発展に、柔軟性が必要である
※リーダーは部下の仕事を助ける役割がある

 ニュートン的な考え方も、ホワイトヘッド的な考え方も、それぞれ大きな価値を持っています。私たちには両方が必要です。仕事・生活の中で両方の良い部分を統合させ効果をあげることが大切です。

《役割分担と協調性》

 ここ最近オリンピック競技がテレビで連日放送されています。日本選手も頑張ってメダルを獲得していますが、予定より金メダルの数は少ないようですね。
 ところで皆さんは陸上競技の“リレー”で不思議に感じたことはありませんか?
 例えば、“400メートルリレー”にしましょう。一人100メートルずつ役割分担をして4人で走る競技です。仮に、一人100メートルを10秒で走ることが出来るとすると、400メートルリレーの結果は40秒となるはずです。ところが興味深いことに39秒とか38秒といったように40秒を下回る記録になるのです。
 どうしてこのように不思議な事が起きるのでしょうか。これには“バトンゾーン”が影響してます。走者と走者がバトンを引き継ぐゾーンです。いわゆる【共有ゾーン】ですね。
 これを仕事に置き換えてみると、組織のなかでは『組織目標の達成にむけて一人ひとり役割分担』をしながら活動しています。この役割分担を厳格にしすぎると【共有ゾーン】がなくなって、ギスギスした連携の悪い組織になります。逆に役割分担が緩いと“他人への依存”が生じて個人の力が充分に発揮されないということが起きます。
 組織運営にあたっては、重要なポイントになりますね。

《言語心理学》

 『LABプロファイルで人を動かす』という本を最近読みました。本の帯に【刺さるコトバがすぐに見つかる】と書いてあり、思わず買ってしまったのですが、色々と興味深いことが書いてありました。

 以前“メラビアンの法則”に関して書きましたが、まずは再確認から!
 コミュニケーションにおいて、人が相手のどこに影響を受けるかを調べたデータによると・・・・
※視覚情報(見た目)    55%
※聴覚情報(声のトーン等) 38%
※言語情報(話の内容)    7%
 このようなデータを示すと、『話の内容は7%の影響しかないのであまり重要ではないのか?』と解釈してしまう方が多いのですが、本当にそうなのでしょうか。

 それでは、ちょっとあなたの周囲で聞こえている音に意識を向けてもらえますか?
 どんな音が聞こえているでしょうか?
 エアコンの音?
 自動車の音?
 周りのガヤガヤした音でしょうか?

 どうでしょう。
 この通りに文章を読んだ方は、周りの音に意識を向けたのではありませんか?私の誘導のままに・・・・。
 もし、その通りであれば、私は言葉だけであなたに影響を及ぼしたことになります。
 『つまり、言葉一つで人を動かすことが可能となるわけです』

 今回読んだ本は、『影響言語』について触れていました。