月別アーカイブ: 2013年2月

《さて、あなたは待てるか?》

 世にもめずらしい実験です。19匹のチンパンジーと40人の人間の競争です。
 どんな競争かといいますと、『目の前のおやつを我慢して、あとでもっとたくさんのおやつを貰うこと』
 その魅惑的なおやつは、チンパンジーにはブドウ、人間にはレーズン、ピーナッツ、チョコレート、ゴールドフィッシュクラッカー、ポップコーンです。
 
 まず最初に参加者全員に、好きなものを二つ貰うのと六つ貰うのとではどちらがよいかを選択してもらいます。これはすんなり決まりました・・・・・。人間もチンパンジーも二つより六つのほうがいいに決まっています。次に、少し条件をつけて複雑にします。【二つのおやつをすぐに貰うのと、2分たってから六つのおやつを貰う】のとでは、どちらがいいかを選ばせました。
 2007年に発表されたこの研究は、チンパンジーと人間の自制心を比較した最初の研究です。この実験結果から人間ならではの性質がわかっただけでなく、忍耐力の進化の根拠が明らかになりました。
 チンパンジーも人間も、待つ必要がなれけば二つより六つ貰うほうがいいに決まっていますが、待たなければならない場合には、チンパンジーと人間ではその選択に大きな違いが表れました。チンパンジーはおやつを余計に貰おうとして、なんと72%が待ちました。いっぽう、人間のほうは、19%しか待てなかったのです。

 実に興味深いですね。さて、あなたはどちらを選択しますか?

《意志力は感染する》

 組織文化を変える!為に、制度・人材・戦略等の面からアプローチをすることになるのだと思いますが、まずは組織文化を大きく二つに分けると【建設的組織文化】ポジティブカルチャー【破壊的組織文化】ネガティブカルチャーになります。そこで、このような二つの組織文化に多大な影響を与えているものは、その中に存在する人材にあると考えます。もう少し絞ると【リーダーとかマネージャー】ということになりますね。
 
 組織が成長・発展する為には【建設的組織文化】が望ましいわけですが、今日は《感情や意思は組織の中で感染する》といった点から考えてみたいと思います。
 まずは、こんな事例から。
 18歳で高校を卒業したばかりのジョンは、米国空軍士官学校でパスから降り立ちました。荷物はバックパックひとつだけ。士官学校の新入生が所持するのを許されたわずかな品々が入っています。小さな目覚まし時計、冬用の上着、文房具等など。
 じつは、他にもこっそり持ってきたものがありますが、それはバックパックには入っていませんでした。目には見えないので、ジョンと同じ飛行中隊に配属された士官候補生たちも気づきませんでした。やがてジョンが持ってきたものは、ジワジワと浸透し、彼らの健康や空軍でのキャリアを脅かすようになっていました。
 ジョンがもたらした災厄とは、いったい何だったのでしょう!
 他人にうつるなんて信じがたい話ですが、それは『不健康な生活習慣』でした。
 
 私たちは、自分の選択は他人の影響など受けていないと思いがちですが、心理学で示しているように私たち個人の選択は、他人が考えていること、欲しがっているものや、やっていること、さらには他人が自分に期待していることなどに、強い影響を受けています。

 今日私がお伝えしたいのは、組織運営のプロセスでも『このような感染が起こる』ということです。目に見えないプラス面・マイナス面の影響です。特にリーダーとかマネジャーの影響力が強いので注意したいですね。
 

《モチベーション》

 モチベーションについて考えていると、このような新聞記事が目につきます。

 読売新聞の投稿記事より紹介します。
※子どもの声料理に意欲
 『あしたから夕ご飯、いらないから』次女がそう宣言したのは半年前のこと。仕事が忙しく、遅い時間の食事は美容と健康に良くないからという理由だった。
 そのころから、私の夕食作りは『スランプ』に陥った。夫と二人だけの食卓。冷蔵庫の中身とにらめっこしても、スーパーの食品売り場を歩いても、適当なメニューが浮かばない。
 そんな中、東京で働く長女から『今電車の中。ちょっとだけ家に寄る』と突然のメールが。即座に私の手際が良くなった。家にある食材だけで、4・5品のおかずが完成、炊き込みご飯もおいしく出来上がった。一気にスランプを脱出した感があった。
 子どもたちが小さい頃は、仕事を終えるとすぐに台所に立っていた。どんなに疲れていても、パワーが湧いたのは『お腹すいた―。今日のご飯なあに?』という魔法の言葉があったからだ。
 慌ただしくも輝かしい日々を久しぶりに思い出した。【宇都宮市 辻小夜子】

 魔法の言葉を探してみたくなりました。