《ほめる・叱る》

 学習理論によれば“行動は正の強化によって起こりやすくなり、負の強化を用いることで起こりにくくなる”とあります。

 確かに、ショーに登場する犬・サル・魚たちのトレーニングの様子を見ると、上手く行ったときにスナックや餌をご褒美にして与えています。これはどうゆうことかと言えば、動物たちがトレーナーの期待通りの行動をしたら、餌を与えたりほめたりしてご褒美をあげれば、その後同じような行動を起こしやすくできる、という考え方です。

 逆に負の強化とは、言葉で叱ったり罰を与えたりすることで、ある行動を止めさせることができる、という考えです。

 シンプルで分かりやすい理論ですが、難しい事例もあります。

 例えば、教室で乱暴にふるまう生徒のケースですが、学習理論によって対応すれば、叱ったり・罰を与えて負の強化をすることで止めさせることが出来ることになるわけですが、研究によると、負の強化が逆効果になって望ましくない行動をさらに助長してしまう、という結果が出ています。というのは、先生は図らずも、その子供に注目するという正の強化を与えてしまっているということになるからです。

 こういうケースの場合には、正も負も与えない“無視する”が良いそうです。