《動機づけ理論》

 今日もアルフレッド・アドラーの名言からです。

 叱られたり、ほめられたりして育った人は、
 叱られたり、ほめられたりしいと行動しなくなる。
 そして、評価してくれない相手を
 敵だと思うようになるのだ。

 いまだにアメとムチ、すなわち、ほめたり叱ったりすることで人を育てることが正しいと信じている人が多くいます。それは明らかな間違いです。ごほうびやほめ言葉につられて、私たちの言う通りの行動を取る人がいたとしたら、その人は自分の意思で行動しているのではありません。ですから、私たちがごほうびやほめ言葉をやめてしまえば、その行動を取らなくなります。つまり、ごほうびやほめ言葉で相手を釣る限りは、一生それをやり続けなくてはならないということになります。しかも、私たちが見ていないところでは、相手はその行動を取らなくなる。私たちが見ている時にしか、その行動を取らないのです。

 その逆であるムチ、すなわち罰や叱ることで相手の望ましくない行動を防ぐのも同じことです。自分の意思で行動をやめるのではないですから、強制がなければ問題行動を続けるに違いありません。私たちの監視の目が届かないところでは、相手は問題行動を取るでしょう。つまり、アメとムチは何の問題解決にもならないのです。

 それだけではありません。アメとムチ、ほめたり叱ったりすることでコントロールされることに慣れた相手は、自分をほめてくれない時に私たちを敵だと思うようになります。『なぜほめてくれないのか』と責めるのです。私たちは相手をコントロールしようとしてはいけません。それは教育ではありません。むしろ逆効果になってしまうからです。

 テーマは『動機づけ』ですが、難しいですね!