《難しい仕事の受け止め方》

 入社五年目を迎えたS君は、これまでの営業部から、初めて総務部に配属されました。新しい部署では、上司から次々と仕事の指示が出されました。

 一つの仕事が終わらない段階で、『これも頼むよ』『今日中にやっておいてよ』という具合です。最初は素直に聞いていたものの、あまりにも多い仕事量に【担当以外の仕事もあるじゃないか】と、不満が募りました。

 半年ほど過ぎたある日、大学時代の先輩にその不満を伝えました。慰めの言葉を期待していたにもかかわらず、先輩から出た言葉は『良かったね』という意外なものでした。

 『できる人だと認められたから、それだけの仕事が与えられたのだろう。難しい仕事も、パニックになりそうな仕事の量も、喜んで受けてやっていくと、君の能力はさらに開発されるものだよ』

 S君は、その言葉に目が覚めた思いでした。難しいと思えることほど、成長の糧になるのだと受け止めて、向上のチャンスに変えたいものです。

 職場の教養より