《イノベーションのジレンマ》から

 少し古い本ですが、クリステンセン教授の “イノベーションのジレンマ”というタイトルの本を(2001年7月初版)私は最近読みました。“イノベーション”という言葉が随分と世の中で氾濫した時期もありましたけど、この本が引き金になったのかもしれません。
 本の内容は、【破壊的技術】【持続的技術】について書いてありますが、優良企業がダメになる理由についてディスクドライブの開発を例に説明をしています。関心のある方は読んでみてください。

 その本の最後にクリステンセン教授の言葉が紹介されていましたので、書いておきます。
 教授は『イノベーションのマネジメント』の講義の最終日をこう締めくくったのである。
 『私のボストン・コンサルティング・グループ時代の友人は、大きなヨットを持っていて、土日となればクルージングに出かけている。ところが彼は、やれ係留の費用が高いだの、メンテナンスを頼んでいたのにちゃんとやっていないだの、といつも不平ばかり言っていて少しも幸せそうでない。一方、私は毎週日曜日は欠かさず教会に行き、困っている人の相談に乗って、アドバイスをしたりしている。毎週日曜日が取られるのは大変だが、自分が人や地域のために役立っていることから得られる満足感でいつも満たされている。諸君もこれから社会に出て、ビジネスの場で活躍をするのだろうが、本当の幸福はお金でなく、家族やコミュニティーから得られるということを覚えておいてほしい』