月別アーカイブ: 2014年9月

《フィードバックとは》

 フィードバックという言葉は、電気回路の出力の一部を入力側に戻すという意味がありますが、コーチングではコーチがクライアントに、クライアントがどんな印象や影響をコーチに与えているか、またその人の行動がどのようにみえるのかを≪ありのまま≫に伝えることを、フィードバックといいます。

 私たちが自分の感覚だけで把握できることには限界があります。外からの情報がまったくない状態では、正しい方向に進んでいるつもりでも、間違った方向に進んでいるということもありうるわけです。宇宙船が、地上のオペレーターからのフィードバックを受けて軌道修正を繰返しながら進むのと同じように、私たちも自分が目標に向かって最適な方法を選択しているか、目標まであとどのくらいか、軌道からズレてはいないか等といった客観的情報、つまりフィードバックがあることで、目標達成まで最短で最善の方法をとることが可能になるのです。

 フィードバックは、忠告や批判とは違います。相手から伝わってくること、聞こえていること、触れている感覚も含め、≪客観的事実≫について、ありのままを伝えるのです。また、見て、聞いて、そして自分自身が内側で感じている≪主観的事実≫について、ありのままを伝えるのです。

 第一人称(私は・・・・)で、適切なタイミングで、必要性や相手の行動が変わる可能性を感じながらフィードバックして下さい。

《指示命令型のリーダーシップ》

 指示命令型リーダーシップのスタイルでの問題は、それを続けていると部下の創造性を奪ってしまうということです。仕事では常に不測の事態が生じ、プランどおりには進みません。つまり仕事では、不測の事態への対応能力が求められるわけですが、指示命令型リーダーシップのスタイルでは、言われたことしかできない人を育ててしまうのです。

 自分で考えて行動できる人が減っているとこぼしながら、指示命令型リーダーシップのスタイルをとり続けるのは矛盾しています。不測の事態に対応できる部下を育成したいと望むなら、自分の頭で考えさせるようにすべきです。

 人は元来、他人に指示されたり命令されたりすることを好みません。それでも緊急で重要な案件に対しては指示命令は有効です。これまでのマネジメントは、指示命令と厳しい管理でした。コーチングは、質問を繰り返すことで“気づかせようとする”アプローチ手法です。

 ここ十数年コーチングの考え方が組織運営に支持されるようになり≪一緒に考えるアプローチ≫≪気づかせるアプローチ≫が管理者のリーダーシップスタイルとして定着してきた感があります。ただし、上記にもあるように緊急な場面等では≪指示・命令≫することは、きわめて重要なことだと感じています。

《コミュニケーションって?》

 “コミュニケーションってなんでしょうか?”という質問を投げかけると、興味深いことに色んな答えが返ってきます。おそらく私の質問が抽象的なので余計にそのようなことが起きるのだと思います。

 『ゆっくり会話を交わすことです』『相手の話を聞いてあげることです』『アイコンタクトを取ることです』等々たくさんの返答が出てきます。ここで少し整理してみたいのですが、コミュニケーションの≪手段≫と≪目的≫についてです。例にあげた返答は≪手段≫ではないでしょうか。この手段には“バーバル”なものと“ノンバーバル”なものがあります。バーバルコミュニケーションとは、言葉を通じてのコミュニケーション。一方のノンバーバルコミュニケーションとは言葉以外の目や耳とか五感を通じてのコミュニケーションです。福祉施設の若い職員の中には『利用者の方々とゆっくりコミュニケーションが取れないのです』といったような悩みを持っている方がいます。彼らの多くは“バーバルコミュニケーション”のことを問題にしているようで、ちょっと気になります。
 
 日々業務に追われて忙しい中、たっぷりと時間をとって会話をするナカナカ難しいと思います。ですから“ノンバーバルコミュニケーション”に意識を向けて、握手をしたり、肩にさりげなく触れたり、ニコッとアイコンタクトを取ってみたりすることで相手との距離や信頼関係を構築してほしいと感じています。

 また、コミュニケーションの目的についてはもう少し考えてみたいと思います。

《ビジネスメール》

※返信は早めに簡潔に!   読売新聞の記事より

 一般社団法人、日本ビジネスメール協会が8月に発表した『ビジネスメール実態調査』によると、過去1年間に仕事のメールで不快な気持になったことのある人は、51%とほぼ半数。理由としては、『文章が曖昧』などメールの内容に関するものが上位を占めたが、『返信が遅い』こと自体を不快に感じる人も17%と目立った。
 同協会の直井章子さんは、『丸1日たっても返事がこないと、不快、不安に感じがち。せっかくのビジネスチャンスをフイにしかねません』と指摘する。すぐには結論を示せない場合でも、メールを受け取ったことと回答できそうな時期を記して、なるべく早く返信すべきだという。
 仕事での返信メールは、本文の最初に相手の名前と会社名を記入し、数行空けて『お世話になります。○○の▲▲です』などと、自分の会社名と名前を記す。互いの肩書は省いても構わない。『かしこまった時候の挨拶は不要です。曖昧な表現は避け、簡潔にまとめましょう。文面が冷たいと思うなら、本題に入る前に、まだまだ暑いですね。等と一言添えると和らぎます』と直井さん。
 受け取ったメールの文章を全文引用して返信するか、部分的に引用するかは、相手や状況による。一般的には、交渉ごとなど、やりとりの経緯をまとめて残す必要があれば全文引用、ポイントを簡潔に記すだけでよいなら、部分引用の方が分かりやすい。

 ≪返信のポイント≫
※受け取ったらなるべく早く返信を。丸一日以上相手を待たせない。
※重要なメールは返信した後、電話でも受け取ったことを相手に伝える。
※打合せ場所や日時などを伝えるだけなら、部分引用の方が分かりやすい。

《個別面接について》

 毎年この時期には、個別面接を法人や企業に伺って実施しています。通常は私と代表と社員の三者面接の形態で、一人当り20分程の時間で“目標の確認” “業務質問票からの問題”について質問を中心に進めています。

 最近感じていることは、“目標の確認”では≪プロセスの実行計画と評価≫≪成果・結果の設定と評価≫が曖昧になっているということです。成果・結果の前にプロセスがあって、望ましい成果・結果をあげる為には“プロセスのクオリティー”を高めることの大切さを研修を通して繰り返して説明をしていることもあってか、一方の≪成果・結果のイメージ≫が明確になっていないといったことが起きてきまました。実行計画に基づいて着実にプロセスを積み上げることと、今一度最終結果のイメージを面接では強調しています。

 業務質問票には、各人から問題点やクレーム等について記入して面接に臨んで頂きます。第一線の現場で日常発生していることがよく分かるようです。私は外部の人間ですから専門的な事はよく分かりませんし、社員一人ひとりのことも分かりません。ただ、一緒に同席して頂いている代表には課題とか改善点とかが見えてくるようです。『エッ!そんなことが起きているのか?』といったようなことが時々あります。組織が徐々に拡大していくとトップとファーストラインとの距離が大きくなります。お客様と直接接触している第一線の現場で起きていることを定期的に把握する一つの方法として“三者面接”は大切な事だと実感しています。

《仕事のできる人》

※肯定的な言葉を使いましょう!  “職場の教養より”

 仕事のできる人とできない人には、ある違いがあります。物事に対して、肯定的に捉えるか、否定的に捉えるか、ということです。

 上司から指示があった時、肯定的な人は、積極的に受け入れ、すぐに取りかかるので仕事がはかどります。否定的な人は、できない理由ばかりを探しがちです。では、つい否定的に捉えてしまう癖がある人は、どうすればよいでしょう。

 医学博士の佐藤富雄氏は、「肯定的で楽観的な言葉を第一声として発すると、脳は≪大丈夫なのだ≫と理解し、これでよい理由とか、うまくいく方法を次々と見つけ出していく。否定的な言葉を発すると、脳は残酷にも、その意向に沿って、ただちに≪できない理由≫を山ほど探す」と述べています。

 職場で必要な人材は、仕事のできる人です。それは、能力の差というより、仕事に取組む心の持ち方による部分が大きいのでしょう。

 ≪もしできなかったら≫と考える前に、“面白いですね” “きっとできます” といった肯定的な言葉とともに、前向きに仕事に取組んでいきたいものです。

《夢を実現させるには》

※夢を実現させるには  職場の教養より

 脳科学者の中野信子さんは、夢や目標を紙に書いて、頻繁にその紙を眺めることを推奨しています。

 その紙を眺める時、人の脳は、夢や目標が実現した時のことを自然にイメージするそうです。そして、『やる気』にかかわる脳内の神経伝達物質である『ドーパミン』が分泌され、夢や目標達成のための行動が促される、というのです。

 人は誰でも《こんな自分になりたい》という夢や目標を持っているものです。とはいえ、日々の業務に追われる中、行動にはなかなか結びつきません。

 特に暑い時期は、気温の上昇に身体かついていかず、体調を崩したり、疲れが出やすい時期です。このような時こそ、自己実現に向けて工夫をしなければ、する気も出ず、つい楽な方に流されてしまいがちです。

 自分の夢や目標があれば紙に書き、職場のロッカーや自分の部屋など、毎日目につく場所に貼りましょう。

 夢への行動は自己の成長となり、職場の活性化にもつながるでしょう。