人事考課」カテゴリーアーカイブ

《人事考課の時期ですね》

 3月の年度末になりました。決算・予算編成・人事考課と多忙な日々をおくられていることと思います。 

 今日は、人事考課のポイントを確認しておきましょう。

【人事考課の期間】
 例えば、昨年10月から今年の3月までの半年、というように。
 2年前の強く印象に残る出来事に引きずられないように注意してください。
【発揮能力で評価】
 保持能力ではなくて、発揮能力を評価するようにしてください。人は、潜在的に高い能力や可能性を持っています。重要なことは顕在化された能力、成果とか結果を確認して評価したいものです。
 【先入観を捨てる】
 人は思い込みを持っています。先入観・決めつけ・思い込みを捨てて【事実】を評価しましょう。

 たくさん書いても頭に入らないので、3つに絞ってみました。

 最後に人事考課のポイントは《部下のモニタリング》と《部下の行動記録メモ》だと思います。この時期に慌てないように、部下の良かった点・気になった点を日常的にメモに取る習慣を身につけたいものですね。

 

《人事考課エラー》

 今日は、人事考課エラーについて考えてみたいと思います。

 人事考課の際に留意しなければいけないポイントが何点かありますが、考課エラーに関連してきますので並行して記載します。

 【入手容易性バイアス】
 特に生々しい印象を受けたものや最近起こった出来事は、鮮明に記憶に残るということですが、入手容易性バイアスによって二年前に起きた強烈な出来事(プラスやマイナス両面がある)や直近の出来事の影響を考課の際に受けやすいといったエラーがあります。考課期間は(半年とか1年間)決まっていますから、その期間内の出来事を評価しなければなりません。

 【確証バイアス】
 情報は客観的に収集されると仮定しているが、先入観とか思い込みによって自分の信じる情報に対して過度の重きを置く一方、矛盾する情報は軽視するということです。

 人事考課で大切なことは、具体的な行動・事実を評価することですが、そのためには【部下のモニタリング】が重要になります。

 お勧めしていることは【職務行動記録簿】を丁寧に記入するということです。
 

《評価尺度》

 目標管理制度を運用していると《評価尺度》という問題が時々起きます。通常目標を設定して、プロセスを実行計画書に落とし込んで結果を評価するということになると思いますが、この場合に【事前に100点レベルの確認】が必要になる、ということです。

 例えば、目標を【クレーム0】と設定します。仮に前期のクレーム発生数は10件だったとします。こういった場合に、0~3件で100点  4~6件で90点  7~9件で80点といった具合に決めるということです。

 ここで難しいのは『評価尺度』のさじ加減です。評価尺度が厳しすぎて、どんなに現場が頑張っても“0点”しか取れないようでは、現場は最初からやる気を失います。

 評価尺度だけは、リーダーがしっかりチェックしてから進んでください。

 下期が、10月からスタートします。参考になれば幸いです。

《人事考課・レベル3の確認》

 このブログでも、時々ふれています【人事考課・レベル3】について考えてみたいと思います。

 一般的に使用されている人事考課シートは
※考課要素    管理能力 量的実績 規律性 協調性等
※等級別ウエイト 各等級ごとにウエイト調整を行う
※評価内容    考課要素ごとに5段階レベルを文章で表現している

 まずは被考課者が、考課要素ごとに表現された評価内容を読んで自分の主観でレベル1~5を選択し自己評価します。次に同じような手順で上司が考課要素ごとに部下のレベルを1~5のいずれかを選択して他者評価します。問題は、文章で表現された評価内容を読んだ時の各人の理解の差が出るということです。いわゆる【考課エラー】甘・辛とか考課ギャップと呼ばれるものです。悩ましいです。でも、人間だから必ず起きるのです。

 これといったうまい対策が中々見つからないのですが、私は考課要素ごとにレベル3(普通)を考課者に考えて貰うようにしています。そうすると、レベル3の指標とかチェックリストとか思ってもいなかった資料が出来てきたりして、とても勉強になることがあります。

 9月は、上期の人事考課の時期ですね。我が社の【人事考課レベル3】を考えてみる良い機会かもしれません。チャレンジしてみては! 

 

 

《人事考課3レベル》

 このブログを読んでいる方々には、人事考課制度を運用し人事考課に日々頭を悩ませている人もいることと思います。

 人事考課者トレーニングで確認していることについて少しふれてみましょう。

 人事考課者トレーニングは、一般的には次のようなプログラムで進めています。(2~3時間程度)

1 人事考課制度の目的
2 目標を持つことの意味
3 考課エラー
4 考課要素ごとの5段階中3のレベルは?

 特に難しいのが、4番目の3レベル(普通)の確認です。研修時間内では、中々まとまらないことが多くて宿題にしたりしています。各部署ごとに箇条書きにしたり、チェックリスト方式にまとめたりと色々な形式で出てきますが、私にとっては、大変勉強になる貴重な時間なのです。このレベル3の目線合わせば、人事考課制度運用にあたっては大変重要なポイントと考えています。

 定期的に確認作業が必要かもしれませんね!

《人事考課制度導入の目的》

 四月に酒田市内を散策していると、とある“布団や”さんの玄関辺りが赤白の垂れ幕で飾られているのに目がいきました。気になったので近づいて行って“よーく見たら”こんな風な看板が立っていました。

 『お陰様で100周年を迎えることが出来ました』・・・・・・。私は60歳になりましたが、私より40歳も先輩であることにちょっと感動を覚えて帰ってきたという出来事です。

 私の仕事は、組織とか人事制度のコンサルティングが中心です。目的としていることは《組織の永続》になります。私の関与する組織が、布団やさんのように、100年、200年と存続していることを日々願いながら業務に励んでいます。

 そこで、“組織が永続”するためにはどのような人材が求められるのでしょうか!私の仮説ですが、【自ら考え・自ら行動できる人材】が組織の永続を支えるのではないでしょうか。組織の60%~70%は【指示待ち人材】といわれています。この場合には、指示されたことは一生懸命にやりますから、半分は出来ていることにことになります。不足しているのは、批判的な視点です。指示・命令を無批判で受け入れるのではなくて、批判的な視点で考えてみるということです。

 もう少し具体的に言えば【提案・代案】が出せることだと思います。ただ、批判だけするのは【評論家】です。業務改善等考えながら仕事に励んでほしいものです。

《人事考課運用の課題》

 三月~五月にかけてのこの時期は、人事考課制度運用のために“考課者トレーニング”を実施する機会が多いです。今回は、人事考課シートの点数化を中心にした研修が多かったのですが、色々な問題・課題が出ています。

 弊社で提案している“人事考課シート”は、一部の考課項目を別紙チェックリストにして点数化する形式のものになります。問題点は、チェックリストのない考課項目のレベル3(5段階評価の場合)の基準が明確になっていないということです。例えば、【量的実績】の考課項目で、どの程度の量ができたらレベル3なのか、といったようなケースです。

 研修では解決できず宿題としました。社内における評価基準(レベル3)を明確にするために、一度社内の考課者を中心に検討していただき、来月再度考課者トレーニングで協議します。

 頭を悩ませるようなことに出会いますが、刺激的で楽しいです。“脳は若返る”にも書いてあるように、問題を投げかけて考えてもらうことは大事なことなんでしょうね!

《人事考課制度の目的》

 うまく出来たら“褒めてあげ”、ダメであれば“ダメと”指摘する。子供のしつけや部下指導は、それができなければ育成は期待できません。

 しかしながら、現実は褒めることも叱ることもできない上司、親、教育者が多いように感じます。

 また、結果がダメだからといって、ただ叱りつけたり、注意したりするだけでは、効果的な指導はできません。何故ダメだったのかの原因を究明しなければならないのです。やる気が足りないのか、知識が不足しているからなのか、スキルが劣っているためなのか、原因がつかめてこそ初めて正しい処方箋を与えることが出来るのです。この視点が“人事考課”の大切な部分です。

 また、人事考課の目的にはいろいろあると思うのですが、基本的には、【能力開発・人材育成】 【公正な処遇】にあります。この両者を結び付けてこそ、真価を発揮するものなので人事考課制度の運用にあたっては意識してみたいところです。人材育成を成功させるためにも、能力開発と連結できる制度を構築し、人事考課基準の明確化・考課者トレーニングによる考課能力の開発も同時に心がけていかなければならないと考えています。

 そろそろ上半期の評価の時期になってきました。原点に戻って人事考課制度の目的を案内してみました。 

《能力を磨く》

 “自分には能力がないのではないか”と思いこみ、悩んでしまう人がいます。
 
 しかし、【能力】とは、発揮されてみなければ、あるのかないのか誰にもわからないものです。

 ですから、“自分には能力がある”と思って得意になるのも、“自分には能力がない”と思って自信をなくすのも間違っています。

 まして他人と比較して、“あの人に比べて自分には能力がない”と落胆するのも愚かなことです。

 では、能力を【発揮】していると思われる人は、どのようなタイプでしょう。
※様々な知識を貪欲に吸収し、自分のものにする。
※何事も受け身にならないで、好奇心を持って積極的に行動する。
※未経験のことにも果敢に取り組んで、途中で投げ出さずに継続している。

 このようなタイプの人に共通するのは、『能力は磨いて初めて発揮できるもの』だと考え、能力を磨く努力をしていることでしょう。

 職場の教養より

 人事考課・評価にも共通しますが、視点は【保持能力】ではなくて【発揮能力】をキッチリと評価することですね、

 

《人事考課の目的》

 そろそろ年度末になり、人事考課の時期ではないでしょうか!そこで今日は、【人事考課の目的】を私なりにまとめてみたいと思います。

※人事考課の目指す3つの視点
Ⅰ 社員の成長と育成の視点
  職務を遂行する上で必要とする、知識と技術の習得
  組織を永続させるための人材育成

Ⅱ 目標管理を運用しての行動変容
  社員が目標を共有し、上司・部下のコミュニケーションツールとすること
  行動が変わると結果が変わることを理解し、プロセス行動に着目すること

Ⅲ 意識のギャップを埋めること
  自己評価(やっているつもりの自分)
  他者評価(はた目の自分)
  両者の評価のギャップをうめること

 たくさん書きたいことがありますが、シンプルに3つに絞ってみました。