月別アーカイブ: 2012年2月

《新年度の目標設定にあたって》

 この時期は、四月の新年度を目前にして《四月からの目標設定》の研修等が入ります。目標設定を考えるにあたってよく使用する手法の一つに《SWОT分析》があります。10年以上使い続けている手法になりますが、私にはわかり易くてお客様にもお勧めしながら研修を実施しております。

 概要は、自社のあるいは自部門又はチームの課題とか問題点を探すことからスタートします。次は、見つかった課題や問題点にどんな手を打つのか?打ち手を考えます。ここから各人にブレイクダウンして目標管理としてスタートを切ることになりますね。
 SWОT分析では、まず我社の強み・弱みといった内部能力の分析から考えていきます。これが簡単そうでナカナカ出てこなかったり、弱みばっかりが出たりします。ここで注意しなければいけないのは、自分が強み・弱みと考えていることは主観的なものですから、どこかと比較してみるという作業が必要だということです。所謂【相対評価】ベンチマーキングの手法です。自分が強みと考えていることは、他者のデータ等と比較して本当に優位に立っているのかの確認です。逆に弱みと思っているものも、他者に比較して本当に劣っているのかという視点も必要になります。出来れば、強みをたくさん発見したいですね。強みで勝負したほうが、勝つ確率が高まると考えます。
 内部能力をしっかり把握したら、次は外部環境の変化を予測します。おそらく、プラスの変化・マイナスの変化が有ると思いますが、最近は外部環境を《お客様》や《ライバル》に絞って変化予測する機会が多くなりました。10年前は、セオリー通り外部環境の変化を《機会》《脅威》という切り口で考えていましたが、少し応用がきくようになりました。
 
 内部能力の把握・外部環境の変化を抽出したら、マトリックス上に整理して課題を探していきます。ご参考までに、資料室のほうにSWОT分析のシートをアップしてありますので、興味のあるかたはダウンロードして下さい。

《価値観の共有とは》

 今日は、【価値観の共有】ということについて考えてみたいと思います。
 
 社内研修のプログラムの中に、【業務質問シート】というワークが有ります。チーム目標・個人目標・業務課題等複数の問いに対して記入をして頂くものなのですが、その質問の一つに『あなたの担当している職務のなかで、重要だと考えるものから順に5つ記入して下さい』という項目があります。受講生の皆さんにゆっくり考えて記入してもらい、私が一人一人にヒヤリングをしていきます。社内研修ですから、同じチーム・同じ課の方々で、上司と部下、同僚という立場で参加していますが、以外に一人一人が重要だと考えるものに【バラつき】があるのです。
 何を言いたいかというと、『各人が、重要・大事だと考えていること』所謂【価値観】が共有されていないのです。もちろんしっかり共有されている組織もありますが、多くは共有されていないように感じます。《共有する》という言葉だけが独り歩きしているような気がします。時々立ち止まって、我社の・我が課の・我がチームの価値観の確認をする必要があるかもしれませんね。

 ちなみに、《共有する》ということを、私は『一緒に考え、一緒にゴール設定すること』と伝えています。

《ジャック・ウェルチ流の人材の見方》

 少し古い話になりますが、2001年にGEの会長を引退した、J・ウェルチの人材に対する4つの見方をご案内します。

 彼は、【価値観の共有】と【成果・業績】という二つの視点から次のように4つのタイプに人材をわけます。
※タイプ1
 成果・業績を達成していて、組織の価値観を共有している人材
※タイプ2
 成果・業績を達成せず、組織の価値観を共有できない人材
※タイプ3
 成果・業績を達成できないが、組織の価値観を共有している人材
※タイプ4
 成果・業績は達成できているが、組織の価値観を共有していない人材

 そこで問題は、どのタイプの人材を2番手の人材として評価するのか?ということなのですが、あなたはどのように考えますか。
 まずは、1番手と4番手は判り易いですよね。1番手は、タイプ1、4番手はタイプ2ということになります。次に、業績を挙げている人材と価値観を共有している人材のどちらを2番手として高く評価するのか?ということになるわけです。
 J・ウェルチ流の表現をとれば、『手前勝手にスタンドプレーをして今は業績が挙がっているが、そんな奴は、やがて干されるから気をつけろよ』《タイプ4》『今は業績が挙がってはいないが、組織の考え方が理解できて頑張って奴は、やがて成果を出してくるから心配するな』《タイプ3》と言ってます。
 価値観の共有を大切にしているわけですが、とても興味深い人材に対する視点ですね!

《人材開発から習慣を変える》

 前回は、自分自身の潜在能力の発揮を制限している、【メンタルブロック】について書いてみました。今日は、メンタルブロックの一つである《習慣》についてフランクリン・コヴィー博士の『七つの習慣』からご案内します。
 
 習慣を変えるには、何度も繰り返して身につけることが必要です。反応する前に次のようなことを試みてください。
※誰かの言葉に腹が立ったら、にっこり笑顔で返してみましょう。
※今日一日、自分の言葉にじっくりと耳を傾けてみましょう。
※今まで勇気がなくてできなかったことを今日実行してみましょう。
※付箋やメモなどに『私の気持ちを、○○○には決めさせない』と書いてみましょう。
※親や友人、同僚や上司と喧嘩したら、自分から先に謝るようにしましょう。
※いつも気になっていて自分ではどうにもならないことがあるなら、すぐに頭から追い出しましょう。
※怒る前に心の停止ボタンを押すようにしましょう。
※『私の一番不健康な習慣は???』それを何とか変えると決意してください。

 習慣を変えるには、四~六週程度の時間を必要とする、と言われています。習慣づくまで繰り返すことが大切です。

《経営戦略と人材開発》

 人材開発といった視点から企業を見た場合、一般的に『人材開発という発想のなさの問題』が見えてきます。もう少し具体的にいうと、技能訓練中心の教育に偏っており能力開発的な機会が少ない為に、ミドル階層の思考力と問題解決のスキルが不足しているように感じます。
 コーチングの立場で目指すべきものは、【潜在能力の発揮】にあります。一部では、人は生涯かけて【潜在能力の3%しか使っていない】と言われています。実にもったいない気がしますが、いかがでしょうか。潜在能力の発揮を妨げているものは、いったい何なんでしょうか。
 私たちは、自分自身の潜在能力の発揮を制限しているものを《メンタルブロック》と表現しています。メンタルブロックには4つあります。
 ①習慣【昔からのやり方に頼り、新しいことを避けようとする】
 ②態度【目標や課題に対して消極的になり、出来ない理由を探そうとする】
 ③思い込み【固定観念や思い込みが強く柔軟な考えが取れない。頑張っている限り成果が出なくても仕方ないと考える】
 ④期待【自分にはこれくらいしか出来ないという低い期待感】
 以上のようなことがブレーキとなり、自分自身の能力や可能性を充分に出し切っていないことは確かなようですが、あなたはどうですか。

 次の質問に答えてみてください。
 ※あなたが伸ばしたいと考えている習慣・態度は何でしょうか?
 ※あなたが矯正したいと考えている習慣・態度は何でしょうか?

 
 

《経営戦略と人材開発》

 今日は、企業経営について考えてみたいと思います。
 《一つの側面は経営戦略》平易な言葉を使うと『我社は何をして食べていくのか』ということに対して、仕掛けとか仕組みを創っていくことになりますね。『儲かる為の仕掛け』とか『儲かる為の仕組み創り』になると思いますが、ここ10年位SWОT分析の手法による戦略とビジョンビルティングをご案内してきました。
 御存知のように、SWОTというのは【強み】【弱み】の内部環境と【機会】【脅威】の外部環境の四つの頭文字を取ったものですが、何を目的に分析をするのかというと『変化対応』になります。プラスの外部環境の変化、マイナスの外部環境の変化に対して我社の強みを伸ばしたり、弱みを克服して変化対応して生き延びるということです。Jコッタ―は、リーダーのミッションは『変化をマネジメントすることだ』と言ってます。
 現場で、SWОT分析のプログラムを運用して気づくのは、会社によって我社の『強み』がたくさん出る会社と、我社の『弱み』がたくさん出る会社に分かれます。傾向として、我社の『強み』がたくさん出る会社のほうが業績が良いのです。『弱み』にフォーカスしている組織と『強み』にフォーカスしている組織の差が業績に反映されるわけですが、これから戦っていくにあたって、強みをしっかり把握して強化したほうが効率が良いということになります。
 さて、あなたの組織の方々は、どちらにファーカスしていますか?

《イメージ化ということ》

 『イメージできるものは実現できる』と言われますが、人生で成功するためには、まず『自分を信ずること』が大切だと思います。
 人は、イメージできるものは実現することができます。しかし、イメージできないものは手に入りません。未来は目に見えません。しかし、人生を切り開いてゆくカギは、見えないものを信じる力なのです。
 私たちは、目標を設定し、『脳の活性化システム』を働かした時、すでに『証明はされていないが確固とした信念』を持つことになります。
 コロンブスは、あらかじめ証明はできなかったのですが、『大陸を発見する』信念と確信を抱いていました。歴史に残る偉大な業績はどれも、証明はされていないが確固とした信念に基づいています。

 成長、発展を促すのは高い期待感です。この高い期待感は、自分に対して、あるいは他人に対して、強い信念を持つことを求めます。次のような強い信念こそ、証明なしで目標を設定することを可能にします。

 ※私たちは賢い  ※私たちは出来る

 このように信じることは、あなたが『なりたい自分』を手に入れるうえで大いに役立つはずです。

《引き続き快適ゾーン》

 あなたは、普段次のような言葉を耳にしたことはありませんか。
※うちの会社は小さいから何をやってもダメ
※人手が足りない
※私にはそんな知識もスキルもない
※社長がダメだから、社員もダメなんだ
※世の中上手くいく人は最初から決まっている
※自分の学歴じゃこの仕事が限界だ
※人脈もコネもないから何もできない
※あの人がうらやましい。あの地位があれば何だってできる

 どうでしょう?まさかあなたは言っていないですよね!これは、物事に対する捉え方、考え方を示しています。いわゆる認知の仕方です。そして、本人は大真面目で本当のことを言っているつもりかもしれませんが、どれも不正確で不完全です。
 このような、物事の見方、考え方、観点、判断基準【認知】に気をつけなければいけません。上記のような誤った認知を持っていると、自分で限界をつくってしまうことになってしまいます。≪快適ゾーンの中に閉じこもってしまいます≫『自分には出来ない』と思い込んでいる人が、何かを達成することができるでしようか。
 認知とは、メガネのようなもの。レンズを通して周囲を見る限り、見るものすべてに最初から【思い込み】というフィルターがかかっています。
 あなたは、会社に対して、お客様に対して、友人に対して、すでにさまざまな思い込みをしている可能性があります。『あの人はこうゆう人だ』という考えを『本当にそうだろうか?』と疑ってみてください。意外な気づきがあるかもしれません。

 過去に成功しているが故に失敗する・・・・・・というパラドックス
 過去の成功体験からの脱却・・・・・・・・・・アンラーニング

《快適ゾーンに戻るな》

 人は皆自分の中に【快適ゾーン】という領域を持っていることを書きました。時として【快適ゾーン】は、自分自身の能力の発揮を制限しブロックしてしまいます。快適ゾーンから外れた時に、『困難なことをやるべきではない』 『新しい仕事を探すべきではない』等と囁き、新たな課題に挑戦しないですむもっともな理由・言い訳を自分自身でつくりだし、元の居心地の良い場所【快適ゾーン】に引き戻そうとします。これは、自分の思い込みがそうさせているだけのことで、本来は新しい課題に挑戦したほうがいいに決まっています。
 しかし、こういう場合は新しい課題に取組んでも、強い思い込みが働いていますから、良い結果が生み出されることはありません。『ほら、やっぱりダメじゃないか。だから、最初からやめたほうがいいといったんだ』という結論に落ち着くことが目に見えています。

 では、どうすればいいのでしょうか。
 しつこいですが、アファメーションよるイメージ化とビジュアライゼーションの方法によって、快適ゾーンを拡げ、あなた自身の基準を高めていくことができるのです。イメージ化とビジュアライゼーションを正しく使うことを身につければ、これは誰にでも実現可能なことです。快適ゾーンを継続的に拡げていけば、つねにクリエイティブに物事を考えることができるようになり、同時に、リラックスして自由な動きができるようになるのです。
 アファメーションのポイントは、≪未来に起きて欲しいことを現在形で語る≫ことでした。

《快適ゾーンは能力発揮を制限する》

 あなたの快適ゾーンは、パフォーマンスを限定し、その結果としての未来を限定します。快適ゾーンは、私たちの潜在能力の発揮に限界をもうけているのです。
快適ゾーンが人間にどのような作用をもたらすかを考えてみましょう。自分が快適ゾーンから外れていると感じた時は、落ち着かない気持ちになります。これが原因で、人は何かにつけて失敗をするようになります。例えば、つまづく、机のものを落とす、コーヒーをこぼす等です。面接の準備をすっかり整えて、話す内容を練習していたにもかかわらず、いざその場になると、話そうとしていたことがまったく思い浮かばなくなるなどもそうです。
 快適ゾーンの外にいると、自分の記憶から情報を引き出すことすら出来なくなるという典型的な例といえます。また、快適ゾーンの外にいると、情報のインプットも遮断されます。何かを指示されたり、説明を受けたりしても、その内容をきちんと受け取れなくなるのです。
 こうした快適ゾーンの作用は、人間の自己制限機能の働きをします。自分の快適ゾーンを拡大しようとして挑戦しますが、こんなふうに囁きます。『居心地の良い場所、元の快適ゾーンに戻ったら』と・・・・・・・。つまり、人は、自分が緊張や不安を感じることなく自然に行動できる範囲=快適ゾーンの中に納まるように、無意識のレベルで自己制限機能を働かせているということです。
 快適ゾーンの存在は、あなたの潜在能力を解放する足かせになっています。快適ゾーンに制約されている限り、あなたはその範囲の中でしか能力を発揮することができない、ということになります。
 こうした自己制限機能に制約されずに自分を高めるには、自分自身に対する想定や期待のレベルを上げていくことが必要です。そのための有効な方法が、アファメーションと思い込み【セルフトーク】のコントロールです。理想・望ましい状態のイメージ化とビジュアライゼーションがポイントです。