《マニュアルのあり方》

 マニュアルを作りさえすれば、業務改善が進んだり業務効率が良くなるのではないか?と考える人がいると思いますが、この点について考えてみたいと思います。

 一般にマニュアルは二種類に大別できます。一つは、皆が忠実に守るべきルールをまとめたものです。マナー・サービス・接客マニュアルになると思います。

 もう一つは、各人の工夫をしたもので、要するに『マニュアルに記載されていることを規範としつつも、それに各自が工夫をして行動する』といったものです。この場合は『マニュアル通りにする』のではなく、『マニュアルをもとに工夫する』ことになるわけです。

 前者のマニュアルを作るか後者のマニュアルを作るかが、『それしかできない社員』を育てるか『自発的な社員』を育てるかの分かれ道になります。

 問題が発生した時に前者のマニュアルを導入していると『マニュアルどおりにやっておけば間違いはなかった』『マニュアルに書いてないことはやるべきじゃなかった』という危険回避になってしまいますが、後者のマニュアルを導入すれば、『マニュアルにはこう書いてある。しかしこのようにしたら、より効率的なことがわかった』『マニュアルよりも、もっといい方法があるはずだ』といったように自分で考えて行動する癖がつきます。

 スターバックスでは、接客マニュアルを廃止したと聞きました。マニュアル化に対しては、いろんな角度から検討してみる時期かもしれません。