月別アーカイブ: 2015年4月

《アドラー心理学Ⅱ》

 前回に引き続きアドラー心理学で強く印象に残ったことを御紹介します。

 課題の分離・・・・アドラーは言います。ある事実に対して他者がどのような評価を下すのか。これは他者の課題であってあなたにはどうにも出来ないことなのです。私の提案はこうです。まずは、『これは誰の課題なのか?』を考えましょう。そして課題の分離をしましょう。どこまでが自分の課題で、どこからが他者の課題なのか、冷静に線引きするのです。そして、他者の課題には介入せず、自分の課題には誰一人として介入させない。これば具体的で、なおかつ対人関係の悩みを一変させる可能性を秘めた、アドラー心理学ならではの画期的な視点になります。

 自己受容と自己肯定・・・・アドラーは言います。自己肯定とは、できもしないのに『わたしはできる』『わたしは強い』と、自らに暗示をかけることです。これは優越コンプレックスにも結びつく発想であり、自らに嘘をつく生き方であるともいえます。一方の自己受容とは、仮にできないのだとしたら、その『できない自分』をありのまま受け入れ、できるように前に進んでいくことです。自らに嘘をつくものではありません。『変えられるもの』と『変えられないもの』を見極めることです。ありのままの『このわたし』を受け入れること。交換不能なものを受け入れること。そして変えられるものについては“変えていく勇気”を持つこと。それが自己受容です。

 最後に、アドラーは言います。『幸福とは貢献感である』と。

《アドラー心理学》

 組織とか人事の仕事をしていると、動機づけとかコミュニケーションについて考える機会が多くなり自然と心理学に関心を持つようになり、時々そのような本を読みます。最近出合った“アドラー心理学”について少し紹介します。

 フロイト・ユングについてはよく耳にしますが、“アルフレッド・アドラー”については今回初めて知りました。アドラー心理学は欧米では絶大な支持を得ているようで、『どうすれば人は幸せに生きることができるか』という哲学的な問に、きわめてシンプルな答えを提示しています。私は一冊の中に何個か興味を持った部分がありました。

 まずは、『トラウマを明確に否定します』・・・・アドラーは『経験それ自体』ではなく、『経験に与える意味』によって自らを決定する、と語っています。例えば、幼いころに虐待を受けたという出来事が、人格形成に及ぼす影響がゼロだとはいいません。影響は強くあります。しかし、大切なのは、それによって何かが決定されるわけではない、ということです。私たちは過去の経験に『どのような意味を与えるか』によって、自らの生を決定している。人生とは誰かに与えられるものではなく、自ら選択するものであり、自分がどう生きるかを選ぶのは自分なのです。

 認知心理学で説明している、『ある事実をどのように認知するか』によって“楽観的”になったり“悲観的”になったりすることと共通しているように感じました。『ある事実』は、基本的にニュートラルであり、それをどのように自分が認知するか?あるいは意味づけをほどこすか?ということなんでしょうね。

 ふたつ目は、『承認欲求を否定します』・・・・・アドラーは、他者から承認される必要などないといいます。むしろ、承認を求めてはいけないと。承認されることを願うあまり、他者が抱いた『こんな人であってほしい』という期待をなぞって生きていくことは、ほんとうの自分を捨てて、他者の人生を生きることになる。

 マズローの承認欲求との関連について私なりにゆっくりと考えてみたいテーマになりました。

 もう少し書きたいことがありますが、次回にします。

《変わらない味》

 職場の教養より

 創業以来『変わらない味』を看板に掲げ、繁盛している店があります。

 親子三代で通い続けるファンがいる、ある老舗ラーメン店は、実は少しずつ味を変えているそうです。『日々の進化なくして、変わらない味は守れない』と、店主はきっぱりと言い切ります。

 時代や嗜好の変化に合わせて、少しずつ味を変えていかなければ、食べ手が昔から『旨い』と感じている料理にはならないからだそうです。

 人気店や老舗店ほど、実はこうした日々の研鑽を重ねているものです。小さな改良を積み重ねてこそ、世代を超えた多くのファンに支持されるのでしょう。

 これは飲食業界に限らず、他の多くの業界にも当てはまります。世の中は常に移り変わっています。

 時代やお客様のニーズに応えられるように、変えるべきは変え、守るべきところは断固として守りぬく。そうした姿勢が、地域に深く根を下ろし、お客様から永く愛される会社であるために必要なのでしょう

《言葉を大切に》

 職場の教養より

 人格は言葉に表れると言われます。Fさんがそのことを実感したのは、今から20年ほど前のB氏との出会いからでした。

 初めて会って話した時、しぼんだ風船がパッと膨らむように、自分の心が温かくなっていくのをFさんは感じました。

 ≪何故だろう、B氏がいろいろなことを知っているからだろうか?人柄が穏やかだからなのか?≫考えても理由がわかりませんでした。

 ところが、二度三度と会ううちに、あることに気がついたのです。

 Fさんが何か尋ねると、B氏は必ず『あなたも知っているように』と言ってから、的確に答えてくれるのです。その言葉には、たとえ年下であっても、話し相手の人格を尊重する心がにじみでています。

 質問するたびに『えっ、そんなことも知らないの!』と言われたら、聞く気も失せてしまうでしょう。B氏を尊敬し続けるFさんは『あなたも知っているように』は、話し相手の人格をも向上させる言葉だと信じています。

《就業規則を考える》

 『みんなの就業規則』から  下田直人・日比野大輔共著

 一般的に就業規則は企業秩序の確立と維持、そして労働時間や休日、賃金などの労働条件の明確化のために作成されます。

 労働条件がはっきりしなければ、どのように働き、いつ賃金がもらえるのかなど不明瞭であり従業員は困ってしまいます。それについては、労働基準法でも就業規則の中で必ず明示する事項として定められています。

 もう一つの作成目的は、会社という人の集合体が、集団としての望ましい状態を保つためです。その為には、一定のルールを確立する必要があるからです。これが、『服務規律』『懲戒処分』などという項目でルール化されています。

 これらが一般的な就業規則の作成目的です。この作成目的、つまり『何のために作るのか?』の部分が実は非常に重要です。ここに会社の考えが落とし込まれるからです。しかし、現実にいろいろな会社をみていると、この目的が抜け落ちてしまい、ただ就業規則を作成することが目的となってしまっているのです。

 また、作成目的が明確になっていたとしても『会社にとって不都合な従業員をうまく処分できるように。できれば、会社から去ってもらうことができるように』ということが主目的になっている会社が多いようにも思えます。そのために、禁止事項としての『服務規律』を詳細に定め、それに違反した場合の懲戒処分をこれまた詳細に定めます。あたかも従業員は放っておけば必ず悪さをするので、会社が先回りして禁止事項を定めておき、厄介な事に巻き込まれないようにするためにルールを定めているように思えます。もちろん、就業規則を作る目的は会社によって様々ですし、いかなる目的があろうが否定しません。しなしながら、私たちは『経営者が従業員と一緒に会社というコミュニティー発展のために活動していく』ことが経営者も従業員も幸せになる道であると信じており、就業規則もそこにつながってく必要があると考えています。

 規則で縛る・罰する⇒コミットメント(参加)⇒共生へ と組織運営の手法が変化してきているのだと感じました。
 まずは、経営理念を第1条に
 服務規則は社員に考えてもらう
 丁寧な社員説明会の実施
 以上のような改正ステップをふむようです。
 

《マイナンバーQ&A》

 読売新聞の記事より

 Q・・・マイナンバー制度とは?
 A・・・社会保障サービスの提供や徴税を適正に行うため、国民に12桁の番号をつける仕組みを指す。『税務』『社会保障』『災害対策』に用いられる。税務当局は納税者の情報を把握し、申告漏れを防ぐ。

 Q・・・具体的な利用法は?
 A・・・年金や雇用保険、災害時の支援金の受給資格の確認などにも活用する。関連法の改正案が成立すると、医療分野の一部にも広がる。地方自治体や健康保険組合が行う予防接種やメタボ検診の記録も番号で管理でき、引っ越しや転職をしても記録を引き継ぐことが出来る。希望すれば2018年から金融機関の預貯金の口座番号とマイナンバーが結び付けられる予定だ。

 Q・・・どう通知するのか?
 A・・・今年の10月、国内に住民票を置いている人に、番号の『通知カード』が簡易書留で届く。来年1月以降、市区町村の窓口で通知カードと引き換えに、顔写真と住所、氏名、性別、生年月日が記された『個人番号カード』を受け取る。カードは公的な身分証明書としても使える。

 Q・・・システムは?
 A・・・政府と自治体をつなぐシステムの完成時期が、今年3月末から7月末に延長されるなど作業が遅れている。自治体同士で情報をやり取りするのは17年からだが、対応は大変だ。

《休みの種類》

 同じ『休み』でも、法定の休日と有給休暇、それに公休とでは扱いが異なります。
 
 法定休日は、労働基準法で企業が労働者を休ませなければいけない日のことで、働く義務はありません。一週1休または四週4休が最低基準で、年に換算すると52日。

 一方の有給休暇は、労働義務がある日に給与をもらって休める日ということになります。正社員の場合、6か月以上働き、8割以上出勤すれば、1年につき最長20日が与えられます。未消化分の繰り越しもできます。パートさんたちも要件を満たせば一定の有給休暇を取得できます。会社は有給休暇の申し出を原則として拒否できないし、取得の目的も問われることもありません。

 公休は、一般的に土日・祝日など会社の就業規則で定められた休みのことで、年間100日以上とする企業も多いですが、法定休日を超える分は、会社が独自に上乗せをしたものとなり、公休が消化できていなくても、法定の休日が守られていれば違法ではありません。

※有給休暇の義務化
 正社員・パートを問わず、年10日以上の有給休暇を取得できる労働者を対象に社員に日程等の希望を聞き、5日分を取得させる義務を負うようになります。

《脳の話し》

 人間をコントロールしているのは大脳です。大脳は脳幹、大脳辺縁系、大脳新皮質の三つに大別されますが、脳幹の上部には間脳があって、ここが自律神経の働きとホルモン分泌の働きを調整しています。

 現代の神経生理学は、あらゆる実験を通じて人間の潜在意識(実は間脳の働き)が、神経細胞のひとつひとつにまで管理力を及ぼしていることを証明しました。間脳は強力にイメージしたことを現実化していきます。間脳意識(潜在意識)でガンも治り、植物人間も甦るのです。

 また、間脳の働きは、サイコ・サイバティネクス(心の自動制御装置)の働きをします。間脳に情報を入れると、間脳は入れられた指示通り、その目標にむかって自分で舵取りをして進むのです。

 有名なアメリカの整形外科医マクスウェル・マルツは、1960年に『サイコ・サイバネティクス』という本を書き、ベストセラーになりました。

 その中で潜在意識は人間のサイバネティクス(自動制御装置)であると書かれています。潜在意識に目的を与えるとサイバネティクスが働きはじめます。人はきわめて精巧につくられている自動装置で、どんなコンピューターも及ばないというのです。

 マルツのいう潜在意識とは、間脳意識にほかなりません。間脳(潜在意識)を有効に活用して目標の実現を手にしたいものです。

《社内コーチ養成》

 社内にコーチを養成することを目的に二年がかりで研修を実施してきたある法人で、年度末に役職者を対象にした研修が実施できたことの報告を頂きました。嬉しかったので少しだけご案内します。

 研修のテーマ“活力ある組織を作るためには”
 社内コーチ二名が役職者10名に上記テーマで研修を行った。
 研修最後のフリートークで次のような話が出たそうです。

①皆が同じ目標を持ち、同じ方向を向く
②異動が当たり前という意識を持つ 新しい風
③職員の意識を変えるリーダーの役割
④昔からのやり方からの脱却、新しい考えを取り入れる
⑤モチベーションの上げ方は?
⑥指示されたことしかやらない
⑦朝礼のスタイルが10年変わっていない
⑧今やっていることを捨てられない
⑨和気あいあい・狎れ合い 緊張感も必要
⑩個々人の温度差

 役職者の方々に組織の運用とか管理といった課題意識が出てきたように感じました。元気な組織が創られることを期待します。