月別アーカイブ: 2013年12月

《良いお年を迎えて下さい》

 今年も残すところ少しとなりました。思いつくままに色んなことを書いてきましたが、私が関心があることは“組織運営”についてです。
 組織運営に関係があると思われること《経営戦略》《目標管理》《評価制度》《モチベーション》《行動心理》《NLP》《コーチング》等々、自分の考えを整理する機会にしながらのつぶやきでした。
 読んで頂いた方々に心から感謝申し上げます。

 来年も積極的に書いていきたいと思いますので、宜しくお願い致します。
 それでは、良いお年をお迎え下さい。

《目的志向型と問題回避型》

 何か行動を起こそうとする時に、どちらのほうが、あなたはやる気が高まりますか?
 “目標を達成しようとする時” “問題を解決・回避しようとするとき”

 プロファイリングでは次のように説明しています。
※目的志向型
 目的志向型は、自分の目標に意識を集中します。目標達成という観点から物事を考えるのです。所有したり、取得したり、達成したり、到達することでやる気が高まります。目標を達成することに関心があるので、物事の優先順位をつけるのが得意です。目標を持つことで意気が上がり精気も養われます。
 その一方、問題点を見つけたり、それを回避したりするのは得意ではありません。そのため、極端な場合には、起こりうる問題に対してまったく無頓着な人と思われることもあります。

※問題回避型
 問題回避型は、実際には起こらないことのほうが多いものの、避けるべき事態や問題を意識します。解決すべき問題や回避するべきことがあると、やる気が高まります。脅威によって力を出すのです。問題回避型で行動する人は、無意識のうちに『何がうまくいかないか』ということに注意を向けているため、問題の処理や解決がじょうずで、起こりうる障害を予測することも得意です。
 このパターンを持つ人は、否定的な状況に遭遇すると、考えたり反応したりするため、目標に注意を向け続けることが苦手です。問題に取組みはじめたら、ほかのことが目に入らなくなります。

 目的志向型 40%  問題回避型 40%  両面型 20%

《戦略的課題解決方法》

 事業経営における二つの課題解決手法について考えてみたいと思います。

《現状分析アプローチ》
 一つの方法としては、現状を分析することによって“経営課題・問題”を抽出し、この課題・問題を戦略的に解決しながら前に進んで行こうとする手法ですが、実感法による課題・問題の抽出法と分析法による課題・問題の抽出法とがあります。
 実感法による課題・問題の抽出法だと現在発生していたり、すでに起きている課題・問題が中心に出て来ます。一方分析法の場合は、環境の変化予測を同時にやりながら進めますので、これから起きるであろう課題や問題が抽出される傾向にあります。

《ビジョン設定型アプローチ》
 もう一つの“ビジョン設定型アプローチ”は、現状から離れた所にまずはチャレンジ目標を設定して、『向こう側から現状を見降ろす感覚で』プロセス上にある“解決すべき課題・問題”を探し出すという手法になります。時系列に一つづつ丁寧に障害物を見つけます。

 いずれの手法も、まずは我社の・我がチームの“課題・問題”をしっかり見つけるということからスタートするわけですが、時々『経営課題・業務課題が明確になっていますか?』といった質問に対して、答えが返ってこなかったりします。一年に一回位は“我社の現状分析”を実施してほしいものです。

 最後に出てきた“課題・問題”に対して、対策を考えることになりますが、次の四つの視点で考えて頂きます。
※新しくやること
※拡大・強化・スピートアップすること
※徹底すること
※止める・見直しをすること
 以上の四つの視点から戦略的実行計画にまとめることになります。

《上杉鷹山》

アメリカのジョン・F・ケネディー大統領が生前日本人の記者団の質問に『私が最も尊敬する日本人は上杉鷹山です』と答えたという。そのお嬢さんが日本大使として就任され、山形県でもお出でいただくように積極的にアピールしていますね。

三十年程前に読んだ『上杉鷹山の研究』童門冬二著の中に私の好きな場面がありますので紹介します。

鷹山が江戸から米沢藩に初入国する際に、雪深い板谷宿で野宿をしいよいよ米沢城に近づいて行く途中で籠を止めて家臣に掛けた言葉です。

『お前たちに話したいことは、実はこういうことだ。福島から米沢への国境を越えて、板谷宿で野宿し、沿道の光景を見ながら私は正直に言って落胆した。絶望もした。それは、この国が何もかも死んでいたからだ。おそらくどんな種を植えても、この国では育つまいという気がした。だから今、領内に残っている人間たちの表情に希望がないのだ。それを私はよみがえらせなければならぬ。しかし、そんなことは私には出来ない。私は、いい気になって今までお前たちに改革案を作らせたが、しかしそれを受け入れる国の方が死んでいた。私は甘かった。・・・中略・・・
そのためには、まず、お前たちが火種になってくれ。そしてお前たちの胸に燃えているその火を、どうか心ある藩士の胸に移してほしい。その持ち場持ち場で、待っている藩士の胸に火をつけてほしい。その火が、きっと改革の火を大きく燃え立たせるであろう。』

その後、快適な状態にどっぷり浸かっている藩士の抵抗を受けるのですが、べに花・よね織等の産業を興しながら改革を着実に進めていきます。

最近の言葉を使えば“イノベーション”を起こしたということだと思いますが、実に多くの学びがあります。

《医療・福祉施設の離職率》

 ここのところ医療・福祉施設の求人難と離職率の高さが、お伺いする法人でお話をされますが、最近厚生労働省の『雇用動向調査』が発表されましたので内容を少し確認してみたいと思います。

 データは、男女別で年齢別の入職率と離職率です。

≪男性≫
福祉分野 24歳以下 入職率63.0 離職率16.4  30歳代 入職率16.1 離職率17.0 
全 産業 24歳以下 入職率42.7 離職率25.0  30歳代 入職率10.6 離職率10.7

福祉分野 40歳代  入職率14.8 離職率14.1  50歳代 入職率17.3 離職率17.0
全 産業 40歳代  入職率 7.2 離職率 7.7  50歳代 入職率 5.7 離職率 7.0

※男性の場合は、入職率は高いのですが30歳代からの離職率が全産業と比較すると高くなっています。報酬面や人材育成といった視点での強化が必要でしょうか!

≪女性≫
福祉分野 24歳以下 入職率36.5 離職率20.5  30歳代 入職率16.6 離職率16.1
全 産業 24歳以下 入職率44.9 離職率30.4  30歳代 入職率17.3 離職率17.3
福祉分野 40歳代  入職率19.2 離職率12.7  50歳代 入職率13.8 離職率13.7
全 産業 40歳代  入職率15.0 離職率12.8  50歳代 入職率 9.0 離職率10.7

※女性の場合には、全産業と比較して離職率は高くありません。

 人事課題としては、男性職員の定着率をいかに高めていくか?ということになりますね。   

《トップダウン型組織とボトムアップ型組織》

 前回は、株式会社武蔵野の小山社長の組織運営についてご案内致しました。今日はもう少し考えてみたいと思います。

 小山社長のスタイルは、トップダウン型組織運営で“社長の決定を伝え、社員はそれを実施する”といったものでした。
 特徴を整理してみると、
※トップが組織の力を使う
※管理階層が増える
※管理資格に年功を尊重する
※過去の事実や統計を重視する
※ひとり一人の責任感が欠如する
※新しいことに取組まなくなる
※トップだけが責任を負う

 一方、責任の分担や参加を重視したボトムアップ型組織運営の特徴といえば
※個人と組織のバランスが取れている
※リーダーシップと能力は全ての人が持っている
※急変する環境の変化に柔軟性を持っている
※リーダーは、部下の仕事を助ける役割がある

 トップダウン型もボトムアップ型もそれぞれ大きな価値を持っています。組織運営には両方が必要なのだと思います。両方の良い部分を統合させ効果をあげることが大切なのです。

《優秀な人などいらない!》

 株式会社武蔵野の小山社長の著書に“優秀な人などいらない”という内容のコラムが掲載されていましたのでご案内します。

 中小企業にとってもっとも必要な人材は『社長の決定を忠実に実施してくれる人』です。もっと言えば、それに向かって汗をかいてくれる人です。
 頭がいいとか、アイデアをいっぱい持っているとか、企画力に優れているなどを私はまったく重視しません。いくら能力があっても、社長の決定を実施しない人は会社の足を引っ張るだけだからです。なまじ能力がある分、会社は多大な迷惑を被ることになります。
 中小企業の社長と幹部は、まずそこを理解するべきです。
 たいていの会社は優秀な人材を求めます。しかし『社長が決定し、社員はそれを実施する』という基本において、それが中小企業をうまく機能させる構造です。
 会社がうまくいかないのは『社長の決定に問題がある』か、『社員が実施していない』かのどちらかです。『優秀な社員がいるか、いないか』ではありません。
 大切なのは優秀な人を採ることや、会社に引き留めることではありません。
 そこそこの人材でいいから、しっかりと汗をかいてくれる人を集めて、みんなを同じ方向に引っ張っていくことが重要です。

 社長が戦略を決定し、ベクトルをあわせて愚直に実施することなんでしょうね!!

《中小企業の経営理念》

 中小企業の《経営理念》は、どの程度の企業で作成されているのか興味のあるところですが、仮に経営理念が作成されていたとしても『どこかの引用』だったり、形骸化して『社員に浸透』してなかったりと色々と問題を感じることがあります。

 理念経営・・・・ノードストロームの事例から

 ノードストロームの社長が講演で『どう見ても着たあとがあるドレスを顧客が返品しようとしたとき、貴社の店員はどんな対応をするのか?』との質問に対して次のように答えている。

 わたしにはわからない。それが正直な答えだ。しかし、顧客が丁寧な対応とサービスを受けたと感じる方法をとると、わたしは強く信じている。返品を受けるかどうかは、その時の具体的な状況によるのであり、わたしはどうすべきかについて、店員に広範囲の権限を与えている。店員はすべて販売の専門家だと当社では考えている。専門家には規則はいらない。基本的な指針は必要だが、規則は不要だ。ノードストロームでは、基本的な価値と基準を守ってさえいれば、仕事を進めるために何をやってもいい。  ビジョナリ―カンパニーより

 理念の大切さを上手に説明していますね!

 最近、ある経営者に『後継者と一緒に再度会社の理念の見直し』を提案致しました。創業時に作ったそうですが、『会社存続の意味』をもう一度後継者と一緒に考えるいい機会、とおっしゃていました。
 最後に、理念はシンプルにとアドバイスをしました。

《メンタリズム》

 最近テレビ番組に『メンタリストのダイゴ』が出演していました。以前はよくテレビで見かけていたので久しぶりのパフォーマンスに懐かしさを感じました。

 たまたま二ヶ月位の間にダイゴの本を三冊程読んでいましたのでテレビの内容も興味深く見たのですが、パフォーマンスの一つに観客の中から一人選んで簡単な絵を描いてもらうというものがありました。テレビでは、青色系の洋服を着た若い女性が選ばれて前に出てきます。次に六種類のマジックペンから一本を選んでもらって、そのマジックペンでイメージした果物の絵を白い紙に描かせるといったものでした。ダイゴは、若い女性が何を描いているのかは見えない状態で、同時に白い紙に自分も絵を描きます。
 ここで!同時に二人が白い紙に描いた絵を公開するのですが、不思議な事に二人とも『葡萄の絵』を描いているのです。

 ダイゴの本の中でも同様のパフォーマンスが付録のDVDで紹介されています。ここでは『自動車』を二人が描いていました。何度かDVDを見たのですが、からくりは解らなかったです。

 テレビでダイゴが解説をしていましたが、まず彼の目標が『今日は葡萄の絵を描かせる』ということだと気がつきました。その目標に向けて、実に注意深く各プロセスにおける選択権を絞っていくのです。若い女性が『青色のマジックペン』を選択するように!

 最後に私にとって多少違和感があったのは『青色からイメージする果物は葡萄ですよね』と言ってたことでしょうか?