《二者択一で早い結論を》

 勉強しても怒られる、しなくても怒られる。家庭内のコミュニケーションが常に八方ふさがりだと、育った人間に心理的影響を与えるとイギリスの研究家グレゴリ―・ベイトソンが1956年に発表。
 それをミルトン・エリクソンが催眠療法用に拡大させたのが『ダブル・バインド』という会話法です。訳すと『二重拘束』ですが、ネガティブな意味はないので、【二者択一を迫って早く結論を】というときにお勧めです。
 ポイントは、お願いしないこと。
『この指輪をお買いになりますか?』ではなく、『プレゼント包装にします?それとも自宅用?』
『いつかお家におじゃましたい』ではなく、『明日近くまで行くのだけれど、2時と5時、どちらが都合がいい?』
『週末は部屋の掃除してね』ではなく、『土曜と日曜、どの日に掃除する?』
『コピーを100部お願い』ではなく、『コピー100部だと、今日中、明日の午前中、どっちが確実?』
 限定した条件のなかで、二つの選択肢を用意し、『ノ―』というひと言ですまされなくしてしまう会話のトリックです。

『デートしよう』ではなく、『食事に行く?それとも飲みに行く?』
もしも『ちょっと時間が無くて』と言われたら、『じゃ、お茶だけでも軽く行こうよ』と言えばさらに選択肢が広がります。

“ザ・メンタリズム”  DaiGo著 より