月別アーカイブ: 2016年8月

《休日の社内メール自粛》

 読売新聞の記事より

 土日も仕事のメールをやりとりするため、気持ちが休まらず、ストレスをためている会社員が少なくない。きっちり休みを取らせるために、勤務時間外のメールの自粛を呼びかける企業が出てきた。無駄なメールを廃して業務を効率化するのも狙い。海外でも同様の動きがあり、『つながらない権利』として話題を呼んでいる。

 都内の不動産会社に勤める女性(31)は、『私の職場では、週末に上司から来るメールやラインの連絡に困っている人が少なくない』と話す。『すぐに対応しなくてはならないメールと、そうではないメールが混在しており、とりあえず全部読まないといけないのでストレスがたまる』こういった悩みを持つ会社員は少なくない。

 システム関発会社『電通国際情報サービス』の『BANK・R営業部』でも土日に、部員間でメールを多数送りあっていた。『出張先や自宅から、週末でもリポートを社内関係者に出すのが、習慣化していた。さらにメールが届いたら常にチェックしないといけないという不文律を、自分たちで勝手に作ってしまっていた』と部長の安広征太さん(49)。土日に受け取るメールは、一般社員でも15~20通に上がった。

 しかし昨年、人事部の勧めで働き方を営業部内で話し合ったところ、土日のメールが論点に浮上。試しに『各自の判断で緊急性のないメールを自粛』としたところ、安広さん自身、意外と困らないことが分かったという。

 『土日のメールは激減した。ちゃんとリフレッシュできるようになったからか、本来必要としていた創造的なアイデアが部員達から出てくるようになった』と喜ぶ。

※業務改善の視点で大切なことと感じました。 
 

《オリンピックも終わりました》

 8月はオリンピックが開催されて、寝不足気味の日が続きました。圧巻は女子レスリングの大活躍でしたが、私は出張先のホテルで二日間見ていました。(ライブです)

 伊調選手の4連覇は大変素晴らしいことでしたが、個人的には銀メダルに終わった吉田選手にはたくさんの感動を頂きました。昨日は、“情熱大陸”の番組で取り上げられていましたが、改めて彼女の魅力が引き出されていた感じがします。

 時々、研修の場で受講生の皆さんに質問することがあります。(北京オリンピックでのこと)
『銅メダルを取って大喜びの寺川綾さん、一方銀メダルを取って悔しがる内村航平』ですが、皆さんこれはどういうことなのでしょう?
 当時の寺川さんのインタビューでは、彼女の目標は金メダルと答えていました。

 色々な答えが返ってきますが、まず確認しておきたいことは両者目標は金メダルであったこと。

 今回、内村航平はリベンジして金メダルを手にしました。素晴らしいことだと思います。諦めない気持ちを学びました。

 最後に男子レスリングで、銀メダルを取ったのに“悔しさ”がすごく出ていた樋口選手の小学四年生の作文を一部ご案内します。

 しょう来のために今やる事・・・・・ひぐち れい

 今ぼくは十さいです。しょう来の夢はオリンピックにでてレスリングの種目で優勝することです。
 そのためには今からたくさん一生けん命に練習してがんばらないといけないと浜口さんなどを見て思います。
 今ではもっと強くなれないから一生けん命に練習して家でもふでたてふせやふっきんを・・・・・・・・。

 樋口選手の金メダルへの本気度が伝わってきますね。東京オリンピックではきっと金メダルを取ってくれるでしょう。 

《編集手帳》

 読売新聞の“編集手帳”から

 横綱双葉山の70連勝を阻んだ安芸ノ海に逸話がある。
 
 師匠(出羽海親方)はさぞかし喜んでくれるだろう。意気揚々と部屋に戻ったが、二コリともしてくれない。

 やがて師匠が言ったという。『節男(安芸ノ海の本名)、勝って騒がれる力士より、負けて騒がれる力士になれよ』 相撲に限らず、むずかしい注文である。偉大な記録そのものよりも、記録を産み落とす苦しみのほうに照明のあたりがちなその人は、生けるお手本かもしれない。

 その人こそ、大リーグで3000本安打を記録したイチロー選手である。のこり二本に迫ってから、無安打が7試合続いた。

 苦しかったという。『誰にも会いたくない時があった』と、偉業を成し遂げた後の記者会見で語っている。『僕も、切れば赤い血が流れる。緑ではない』とも。打って当たり前、打たないことで騒がれる過酷な宿命を背負った人の“肉声”だろう。

 サラリーマン川柳の旧作にある《打てぬ日もあるイチローを好きになり》。あの天才にも悩める日があるのだもの、凡才の俺が落ち込むまいぞ。驀進して世を酔わせ、足踏みして世を慰める。

 希有の人である。

《スリッパ会社と作業着会社》

 “ドラッカーの実践経営哲学”から!

 投資の専門家が言っている鉄則に『スリッパに履き替える会社に投資すると儲からない』という『スリッパの法則』がある。同じく『作業着を着ている社長が率いている会社に投資しても儲からない』という『作業着の法則』もある。

 スリッパに履き替えたり社長が作業着を着て内部に目を光らせている会社は、外部志向でなく内部志向だからだ。

 言うまでもないがマネジメント(経営管理)は、外部に対応することが目的であって内部に対応することが目的ではない。

 儲からないといって嘆いている企業に共通していることは、幹部が社内を歩き回ってお客(得意先)を回っていないことである。 

 お客を回る時も一人で回らずにお供を連れて回るのが特徴だ。会社はつぶれないものだと勘違いしているから、外部で起きている変化に無関心で社内に座っていたり、お供を連れてお客を回ることができるのだ。

 お供を連れてお客を回っても、お客は顔なじみの担当者の顔をたてるから、お客からホンネの話を聞き出すことはできない。私の経験では、幹部が連隊を組んでお客を回っている企業の業績は悪い。本当に強い幹部は裏口から一人で入ってくる。

 マネジメント(経営管理)の根幹は会社をつぶさないことであり、そのために自らお客をつくる活動を行うことである。お客をつくる活動を行うために社内を管理しているのである。

 売上不振の原因は、お客と話をする以外に本当の原因は分からない。そうしてはじめて不振の本当の原因をつかむことができるのである。

《ドラッカー流 リーダーシップ》

 ドラッカーは、リーダーの最大の仕事は企業内で働くすべての人々に役割を与えて、やる気を引き出して生産的にしむけることだと言っます。
 
 『企業は人なり』と言います。企業は人間の集団であり、人間よってつくられている組織ですから、発展・永続するかどうかは一にも二にも人間をやる気にさせられるか否かにかかっていると言わざるをえません。人間をやる気にさせて能力を引き出すことがリーダーの最大の仕事になるのでしょう。

 もう少し具体的にすれば、リーダーは夢を語ることが大切になるということです。“ビジョンリーダー”といった表現で伝えることが多いのですが、人間は夢と希望がなければやる気を起こしません。『笑う門には福来たる』と言われますが、何よりリーダーは周囲を明るい気持ちにさせ“情勢が暗い時でも”方向を明確に示し皆をリードすることが新のリーダーといえます。

 また、組織が永続するために【何のために存在するのか】 【存在するために何をするのか】 【何をしてはいけないのか】を分かりやすく共感を覚える言葉で伝えることができれば、社員が『自分が会社を動かしている』と感じることができるようになると思います。このような仕組みを創ることがリーダーに課せられた課題となります。