《どうにもならないこと》

 ウェイン・W・ダイナー著 『シンプルに生きる』から

※ なぜ明日の天気に気を揉むのか
 天候が人力では変えられないということぐらい、今さら言うまでもないはずである。だが、胸に手を当ててつらつら考えてみると、気温や風、雨、嵐などについて自分がどんなに気を揉んでいたかがわかる。そのことが実は、あなた自身が犠牲になっていることの証なのだ。
 もちろん、無理して『悪天候が好きだ』というふりをする必要はない。だが、天候によってあなたが少しなりとも縛りつけられているとしたら、考え方を変えるようにしたほうがよいだろう。

※ 一日は24時間はそれ以上でも以下でもない
 好むと好まざるとにかかわらず、時間は常にまったく同じペースで流れていく。1日は24時間なのだ。時の経つのが速すぎるとか遅すぎるとか、一生こぼしつづけることもできるけれども、そんなことを言って悩んでいるうちに、いつの間にか少しずつ年をとってしまうのだ。

※ 自分の年齢を逆から数えることはできない
 年齢は、変えることはできない。たしかに、外見や態度、服装を変えることはできる。そして、自分をいくつと感じるかといった意識を変えることはできる。しかし、実際の年齢は、どうしようもないのだ。年をとったものだ、とこぼしても、何も変えられない。むしろ、こぼせばこぼすほど、実際よりもずっとふけて、疲れ果て、油がきれて、身体の節々が痛むような気がするくらいのものなのだ。

 この世界で何かを変える為にはたらきかけるというのは、本当にすばらしいことである。しかし、自分の立場をわきまえることも、変えられないことを受け入れることもまた大切である。